FC2ブログ
K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
201904<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201906
「未来山脈」掲載作品・2019/05 「聖樹セイバ」・・・木村草弥
photo_5セイバの木
↑ セイバの木
未来_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is the question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(17)

       聖樹セイバ・・・・・・・・・・・ 木 村 草 弥
             ・・・・・・2019/05掲載・・・・・

        聖樹セイバ    木 村 草 弥

   マヤ文明の故郷であるメキシコ・グァテマラの熱帯樹林

   メキシコのビジャエルモッサの熱帯樹林に生えるセイバ

   密林の樹海に一際高くそびえるセイバは世界の軸に比せられた

   白い樹皮に包まれた樹幹は太く天に向かって伸びる

   そして、高さ四〇メートル以上にも達する

   セイバは世界の始まりと終わり、豊穣と破壊を同時に象徴する

   大地が大洪水で崩壊した後、四柱のバカブ神が立ち上がった

   北に白いセイバを、西に黒いセイバを植えた

   豊穣の緑のセイバが国の真ん中に植えられたが「破壊」の徴(しるし)だった

   それは世界の根源であり、生と死という二面性を表わす
-----------------------------------------------------------------------
セイバの木の写真が見つかって、よかった。
本文の歌にあるように、セイバの白い樹皮が独特である。
しかし、それにしても木の形態が、奇妙というか、特異な形をしていることに何だか体がムズムズするようである。
さればこそ、マヤ人も「聖」性を感じたのであろう。






「未来山脈」掲載作品・2019/04 「卆の字」・・・木村草弥
未来_NEW

tscspp-sotujyu-front.jpg
↑ 卒寿記念のTシャツの広告

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(16)

      「卆」の字・・・・・・・・・・ 木 村 草 弥
             ・・・・・・2019/04掲載・・・・・・

        「卆」の字    木 村 草 弥       

   卒の略字「卆」は九と十。わたしは今年卆寿だという

   卒は兵卒。古代中国には兵卒に印(しるし)をつけた服を着せたから

   宮崎信義は徴兵され中国戦線で一兵卒として苦労した

   卒は終わる、終えるの意味から「卒業」の熟語がある

   卒には「遂に」「俄(にわか)に」の意味もあると辞書に

   「卒中」「卒倒」「卒然」などの熟語がある

   卆寿とは「人生を終える」齢という意味なのか

   虚弱児だったボク──九十歳まで生きるなんて思いもしなかった

   どうやら「卆」の字が私の目下のキーワードらしい

   ああ、この夕餉に牡蠣(かき)に檸檬(れもん)を絞りつつ思うことである
------------------------------------------------------------------------------
作品の中にも書いたが、虚弱児だった私が九十歳まで生きるとは、思ってもいなかったことである。
別に、お祝いをしてもらいたいとも思わないし、古稀や米寿のときも何もお祝いの行事はしなかった。
だから、そんなことに関心はない。まあ、しかし、作品に書いたような「感慨」はあるのである。







「未来山脈」掲載作品・2019/03 「ヨーロッパの森」・・・木村草弥
564056777-シユヴアルツヴアルト-針葉樹林-丘-村
 ↑ ドイツ・シュバルトバルトの森と村
db46b3aabf833817db82e6c8052f5e2d_sヨーロッパ・ブナ
↑ ヨーロッパ・ブナ
p3292275katakuriスプリング・エフェメラル①
↑ スプリング・エフエメラル①
無題スプリング・エフエメラル②
 ↑ スプリング・エフエメラル②
imagesR9UCUVCYスプリング・エフェメラル③
 ↑ スプリング・エフエメラル③
g4aBW4NKg4qQWF8xPGAユーカリの森
 ↑ ポルトガルのユーカリの森
未来_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(15)
   
        ヨーロッパの森・・・・・・・・・・木村草弥
             ・・・・・2019/03掲載・・・・・・

         ヨーロッパの森    木村草弥

   春の一日 広葉樹の緑とおとぎの国のような下草の花模様

   国境は無きに等しいが森の風景を見ると面白い

   同じマロニエの樹でもドイツとフランスで樹の生え方が違う

   ドイツ人はマロニエはこうあるべきだ、と植樹する

   この区画は〇〇年度植樹。一本でも樹高の違いも許さない

   杓子定規の凹凸が樹々の風景に整然と展開する

   オランダの夏のヨーロッパ・ブナの森が拡がる

   オランダ人は国の大半を干拓によって生み出した

   そこに樹木を植え育て上げ各地で見事な森に出会う

   ポルドガルは植林に熱心 ユーカリの森が拡がる
-------------------------------------------------------------------------------
スプリング・エフェメラル─「春の妖精」は、温帯の落葉広葉樹林に適応した植物である。
冬に落葉した森林では、早春にはまだ葉が出ていないから、林床は日差しが十分に入る。
この明るい場所で花を咲かせるのがこの種の植物である。
やがて樹木に新芽が出て、若葉が広がり始めると、次第に林内は暗くなるが、それでも夏まではやや明るい。
この種の植物は、この光が十分にある間に、それを受けて光合成を行い、その栄養を地下に蓄える訳である。
したがって、これらの植物は森林内に生育しているものの、性質としては日向の植物である。
私の歌の一番はじめの歌の内容が、これに当たる。
画像として三番目から三枚出しておいた。
なお、ユーカリの木は木材のほかに製紙原料としても資源として利用するために植えられている。






「未来山脈」掲載作品・2019/02 「オダガン・モド」・・・・木村草弥
未来_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



──「未来山脈」掲載作品──(14)

      「オダガン・モド」・・・・・・・・・・・・・木村草弥
              ・・・・2019/02掲載・・・・・・

      オダガン・モド     木 村 草 弥

  モンゴルの十歳の少年が留学する母親と一緒に来日した

  農地に面する樹木に囲まれたアパートに住んだ

  自然に囲まれて良かったと思ったが彼の反応は違った

  草原から来た彼には木が邪魔だった

  木々が緑で覆われる頃になると怖いと言い出した

  一望さえぎるもののない草原に育った彼には木々の緑は目障りだった

  風が吹く夜などは泣き出さんばかりに怖がった

  家財道具でも木の用途は住いの骨組みに僅かに使われるだけ

  半砂漠のゴビでハイラースという大きな木が二、三本聳えている

  それは「オダガン・モド(巫女(みこ)の木)」と呼ばれて信仰される
----------------------------------------------------------------------------
この木の画像があるかと調べてみたが、みつからなかった。 悪しからず。


「未来山脈」掲載作品・2019/01 「森の記憶」・・・・木村草弥
acd7db54b57e000be3760feea92c2bae.jpg
未来_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(13)

      「森の記憶」・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
                ・・・・・2019/01掲載・・・・・・

     森の記憶      木 村 草 弥

   クォークから原子へ 原子から分子へ 分子からDNAへ

   百億光年の彼方から一〇〇ミリ秒のニューロンの発光へ
 
   死と同じ重さの生 生と同じ軽さの死

   白夜に近い状態だった 月だけが冴えざえと輝いていた

   峠を越えると突然、朝霧の歓迎を受けた

   針葉樹林にたなびく霧が逆光に輝いていた

   樹林一面に霧氷が付着して幻想的だった

   雪が降った 雪が降れば山腹一帯がスキー場になる

   この森は北に行くにつれて痩せてゆく 樹高も低く

   「ノルウェーの森」という小説が流行ったが樹種は乏しく針葉樹だけ

-------------------------------------------------------------------------------
いよいよ新年である。
「未来山脈」誌も、表紙のカットの絵が替わって、新しい年度が始まるという新鮮な気分である。






「未来山脈」掲載作品・2018/12 「松柏美術館」・・・・木村草弥
b2b9d_0001353819_1.jpg
20110110_1549152.jpg
↑ 大渕池から松柏美術館を望む
syouen6.jpg
 ↑ 上村松園 画
haru01.jpg
 ↑ 上村松篁 画
上村淳之 鴫 画廊表玄
 ↑ 上村淳之 鴫
光本_NEW
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(12)

      「松柏美術館」・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
                   ・・・・・2018/12掲載・・・・・・

     松伯美術館      木 村 草 弥

   元(株)クボタ専務のK氏が来宅されて恐縮の至り

   小学校の恩師が近くの老人ホームに入居中でお見舞のついで、と

   本年度の「健詠賞」受賞お祝いメールへの返礼

   上村松園、松篁、淳之の三代にわたる作品を収集展示する松伯美術館

   広大な大渕池を眼下に眺める閑静なたたずまい

   ここは元近鉄社長・佐伯勇の別邸跡に建つ美術館

   大渕池緑地に面して閑雅なK氏宅が建つ高級住宅地

   高台の住宅地の I 女史宅から朝の散歩に池畔を歩いた

   女史が亡くなって二年  きつい坂道の記憶

   カイツブリが きりりりと鋭く鳴いていた朝明け
--------------------------------------------------------------------------
K氏の来宅から「大渕池」「松柏美術館」などへの回想を一連の作品にまとめてみた。
上村家三代の作品が納められてある。
ぜひ訪れてみられよ。いいところである。
この地にまつわる私の I 女史との関わりも、ちらっと出しておいた。




      
「未来山脈」掲載作品・2018/11 「街並み」・・・・木村草弥
gahag-0113005161-1.jpg
↑ パリ街並み シャイヨー宮から
d4462b16077385048fc443c46a64db01-630x408アムステルダム街並み
未来_NEW
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(11)

          街並み・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
              ・・・・・・2018/11掲載・・・・・・・

   街を一冊の本になぞらえると、旅する人はみな読者だ

   歴史の古い町ほど、その本は分厚くなる

   旅人は通りから通りへ巡り歩いて何百とあるページをめくる

   街並みは、街を読み解くための記号である

   家の造り、その並び方、あるいは通りの交わりかた

   それらは見るものの目に、謎めいた記号と映るだろう

   凱旋門から広がるパリの街は放射線をなしている

   オランダのアムステルダムは、さしずめ環状線の街と言える

   線をなすのは「運河」である  いく重もの、取巻く運河

   街並みの幾何学模様を、さらに複雑にしているのは「家」





「未来山脈」掲載作品・2018/10 「チョコ野郎」・・・・木村草弥
89cd69ecc0c319cbaa0069143b381b52.jpg
未来_NEW
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(10)

     チョコ野郎・・・・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
            ・・・・・2018/10月号掲載・・・・・・・

   秋風とともにチョコレートがおいしい季節が来た

   ショコラトリ・ロワイヤルはオルレアンで一七六〇年に創業した 

   今でもカカオ豆からチョコレートを生成している数少ない店

   マルキーズ・ド・セヴィニエは一八九二年創業

   一八九八年に「セヴィニエ侯爵夫人」をブランド・イメージとする

   ラデュレは一八六二年にロワイアル通りにオープンしたのが始まり

   「レ・マルキ・ド・ラデュレ」はチョコ専門の新ブランドとして発足

   マルキーズ侯爵夫人の横顔が描かれたボンボン・ショコラ

   よほど「侯爵夫人」がお好きらしい。競って侯爵夫人だ

   フランスはチヨコレート王国。彼らを「チョコ野郎」と呼ぶ




「未来山脈」掲載作品・2018/09 「朝の儀式」・・・・木村草弥
光本_NEW
sd1_2025102a11890b9cbe7656fca1b6dbf19e04a13e.png
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(9)

       朝の儀式・・・・・・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
               ・・・・・・2018年9月号掲載・・・・・・

   わたくしのいつもながらの朝の儀式これから始まる春夏秋冬

   六枚切り食パンを一枚トースターに焼いてピーナツクリーム塗る
 
   ピーナツの上にブルーベリージャム つぶさぬ粒のブルーベリー

   一口づつ齧(かじ)れるようにブルーベリーはパン一面に九ケ所に置く

   ブルーベリーの上にスライスチーズ一枚置けば垂れずに定まる

   マグカップに牛乳二五〇cc入れて電子レンジであたためます

   シェーカーで青汁の粉末泡立てて牛乳の中に注ぎ込みます

   甘味のないカカオ七〇数粒を ポリフェノールの効用信じて

   ミニトマト数粒とバナナ一本これも欠かさぬ定番である

   いちにちの始めの儀式この朝もミルクあたため「いただきます」



「未来山脈」掲載作品・2018/08 「絵手紙」・・・・木村草弥
光本_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(8)

          絵手紙・・・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
                ・・・・・2018年8月号掲載・・・・・・

   絵手紙が来た。 みごとなカボチヤ 陽に輝く

   六十二円切手の畑だより 友は野良に精出す

   むかし子供の頃カボチャをくり抜きキリギリスを飼っていた

   カボチャはポルトガル語由来 「ぼうぶら」と呼ぶ地域もある

   トンガは日本向けカボチャの大生産地になった

   もともとトンガにはカボチャの栽培は無かった

   日本で収穫のない冬に収穫できると商社が栽培を勧めた

   冬にスーパーに並ぶカボチャはトンガ産 小振りだ

   ハローウィンのパンプキンはペポ種でまづくて食用に適さない

   カボチャは強健。 放置しておいても逞しく育つ




「未来山脈」掲載作品・2018/07 「言 葉」・・・・木村草弥
光本_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(7)

         言 葉・・・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
                 ・・・・・・2018年7月号掲載・・・・・・・

   若者よ、言葉にだまされてはいけない

   いつのまにか 死にたい気持ちにさせられたり

   その言葉の力を みくびってはいけない

   いつのまにか 味方が敵になってしまっていたり

   好きなものが嫌いなものになってしまっていたり

   泳いで辿りついたところが別の名前になっていたり

   最初とは全く思わぬ方向に走らされていたり

   どうなっているんだ ただ言葉にだまされただけ

   物は嘘をつかない、物が語りかけるものは嘘をつかない

   言葉は究極の兵器。言葉は人を滅ぼす。言葉は要注意。



「未来山脈」掲載作品・2018/06 「キティちゃん」・・・・木村草弥
茶の間②_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(6)

       キティちゃん・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
               ・・・・・・2018年6月号掲載・・・・・・

   いつだったか夕刊のコラムに「難民かザクレブで女児保護」と

   微笑む小さな女の子の写真が添えられていた

   三歳ぐらいで名前も国籍も言葉もわからずバスに取り残されていた

   ザクレブ近郊の公園から難民集団を運ぶバスの近くに座り込んでいた

   きちんと躾けられた行儀のよい子、と書いてある

   ウルドゥ語にわずかに反応するという

   ウルドゥ語と言えばパキスタンからの長旅だったか

   着ている服は流行の子猫のキティちゃんのアップリケ

   明るい表情が早くも身につけた曖昧な作り笑いに替わり

   その後の報道はないが、その胸のキティちゃんののんびり顔が悲しい
---------------------------------------------------------------------
「未来山脈」誌に復帰して半年が経った。
今まで、亡妻の闘病との伴走のために歌壇から引いた時から「短歌結社」に所属していなかった。
その間も角川書店短歌編集部からは一年か一年半の間隔で作品を求められ、随時、作品が掲載されてきた。
その間、このブログを拠点としてヴァーチャルな世界には関わってきたし、いくらかの作品は「詩」「短歌」の紙媒体の作品として「本」として上梓してきた。
しかし、どこか結社に所属していないと「定型」としてのは「発想」が衰えてしまうことに気付き、光本先生の許に身を寄せることにしたのである。
今さらながら「発想」の枯渇に愕然とする始末である。もとより「加齢」ということに大きな要因があろうが、今となっては地道に歩むしかない。
結社に復帰して半年の感慨である。







「未来山脈」掲載作品・2018/05 「シメオンの光」・・・・木村草弥
未来山脈_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(5)

     シメオンの光・・・・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
                ・・・・・2018年5月号掲載・・・・・・

   レンブラント描く《シメオンの賛歌》が眼前にある

   ルカの福音書に魂を揺さぶられて制作した《シメオンの賛歌》

   白髭を蓄え口を開けて讃美しているのがシメオン

   その腕には幼子イエスがしっかりと抱かれている

   絵の中央で跪きながら二人を見守っているのがマリア

   うす青い衣をまとい右手を鳩尾(みぞおち)、左手を胸に当てて微かに微笑む

   その傍らで髭を蓄え片膝を立てているのがヨセフ

   レンブラントの光は可視化されているようでいて形而上の光である

   目に見えない神の臨在を表すために垂直に注ぐ光を編み出した

   一枚の絵の中で物語が時間をかけて浮き沈みする
-------------------------------------------------------------------------
この号には、上記の作品の他に
 『エッセイ 朝ドラ「わろてんか」から思うこと』 という1ページの私の書いた記事が載っている。
ここに引用することはしないが、戦時中の自由律俳句、自由律短歌などが弾圧されたこと。
そういう当局の「お先棒」を担いで「密告」する手合いが出てきたこと。
作家を動員して戦争美化の宣伝に利用しようとしたが、「石川達三」は軍部の組み立てたスケジュールに反して、兵士たちと起居をともにして、戦場の生々しい様子を描いた。それが小説『生きてゐる兵隊』で、発禁になり、裁判にかけられたが敗戦で裁判は打ち切りになった。いま問題になっている中国での無差別虐殺ことなども、この小説には、その一端が描写されている。
などが私のエッセイの内容である。






「未来山脈」掲載作品・2018/04「桜」・・・・木村草弥
未来山脈④_NEW

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(4)

         桜・・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
                ・・・・・2018年4月号掲載・・・・・

    四月は旅立ちの月である。どこかで桜が咲いている。

   水泳教室も新入生を迎えて活気づいている

   華やかな花柄の水着に包まれた健やかな君のボディが立っている

   水泳で鍛えた張りのある肢体──白い肌が花柄に映えて美しい

   振り上げられた腕が水を漕いでぐんぐん前へ

   水から上がったばかりの肌に水玉が弾けてきらきら跳ぶ

   水着を剥いで引き出したつんと尖る乳首、若い固い乳房。

   贅肉のない鍛えた体幹、その真ん中の凹んだ臍が綺麗だ

   どこかで別れの儀式があり、どこかで桜が散っている。

     ──愛咬やはるかはるかにさくら散る──時実新子





「未来山脈」掲載作品・2018/03「象形」・・・・木村草弥
未来山脈③_NEW
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(3)

          象 形・・・・・・・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
                 ・・・・・2018年3月号掲載・・・・・ 
  
   夕暮れた街 束の間切り裂いて 光と影が格子縞に象形する

   波動する意識をとどめようとして 目を閉じた 明くる日

   新たな季節の訪れの微かな気配 時の移ろいに身をゆだねて

   波動し攪拌する意識に抗い むきだしになる感性を押しとどめ

   攪拌し交差する意識の屈曲率 その透徹した美しさ

   ふしぎにかぼそい光のタペストリー 孤立するまばゆい無限空間

   とどまろうとして なおも意識に墜ちてゆく どこへ

   象形は彩りを失って 残像となり あなたは遠ざかる

   意識の行方をたどるすべはもはやなく 崩壊する放物線

   時の移ろいに身をゆだねて ホッと息を吐き出す 誰か



「未来山脈」掲載作品・2018/02「シルバー川柳」・・・・木村草弥
未来山脈②_NEW
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(2)

        シルバー川柳・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
                    ・・・・・2018年2月号掲載・・・・・

   「門松は冥土の旅の一里塚目出たくもあり目出たくもなし」一休

   一休の狂歌を引いてM君から「年賀をやめる」とハガキ

   「小生、来年二月には九十歳となるので年賀欠礼」という

   「一休の狂歌が身に染みて感じられるようになりました」

   M君よ、それも分るが年賀状は年に一度の「生存証明」なのだ

   まあ、君のしたいようにすればいいことだが淋しいねえ

   シルバー川柳にいう 「誕生日ローソク吹いてたちくらみ」

   同じくシルバー川柳 「入場料顔みて即座に割引かれ」

   朝鮮戦争反対のビラ撒きで米軍事裁判で有罪となり服役したM君

   そんな闘士のM・M君よ、大阪は築港の風は冷たいか




 
「未来山脈」掲載作品・2018/01「マールブルクの面影」・・・・木村草弥
みらい_NEW
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


──「未来山脈」掲載作品──(1)

     「マールブルクの面影」・・・・・・・・・・・・・木村草弥
                 ・・・・・2018年1月号掲載・・・・・

    三月は卒業式の月である 君はちょっぴり涙を流した

    服部信(はつとりまこと)が死んだと恵美子さんからハガキが来た 八十九歳の死

    二〇〇三年にドイツはメルヘン街道とハンブルクを共に旅した

    広島大学教授から国立米子高専校長を務めた服部信

    東北大学出身の化学者で無機化学を専攻した 温和な面貌

    三十歳の頃シカゴのイリノイ工科大学研究者の時のボスM・S

    そのボスがマールブルク出身で懐かしい郷里の話を聞かされた

    マールブルクは大学都市、ノーベル賞学者を輩出した名門

    ルターが神学論争をし、グリム兄弟が大学生活を送った古都

    グリム兄弟が『童話』のメルヘン収集のきっかけを得た坂の町
---------------------------------------------------------------------------
光本恵子主宰の「未来山脈」に、久しぶりに復帰して2018年一月号から作品が掲載されることになった。
服部信夫妻とは、ここに書いたようにツアーでご一緒した。 死因は「大動脈解離」─俗にいう大動脈破裂である。
急に発作が起きたので苦しむことなく、あっけなく亡くなったという。 ご冥福をお祈りしたい。
いま高専というと卒業生は引く手あまたの学校だが、近年「ロボット・コンテスト」が有名である。2017年の大会では米子高専は二位になっという。
私の悔やみ状に令夫人の手紙には「食いつくように熱心に放映を見て喜んでいた姿が忘れられない、数日後の発作だった」と書いてあった。

私は宮崎信義の「新短歌」会員だった頃から「口語自由律」には親しんできたが、私の第三歌集『樹々の記憶』の「帯文」は光本さんが書いてくれた。
そんな光本さんとの因縁なのだが、宮崎信義の取り巻きの「或る」人物 (故人) から、さまざまの嫌がらせを受けて私は宮崎の元を去ったのだった。
宮崎の死んだ後の「生誕百年」に特集が組まれた。
その中に私の「宮崎信義の歌を読む」 という文章が載っている。 お読みいただきたい。


copyright © 2019 Powered By FC2ブログ allrights reserved.