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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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草弥の詩作品「草の領域」①・・・・・木村草弥(Doblogから転載)
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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
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   王道─La Voie royale・・・・・・・・・木村草弥

クメールの統べし五百年の栄華の跡ひそと佇む然(さ)れども峨々と

しかけたる猪の罠も錆びつかせ闇を抱きて密林ねむる

 『王道』4連
《ながく夢を見つめる者は自(し)が影に似てくる》といふインドの諺

P・ボワデッフル言へり<『王道』は狂ほしきバロックのごとき若書き>

「若い時は死とは何かが判らない」初対面のクロードにペルケン言へり

シレーヌの素肌に夜と昼が棲む、さて、やさしさを縛つてはみたが

 アンコールワット5連
「乳海攪拌」さながら交合のエロスに似てそこより天女アプサラ生(あ)れたり

王なべて不老不死を願ふもの「攪拌」ののち妙薬・甘露得しといふ

歯を見せて笑ふ女神(デヴァータ)像珍しとみれば豊けき乳房と太腿

幾何学的構造といふ神殿は135度の二等辺三角形

地雷に脚を失ひし人老いも若きも寺院の門(かど)に物乞ひをせり

 比喩として2連─物理学徒A・Hに─
競馬場の帰りにつつく関東煮(かんとだき) 非ユークリッドと君は言へども

「幾何学に王道は無し」弟子たりしプトレマイオスの治世はいかに

 「東洋のモナリザ」バンテアイ・スレイ2連
クララ率(ゐ)て女神像盗み捕縛されし逸話はマルロー二十二歳

ひと巡りにて足る寺院ロープ張りて女神と我らを近づけしめず

*幾何学の祖ユークリッドの弟子にエジプト最後の王朝であるギリシア人のプトレマイオス朝の創始者──つまりプトレマイオスがいた。
この王朝の最後の女王がクレオパトラである。
エジプトの古王朝とは、このプトレマイオス朝で、人種的に交替した訳である。
「幾何学に王道は無し」という言葉はユークリッドのもので、上記の私の詩の中では、深い意味はない。
アンドレ・マルローの『王道』からユークリッドの言葉を連想したからに過ぎない。
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私のWebのHP『王道』──アンコールワット紀行──がある。ご参考までに見ていただけると嬉しい。
この作品は、57577の短歌定型の形を採っているが、これはあくまでも「詩」であることを明確に、申しておきたい。自由詩にとっては、形式は自由である。定型であろうとなかろうと、それは問題ではない。
この作品は2003年2月19日の制作日付がついているので、この頃、私は文語、歴史的かなづかいを採用していたので、ここでもそれを尊重して、制作時のままとする。同人誌「かむとき」に発表予定だったが、取り止めたもので、ここに再録しておく。
掲出した写真はアンドレ・マルローが盗もうとした「バンテアイ・スレイ」寺院の女神像デヴァータ である。
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2004/02/08のBlog

   散文詩・南イタリア料理とポモドーロ・・・・・木村草弥

旅の楽しみは何と言っても食事だろう。各国が育んで来た偉大な食文化の数々。まずは南イタリアの料理を。
日本同様、国土が南北に長いイタリアは気候や食文化に大きな地方差が存在する。南イタリアは「太陽の国」のイメージがする。それはこの地方が乾燥しているからで、その条件に合った硬質小麦デュラム・セモリナやオリーヴなどが栽培される。パスタに使われるのは、このデュラム・セモリナのこと。南イタリアでパスタやピッツアがよく食べられるのは、そのため。
対して雨の多い北部は水田もあり、リゾットという米料理をよく食べる。また北イタリアではバターやクリームを使った料理が主流だ。肉料理や、トリュフやポルチーニ茸という高級茸の産地を抱えているので「山」のイメージの強い料理体系と言えるだろう。
南イタリア料理は「海」のイメージがする。アサリ、イワシ、マグロなど豊富な魚介類を使ったパスタは南部ならでは。アサリや数種の魚介を使ったボンゴレ、ペスカトーレといった名前に聞き覚えがあろう。イワシの塩漬けのアンチョビや、イタリア式カラスミのボッタルガなど。西洋人には珍しくタコも好む。
味付けをみると、北部や中部に比べて、圧倒的にオリーヴ油、トマト、ガーリックを多用する。サンマルツァーノという細長い品種のトマトは、トマトソースには欠かせない。唐辛子も南部の方が多用する。ピリッと辛いトマトソースのアラビアータは定番だ。ペンネというペン先型のマカロニと相性がよく、日本人にも評判がよい。ナスも良いのが採れ、オリーヴ油、トマトと相性がよい。煮込み料理カポナータやスパゲティ・メランザーネがおいしい。
ひと口にパスタと言うが、さまざまな形状に分かれるとともに、手打ち生麺か乾麺かという違いがある。アルデンテと言って少し芯を残すイタリア料理独特の茹で加減を楽しむのは乾麺の方で、硬質小麦の産地である南部ならでは。ソースにクリームを多用する北部では生麺が主流、と違う。
さて南イタリアと言えば、ナポリのピッツァを外すわけにはいかない。ピッツァの生まれ故郷であるナポリには「真のナポリピッツァ協会」なるものまである。生地にオイルを練り込まない、伸ばすのは大理石の台上で、薪を燃やして450度以上で焼かねばならぬ、など厳格な基準をクリアした店しか加盟出来ないことで有名。そこまで厳格な店でなくてもナポリの街角で見かけるピッツェリアでも充分においしい。特徴は北部や中部のような薄型でなく、縁が厚くモチモチふっくらしていること。ナポリの人々はこれを4つ折りにして紙に包み路上で立ち食いする。この楽しさは抜群。人気メニューはトマト、モッツァレラチーズ、オリーヴ油、バジリコだけのマルゲリータ。立ち食いはシンプルが一番。因みにバジリコは緑、トマトは赤、モッツァレラチーズは白。つまり三色で、イタリアの国旗が表現される。
ご存知のように「トマト」はイタリアでは「ポモドーロ」と言われ太陽の恵みと賞賛される。ポモドーロに幸あれ !
 (2004.02.08作)

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   詩・誕生日のお祝についての四題噺・・・・・・・・木村草弥

 (1)オドントグロッサム
大きなボール函で包装した蘭の鉢
オドントグロッサム─<彗星蘭>─が届いた
昨年上梓した歌集『嬬恋』の編集元・角川学芸出版から──
品種名・マリー・ノエル・<ベラノ>という
花の形が odonto(歯)と glossa(舌)に似てるからと
ギリシア語に因んでつけられたという
蘇芳(すおう)色の五弁の花びらの真ん中に
黄色みを帯びた glossa 舌様の花弁が乗る
寒さに弱く 温度は 10度Cを保て、という

シンビジュームはありふれているが
今年は豊かに花をつけて
窓べに咲き誇っている
デンドロビュームは まだ花芽を出していない
オンシジュームも まだ花芽の兆しもない
黄色の華麗な花が今年も見られるだろうか
贈られたオドントグロッサムが
それらの蘭に 新しく仲間入りした
「水は鉢の中が乾きそうになったら与えて下さい」
寒さに弱く 手入れの難しそうな花みたいだ
贈られた花鉢を枯らす訳にはゆかない

 (2)パーカー
先日たずねて来た長女が帰る時に
丁度私が散歩に出るところだった
冷たい北西風の吹きつける中を黙々と
ウオーキングに出る私の後ろ姿を見て
パーカーを贈る気になったという
QUIKSILVER のマークが胸のところにある
商標の意味はどうでもよいが
雨や風の日の外出には重宝だろう
この歳になると 娘の心ざしが 身に沁みる

 (3) ドライいちじく
いちじくは地中海沿岸の名産品で
トルコやギリシアで何度も食べた
今日 贈って来たのは札幌のROYCE'社が
トルコから輸入したDRIED FIGS だ
一個づつ平たく四角くアルミ箔包装にしてある
アダムとイブの神話の昔から
いちじくは甘美なものであったらしい
サボテンの実はイスラエル人の象徴という
「外側は棘、内側は甘美だ」と
ナツメヤシの蜜の甘さも 一神教の風土と切り離せない

贈られたドライいちじくを齧っていると
なつかしい地中海の太陽の香りがする

 (4)ティラミス・チョコレート
ティラミスのココアパウダーをまぶした
生チョコレートの四角形が
4個×5列 計 20粒 並んでいる
表面にまぶしたココアパウダーの
ほろ苦い味覚が 大人のものだ
REMY MARTIN の CHAMPAGNE COGNACが
配合されて 大人の味覚がほろ苦い

これも札幌のROYCE'社製のもの
キャッチコピーに「北海道の原風景をテイストに」とある
長女の会社は輸入雑貨などを商っている
もうすぐバレンタインデーだから
ちゃっかりとバレンタインのシールなんぞ貼って
わが家のリビングにもプレゼントとして届くのだ
 (2004.02.07作)
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