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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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蝙蝠に村々暮るる大和かな・・・・・・・・・・・・・・・大峯あきら
koumori4アブラコウモリ

    蝙蝠に村々暮るる大和かな・・・・・・・・・・・・・・・大峯あきら

大峯あきらは本名、大峯顕。昭和4年7月1日生まれ。「晨」代表同人。毎日俳壇選者。大阪大学名誉教授。放送大学客員教授 。
奈良生れで、句集に『吉野』『夏の峠』『宇宙塾』などがある。
哲学者で浄土真宗僧侶、俳人。龍谷大学教授も務める、中期フィヒテ研究・西田幾多郎研究で知られる。

この句は奈良県生まれの彼らしく、大和の夏の夕暮れの景を巧みに詠んでいる。

日本で人家近くで見られる蝙蝠(こうもり)は「アブラコウモリ」(イエコウモリ)と呼ばれるもので、掲出する写真は、いずれも、これである。
アブラコウモリは東アジアの人家に棲む小型のヒナコウモリ科の哺乳類。日本でもっとも普通に見られる住家性の蝙蝠。
写真②は蝙蝠の口。
koumori6アブラコウモリ

アブラコウモリは翼をひろげた長さが20センチほど。翼の間に見えるのが股間膜。これで羽ばたいて飛ぶ。
体長は約5センチ、前腕長3.2~3.5センチ、体重6~9グラムという。
普通は木造、プレハブなどの建物の羽目板の内側や戸袋などに棲みついたりするらしい。
数年前に二階の廊下に蝙蝠が入り込んで、亡妻が娘に早く追い出すように注意したことがある。下手に家の中に入れると棲みつかれてしまう。
鉄筋コンクリートの住宅の外に開孔する排気管の中に棲みついたりするらしい。この種類は洞窟や森林には棲まない。
夕方、街中や田んぼ、川の上を集団で飛びまわって飛びながら蚊や羽虫を食べている。
ツバメかと思って、よく見ると尻尾がないのでコウモリだと判る。
私が、このイエコウモリに初めて出会ったのは戦争末期に米軍の焼夷弾爆撃から街を守るために防火帯として広い道路を作るというので人家を強制的に壊した、
いわゆる「疎開道路」という政策のために京都駅南側の人家の引き倒しに動員された時である。
人家に潜んでいたイエコウモリを学友の誰かが捕まえて掌の中に包んでいたのである。掴んでみると哺乳類だから暖かかった印象が第一である。
コウモリは人には聞こえない周波数の高い声を出してレーダーのように使って、障害物を巧みに避けるという。
koumori8アブラコウモリ

蝙蝠は俳句などでは「かはほり」というが、これは蚊を欲するゆえと言い、この「かわほり」が転じてコウモリとなったという。
姿や習性から気味悪い動物と思われがちだが、虫などを食べる有益な動物だということである。

以下、歳時記に載る蝙蝠の句を引いて終わる。

 かはほりやむかひの女房こちを見る・・・・・・・・与謝蕪村

 かはほりや仁王の腕にぶらさがり・・・・・・・・小林一茶

 蝙蝠に暮れゆく水の広さかな・・・・・・・・高浜虚子

 蝙蝠やひるも灯ともす楽屋口・・・・・・・・永井荷風

 歌舞伎座へ橋々かかり蚊食鳥・・・・・・・・山口青邨

 蝙蝠に稽古囃子のはじめかな・・・・・・・・石田波郷

 三日月に初蝙蝠の卍澄み・・・・・・・・川端茅舎

 かはほりやさらしじゆばんのはだざはり・・・・・・・・日野草城

 鰡はねて河面くらし蚊食鳥・・・・・・・・水原秋桜子

 蝙蝠や父の洗濯ばたりばたり・・・・・・・・中村草田男

 蝙蝠や西焼け東月明の・・・・・・・・平畑静塔

 蝙蝠に浜のたそがれながきかな・・・・・・・・山下滋久

 妻の手に研ぎし庖丁夕蝙蝠・・・・・・・・海崎芳朗


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