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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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石川桂郎『俳人・風狂列伝』・・・・・・・・・・・・・木村草弥
俳人風狂列伝

 ──新・読書ノート──初出Doblog─2007/09/14─

  石川桂郎『俳人・風狂列伝』・・・・・・・・・・・木村草弥
     ・・・・・・・・・・・・・・・ 昭和48年角川書店刊

このBLOGでも何回か採り上げた俳人・高島征夫氏との交流の中で、お父上であられる高島茂氏のことを知る何かよい資料がないかと思っているうちに征夫氏から、この本を推薦された。何分もう30年以上も前の出版なので不安だったが、幸いネット上の「古書」店に多くの冊数のものが出ていた。私の買ったものは以前にも取引したことのある「高原書店」扱いのものであるが、他の書店では五千円というような高い値がついていたりした。私の買ったのは1500円であった。「角川選書」のうちのものだが、「函」入りの立派なものである。当時の定価は1300円と書かれている。

さて「石川桂郎」という人がどういう人かをネット上から引用しておく。

明治42年/1909年8月6日~昭和50年/1975年11月6日
経歴 本名=石川一雄。東京・三田生まれ。高小卒。「風土」主宰。
受賞歴 第1回俳人協会賞(昭和31年/1956年)『含羞』
第25回読売文学賞随筆紀行賞(昭和48年/1973年)『俳人風狂列伝』
第9回蛇笏賞(昭和50年/1975年)

■11.6. 石川桂郎(けいろう)忌 
明治42年東京生れ、昭和50年没。
家業の理髪店を継ぐが、昭和12年石田波郷の「鶴」創刊に参加。
戦後は、「俳句研究」「俳句」の編集長などを歴任。
ひとをひっかけて喜ぶ「虚言癖」あって俳壇の奇人といい、傑物ともいう。

昭和31年刊の句集「含羞」から二十句ほど引く──、

 激雷に剃りて女の頸(えり)つめたし・・・・・・・・桂郎
 花の雨みごもりし人の眉剃(つく)る
 理髪師に夜寒の椅子が空いてゐる
 堕ちし蛾のあをあを明くる看護かな
 かなかなに履く足袋ほそき思ひかな

 春愁や襁褓(むつき)の嵩をうべなひつ
 蝸牛の四五寸妻に歌ありて
 凩やまた空耳の母を前
 栗飯を子が食ひ散らす散らさせよ
 独り刈る髪切りこぼす野分中

 あまり寒く笑へば妻もわらふなり
 鳴きおこる蛙忽ち腹へりぬ
 入学の吾子の頭青く後前(あとさき)す
 針供養女の齢くるぶしに
 芹蓬摘めよと与ふ子に刃物

 昼蛙どの畦のどこ曲らうか
 つまらなく夫婦の膝の柿二つ
 太宰忌の蛍行きちがひ行きちがひ
 箱溜める少女期をいま草の花
 病む秋や衾(ふすま)の裾に妻の重み

昭和31年、第1回俳人協会賞授賞。
昭和39年、「風土」創刊、主宰する。
以下、略。

今回とりあげる本についても受賞歴なども上に書いてあるので繰り返さない。
この本に取り上げられている「風狂」の人々は
 高橋鏡太郎、伊庭心猿、種田山頭火、岩田昌寿、岡本癖三酔、田尻得次郎、松根東洋城、尾崎放哉、相良万吉、阿部浪漫子、西東三鬼 であるが、4人などを除いて私の知らない俳人である。
登場人物を紹介しても一般の方々には面白くも何もないだろうと思うので、エピソード的に少し書いてみる。
とにかく、これらの「風狂」の俳人たちはいずれも「飲んだくれ」であり金銭的にも自堕落であったが、それらのうち東京在住の連中の酒、金、病気にまつわる「尻拭い」をされたのが、新宿西口で居酒屋・焼き鳥「ボルガ」を経営されていて、かつ俳人であった高島茂なのである。
この本の中にも茂氏の名前はたびたび登場する。

この本に取り上げられる俳人のうち山頭火や放哉などの記述は資料だけに拠ったもので、私がすでに読んだものに尽きるので目新しくはなかった。「西東三鬼」についてはエピソードも面白く、全体として石川桂郎の筆は、いい文章であり、読売文学賞を得たというのも納得する。



パンジーは思案する花かなしきは忘るるに委せ風と遊べり・・・・草弥
pansy3パンジー

  パンジーは思案する花かなしきは
     忘るるに委せ風と遊べり・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第二歌集『嘉木』(角川書店)に載るものである。
この歌にあるように「パンジー」という名前の由来はフランス語の「パンセ」(考える)という言葉から命名に至っているという。
私の方では、毎年、晩秋になると、冬から春への定番の花として「パンジー」あるいは「ビオラ」を買ってきて、プランターに植えることにしている。
種類が豊富だし、病気らしいものは、先ずないし、第一、値段が安いので、気兼ねなくたくさん植えられる。
直列のプランターには大輪のパンジーを、丸いプランターにはビオラを植えつけるのが定番である。今年の冬は寒くて氷点下の朝が多かったがパンジーは、平気だ。

panji-y-lp-1パンジー

panji-0112-39パンジー

昔は「三色すみれ」などと言って、宝塚少女歌劇的な甘ったるいロマンチックな雰囲気のする花だったように思うが、それはまんざら的外れでもなさそうで、宝塚の歌にも「スミレの花咲くころ・・・」というような歌の歌詞があったではないか。
今では宝塚も、すっかり大人の雰囲気になって「少女歌劇」とは呼ばない。
「ベルサイユの薔薇」などの芝居は華やかなインターナショナルな雰囲気のもので、海外公演もしている現状である。
写真④にビオラのヨーロッパ原野に咲く「野生種」の写真を載せる。
histry_1ビオラ野生種

このように「ビオラ」はヨーロッパが原産地らしい。
野生種は単色であるのも自然かと思う。この「ビオラ」の野生種は地味な花だ。

話は変わるが、与謝野晶子の歌で有名な「コクリコ」(ひなげし)の花が草原に彩りも鮮やかに群生しているのを見たことがあるが、もちろん「ひなげし」と「ビオラ」は別の花で咲く季節も違うが、同じくヨーロッパの野っぱらに群生する「野生種」というところからの連想である。

ビオラは、小さな花がびっしりとプランターに密植されている様子は華やかである。
冬は花が少なく彩りに欠けているからビオラの醸しだす雰囲気は貴重なものである。
花が、ほぼ二色に彩られているのも面白い。
写真⑤はビオラである。
biora-yv-02パンジー

ビオラにも実にさまざまな色の取り合わせがある。掲出したものなどは、むしろ地味な方であろう。先にも書いたが、ビオラは定植する場合は、やはり丸い鉢が似合うようだ。

俳句にもパンジーやビオラが詠まれているので、それを引いて終りたい。
花言葉は「思案」「物思い」「私のことを忘れないで」。

 パンジーの畑蝶を呼び人を呼ぶ・・・・・・・・松本たかし

 三色菫は治癒の日の花子より享く・・・・・・・・石田波郷

 三色菫買はしめおのれやさしむも・・・・・・・・森澄雄

 彼岸の墓どれも親しや遊蝶花・・・・・・・・角川源義

 妻が植ゑて三色菫黄がちかな・・・・・・・・安住敦

 三色菫勤勉をただ誇りとし・・・・・・・・藤田湘子

 パンジーの仔熊の顔に似たりけり・・・・・・・・森田峠

 ことごとく風の虜や遊蝶花・・・・・・・・岡本眸

 三色菫コップに活けて退職す・・・・・・・・菖蒲あや

 太陽へ三色すみれ笑ひだす・・・・・・・・青柳照葉

 パンジーを貌と見てゐる西東忌・・・・・・・・辻田克巳

 パンジーの大いなる斑の吹きゆがむ・・・・・・・・堀古蝶

 パンジーの今日泣き顔と思ひけり・・・・・・・・木田千女

 岡鹿之助の遊蝶花とてニルヴァーナ・・・・・・・・伊丹さち子

 遊蝶花日暮は人のふりむかぬ・・・・・・・・永島靖子

 三色菫働けばくる日曜日・・・・・・・・横沢放川

 パンジーは摘む花ならず月のぼる・・・・・・・・岸本尚毅


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