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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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『木村庄助日誌』──太宰治『パンドラの匣』の底本・・・・・・・・・・・木村草弥
庄助日誌

     私たちの亡長兄・木村庄助のWikipediaの記事に彼の写真を口絵として登載するに当たって、
          私の畏敬するBittercup氏に大変お世話になった。
         おかげで鮮明な彼の写真が記事に挿入できて、有難く御礼申上げる。(2011/01/21木村草弥・記)
     この機会に以前に載せた記事だが、もう二年近く前のことでもあり、下記の通り再掲載しておく。
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──新・読書ノート──再掲載──初出2009/04/17

『木村庄助日誌』──太宰治『パンドラの匣』の底本、出版!・・・・・・・・・・木村草弥

先にも少し書いたことがあるが、私たち兄弟の亡長兄・木村庄助の療養日記を元にして、太宰治の小説『パンドラの匣』が書かれたことは、
この小説の「解説」などで、よく知られていることである。
この兄の日記が、次兄・木村重信編によって2005/12/26付けで出版された(編集工房ノア)。
写真①は、その外箱である。
「帯」には、こう書かれている。
 
 特異な健康道場における
 結核の療養日誌だが、
 創作と脚色のある自伝風小説。
 一少女に寄せる濃密な思いの詳細な描写が圧巻。


また、「帯」の背の部分には

 太宰を思い
 太宰に生かされた
 生のかたち


これらのキャッチコピーは、もちろん出版元である「編集工房ノア」の涸沢純平氏の手になるものであるが、
この日誌の性格を、実に簡潔にして要を得て、的確に捉えていると言えよう。
写真②は、本の表紙である。
庄助日誌本

編集工房ノアは大阪の小さい出版社だが、文学書、小説、詩集、エッセイなどの出版社として、よく知られた存在である。
詩集では、読売文学賞を得た詩人の天野忠さんの詩集『私有地』などが、ここから出版されているのが思い出される。
今回の編者・木村重信のエッセイ『右往左往』も、二十年も前に、ここから出されている。
写真③が、この日誌の著者・木村庄助である。
庄助写真

庄助は昭和18年5月13日に22歳で亡くなったが、この写真は、なくなる三ヶ月ほど前に撮ったもので、遺影と言えるだろう。
現在、私の手元にある彼のアルバムに残されているものだが、今回、この本の出版にあたって、巻頭口絵として収録した。

木村庄助と太宰治の関係については、この本に17ページにわたる「解説」を書いている浅田高明氏の「小説『パンドラの匣』の原資料「木村庄助日誌」をめぐって」に詳しい。

小説家とモデルないしは原資料、という関係は、あちこちに広く存在する。
よく言われることであるが、 「作家と作中人物」というのは、そういうことである。
フランスの作家フランソア・モーリアックに、その名も「作家と作中人物」Le romancier et son personage という著書があり、
この本はフランス語専攻のゼミの原書講読の上級のテキストとして使われていたこと、などを思い出す。
それは、現代小説のみならず、時代小説も、同じことである。
作家が下敷きとする資料3割、フィクション7割ということもあり得ることで「原」資料にいかに肉付けするか、そこにこそ、作家としての力量があるわけである。
場合によっては、1、2行の記録から、膨大な小説がたち上がるということもあるのである。それこそ、作家の力量、醍醐味というものである。

この本の校正は、重信兄と私の二人でやった。
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『木村庄助日誌』──太宰治『パンドラの匣』の底本
    ──(図書新聞掲載の編集工房ノアの広告から)

 太宰治が才能を惜しみ、庄助日誌をもとに『パンドラの匣』を書く。
 該当する昭和16年9月13日~12月26日の日誌。
 編集・木村重信、解説・浅田高明。 定価・3150円

 編集工房ノア
 〒531-0071 大阪市北区中津3-17-5
 TEL 06-6373-3641 FAX 06-6373-3642
 メールアドレス──hk.noah@fine.ocn.ne.jp
編集工房ノアのホームページから直接注文も出来る

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なお「検索」で「木村庄助」と入れてもらえば、たとえばGoogleの検索では約2000件の検索結果が出て来る。
Wikipediaの検索でも記事が載っている。お試しあれ。
そこには浅田高明氏の、庄助日誌の探求、などの著書その他、が詳しく見られるだろう。
もちろん私が書いたBLOGの文章なども出て来る。
よろしくお願いいたしたい。
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(追記)2005/12/28付けで「京都新聞」夕刊が、7段組みで大きく採り上げてくれた。編者・木村重信へのインタビューの形式である。
ネット上ではGoogleで「木村庄助」または「木村重信」と検索すると「京都新聞」電子版として見ることが出来る。お試しあれ。
太宰治「パンドラの匣」の底本──「城陽の男性闘病記」兄の日誌 後世に──
という見出しである。
サブ見出しには「会話や設定 随所に生きる」として
「日誌」原文 12月11日付け と、太宰の小説「パンドラの匣」の「マア坊 5」の文章を12行にわたって対比して掲載している。
極めて、適切な要を得た記事であり、私たちも喜んでいる。
余談になるが、私の住む地域を所管する京都新聞南部支社の編集デスクは、当時、大橋晶子さんで、
彼女に本を渡したのがキッカケで、城陽担当の記者が兄・重信宅に出向いて取材したものである。
大原女の足投出してゐろりかな・・・・・・・・・・・・・・黒柳召波
800px-Japanese_Traditional_Hearth_L4817囲炉裏

   大原女の足投出してゐろりかな・・・・・・・・・・・・・・・・・黒柳召波

床の一部を大きな炉にして、薪や榾(ほた)を燃やして、暖をとるとともに、煮たきもする。
「居る」の延音が囲炉裏だと言い、囲炉裏は当て字ながら、団欒の雰囲気をよく表している。
主人の座のほかに横座、嬶(かか)座、向座、木尻と、座るところが決まっているという。
一年中の団欒の場だが、厨や居間に解体してゆくのが現状だという。

この句の作者である黒柳召波は、与謝蕪村の高弟で、本来は漢詩人で、俳句は余技というが、色彩感覚に秀でた句を作ったという。
明和8年(1771)12月7日に45歳で没したという。それ以外には、私にはわからない。

event05_01big.jpg

「大原女」というのは、京都の洛北の大原の土地の女で、京の市内へ花、薪などを売りに来るので、よく知られている。
この写真は「大原女まつり」というのが近年催されていて、そのときのものである。
この行事は行列に参加する人を一般から募集して行われ外人たちも喜んで参加するという。
「白川女」というのもあり、白川女は野菜などの食べ物を主として売りに来るので、扱う品物に違いがある。
「白川女」は今でも京都市内には見られる。
だが「大原女」というのは「薪」「柴」などを扱っていたので、今の時代には廃れてしまって、一般的には見かけない。

「榾」という字は「ほた」または「ほだ」と訓む。
囲炉裏にくべる燃料で、木の枝や木の根などで、特に木の根をよく乾燥させたものは火力が強く火持ちがよいので、榾の中心的なものになる。
根の部分を特に根榾と呼ぶ。「かくい」という言葉があるが、それは「切株」を指すものである。

      おとろへや榾折りかねる膝頭・・・・・・・・小林一茶

という句があるが、木の根が中心であることを、よく表している。
「囲炉裏」または「榾」を詠んだ句を引いて終わる。

 火の色の夕間暮来る囲炉裏かな・・・・・・・・小杉余子

 松笠の真赤にもゆる囲炉裏かな・・・・・・・・村上鬼城

 とどまらぬ齢のなかの炉のあかり・・・・・・・・木附沢麦青

 囲炉裏の農夫一度だまれば黙深し・・・・・・・・福田紀伊

 いろいろのものに躓き炉火明り・・・・・・・・高野素十

 主の声炉辺へ出てくる戸の重さ・・・・・・・・中村草田男

 叱られてゐる猫ゆゑに炉辺をかし・・・・・・・・中村汀女

 炉火いよよ美しければ言もなし・・・・・・・・松本たかし

 榾尻に細き焔のすいと出で・・・・・・・・・高野素十

 大榾をかへせば裏は一面火・・・・・・・・高野素十

 そのなかに芽の吹く榾のまじりけり・・・・・・・・室生犀星

 黙々と榾火明りに物食ふ顔・・・・・・・・加藤楸邨

 大榾のおのが覆りて燃えつづく・・・・・・・・皆吉爽雨

 大榾の骨ものこさず焚かれけり・・・・・・・・斎藤空華

 炉の榾のやせ脛ほどになりて燃ゆ・・・・・・・・下村梅子

 榾足すや馬屋に馬の顔うるみ・・・・・・・・村上しゆら

 榾明り触れては消ゆる梁高き・・・・・・・・水原秋桜子

 榾の火にとろりと酔ひし眼かな・・・・・・・・日野草城

 時化海女の榾の香染みし腰ぶとん・・・・・・・長谷川せつ子



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