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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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松宮煇『風力発電 挑戦から未来へ』・・・・・・・・・・・・木村草弥
松宮

──新・読書ノート──

     松宮煇『風力発電 挑戦から未来へ』・・・・・・・・・・・・木村草弥
                ・・・・・東洋書店2012/12/01刊・・・・・・・・

私の旅友で、元・出版社編集者・翻訳家の阿部行子さんから、この本が贈られてきた。著者は彼女の夫である。
かねて旅中などで、彼のことは少しは聴いていたが、風力発電に関する日本でのパイオニアである。彼の経歴を出しておく。

■著者略歴
松宮 煇 (まつみや・ひかる)
1943年東京都生まれ。1974年東京大学工学系大学院博士課程機械工学科修
了、工学博士。1974年通商産業省工業技術院機械技術研究所入所、2001年
(独)産業技術総合研究所に組織替え、2004年同研究所退職„九州大学大学院
工学研究院教授を経て、現在、産業技術総合研究所招聘研究員。2007年設
立の㈱HIKARUWIND.LAB代表取締役。
団休委員として、国際エネルギー機関(IEA)風力・執行姿員会・日本代
理委員、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術委員、同・
洋上風力発電技術研究開発委員、同・次世代風力発電技術研究開発委員な
ど。
主な著書に『ここまできた風力発電』改訂版、工業調査会、1998年。主な
共著に『技術と自然の未来を探る』新日本出版社、 2004年。『風力発電の
すべて』工業調査会、2005年がある。

この本は、書き方が、いかにも学者らしく一般向きではない。
文系の巧い人にリライトしてもらったら、時代向きだからベストセラーになるのにと、惜しい。
数式や写真なども豊富で、日本のエネルギー政策の一貫性の無さ、福島原発事故以後の対応の拙さ、など鋭い指摘がある。
ドイツ人の論理的な思考と対応は立派だが、それと比較して日本の拙さが指摘されている。

「風」と一口に言っても、いろいろあって、日本の風は風向きが一定しない上に、台風が襲来したりと、技術的に難しいところがある。
ヨーロッパの「風車」をそのまま単純に導入して失敗している。日本独自の息の長い研究開発への一貫した政府の姿勢が望まれる。
時宜的に、今日的なタイムリーな出版であり、多くの人に読まれることを希望する。
まだネット上にも書評などは出ていない。不十分ながら簡単な紹介にとどめる。
有難うございました。


十人の一人が気付き枇杷の花・・・・・・・・・・・・・・・高田風人子
biwaびわの花12月

   ■十人の一人が気付き枇杷の花・・・・・・・・・・・・・・・高田風人子

「枇杷」はバラ科の常緑高木で、初冬に枝先に三角形総状の花序の花を咲かせる。花は白く香りがよい。
実は初夏に熟する。甘くて香りのよい果実である。庭木としては、めっきり少なくなった。
枇杷の木は葉が大きくて長楕円形で、葉の裏に毛がびっしりと生えている。葉の表面の色は暗緑色である。
『滑稽雑談』という本に「枇杷の木、高さ丈余、肥枝長葉、大いさ驢の耳のごとし。背に黄毛あり。陰密婆娑として愛すべし。四時凋れず。盛冬、白花を開き、三四月に至りて実をなす」とある。
簡潔にして要を得た記事だ。
冬に咲く珍しい植物のひとつである。寒い時期であり、この花をじっくりと眺める人は多くはない。
こんな句がある。

   ■蜂のみが知る香放てり枇杷の花・・・・・・・・・・・・・・・・右城暮石

この句などは、先に書いたことを、よく観察して句に仕上げている。こんな句はどうか。

   ■だんだんと無口が好きに枇杷の花・・・・・・・・・・・・・・三並富美

   ■一語づつ呟いて咲く枇杷の花・・・・・・・・・・・・・・・西美知子

   ■咲くとなく咲いてゐたりし枇杷の花・・・・・・・・・・・・・・・大橋麻沙子

いずれも「枇杷の花」の、ひっそりと咲く様子を的確に捉えている。

biwa004びわの実②

写真②にビワの実を載せる。昨年の初夏にビワの実の記事を書いた。果実として品種改良され、「茂木ビワ」が有名である。

以下、枇杷の花を詠んだ句を引いて終る。

 枇杷の花霰はげしく降る中に・・・・・・・・野村喜舟

 死ぬやうに思ふ病や枇杷咲けり・・・・・・・・塩谷鵜平

 枇杷咲いて長き留守なる館かな・・・・・・・・松本たかし

 花枇杷や一日暗き庭の隅・・・・・・・・岡田耿陽

 故郷に墓のみ待てり枇杷の花・・・・・・・・福田蓼汀

 枇杷の花子を貰はんと思ひつむ・・・・・・・・原田種茅

 枇杷の花母に会ひしを妻に秘む・・・・・・・・永野鼎衣

 枇杷の花くりやの石に日がさして・・・・・・・・古沢太穂

 枇杷の花妻のみに母残りけり・・・・・・・・本宮銑太郎

 枇杷の花柩送りしあとを掃く・・・・・・・・・庄田春子

 枇杷の花暮れて忘れし文を出す・・・・・・・・塩谷はつ枝

 病む窓に日の来ずなりぬ枇杷の花・・・・・・・・大下紫水

 花枇杷に暗く灯せり歓喜天・・・・・・・・岸川素粒子

 雪嶺より来る風に耐へ枇杷の花・・・・・・・・福田甲子雄

 枇杷の花散るや微熱の去るやうに・・・・・・・・東浦六代

 訃を告げる先は老人枇杷の花・・・・・・・・古賀まり子

 贋作に歳月の艶枇杷の花・・・・・・・・中戸川朝人

 伊勢からの恋文めいて枇杷の花・・・・・・・・坪内稔典


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