K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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困ったものだよコトバって/せっかちでアタマでっかちで/矛盾するのが大きらい ・・・・・・・谷川俊太郎
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──初出・Doblog2006/01/10──

   コトバの力・・・・・・・・・・・・・・・・・・谷川俊太郎

   困ったものだよコトバって
   せつかちでアタマでっかちで
   矛盾するのが大きらい
   黒か白かに整理したがり
   やたら細かく名前をつける
   今じゃコトバが多すぎて
   ぼくらコトバの海に溺れる

   名前を変えれば中身も変わる
   そう思わせるのがコトバの怖さ
   あっちの神がこっちじゃ悪魔
   文字だけのからっぽコトバで
   うるさいだけの大声コトバで
   玉虫色のごまかしコトバで
   ヒトはころころだまされる

   嘘を本当にするのがコトバなら
   本当を嘘にするのもコトバ
   出来合いコトバをうのみにせずに
   ココロとカラダの深みに潜り
   生身のコトバを探すのだ

   うわべは軽いコトバでも
   ときには中身に命がかかる
   中身の重みは辞書にはない
   中身を生むのは生きてるヒトだ
   したたかにしなやかにゆったりと
   ごまかさずに言訳もせず他を責めず
   真正面から届くコトバ

   そんなコトバこそ
   ココロとカラダの底から湧いて
   情にからんでささやき叫び
   とことん論じて理を尽くし
   ときには口をつぐんで虚空に刻む
   ヒトとヒトとを結ぶへその緒
   コトバのいのちは日々甦る

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この詩は2006/1/5付けの京都新聞夕刊に載るものである。
この作品は、恐らく新作で新聞社のもとめに応じて創られたものだろう。京都新聞は地方紙数紙と共同で連載小説や記事なども配信しているので、日本のどこかの地方紙でも見られるかも知れない。
写真は、その紙面に載るもので「自作の詩を朗読する谷川俊太郎さん」(東京・銀座の王子ホール)の説明がある。谷川さんは、もともと老けた顔立ちではあるが、さすがに1931年生れの満75歳という齢は正直である。
さすがに、わが親愛なる俊太郎ぶしは健在である。最近は「詩」の新作は少なかったが、2005年には詩集『シャガールと木の葉』というのが出たらしいが、私は未見である。
余計な解説は無用である。味わって読んでもらいたい。
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