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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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冬薔薇を剪るためらひは何事ぞ貴きものを奪ふここちす・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
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    冬薔薇を剪(き)るためらひは何事ぞ
       貴きものを奪ふここちす・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第二歌集『嘉木』(角川書店)に載るもので小項目名「薔薇」というところに、バラを詠った歌をまとめてあるものの一つである。

バラは何と言っても「花の女王」であることは間違いない。
在来種の野バラから、さまざまな改良が加えられて、今ではハイブリッドや遺伝子レベルの技術を駆使して新品種が産出されている。

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写真②も「レッドヒロシマ」というハイブリッドによる品種物である。
バラには痛い棘(とげ)があるのが難点だが、今ではトゲのない品種もあるのではないか。
バラの中でも、人それぞれ好みがあろうが、私は写真②のような「真紅」のバラが好きである。豪華なレディーという印象である。
バラについては、つい先日にも記事を載せたのだが、掲出歌を変えて書いてみる。
妻の入院中にはあちこちからバラの花束をいただいたことがある。妻の大学の時の友人の某大学教授N女史から、お見舞いの花のアレンジが贈られてきたことがある。
また私からも病床にある妻にオランダ直輸入のバラを贈ったこともあった。
その他、前にもさまざまの記事を載せたこともある、思い出のある花なのである。

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写真③もハイブリッドものの新品種である。なんとも色合いが華麗である。ついでに、写真④にもハイブリッドもののバラを掲出しておく。

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これも色合いが鮮やかな花である。
このバラには「ジーナ・ロロブリジーダ」の名がついている。そう言えばロロブリジーダの雰囲気が出ているバラである。
書き遅れたが写真③のバラの名は「マダム・ビオーレ」とある。N女史などは、まさに、そういう雰囲気にふさわしいとも言える。
そのN女史だが、先年、急性の脳梗塞に罹り半身不随で闘病の末、いまは車椅子の生活を余儀なくされている。

長年、歌作りをやっているとバラを詠み込んで、あちこちに歌を発表しているもので、歌集にする場合には、それらを「薔薇」という項目にまとめる、というようなことをする。
以下、ここにまとめた「バラ」の歌一連を引いておきたい。
掲出した歌の主旨は「冬薔薇」を剪る時には、万物の命の休止している冬の季節に、せっかく咲いた花を切り取るということに、極端にいうと「生き物の命」を奪うような気が一瞬した、ということである。

     薔 薇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

  キーボード打てるをみなの傍(かた)へにはコップに挿せる紅薔薇にほふ

  老いびとにも狂気のやうな恋あれと黒薔薇みつつ思ふさびしさ

  飲みあけしミニチュア瓶に薔薇挿せばそこより漂ふスコッチの香り

  鬱屈のなきにもあらず夕つかた何もなきごとく薔薇に水やる

  喪に服し静もる館は薔薇垣を結界として何をか拒む

  冬薔薇を剪るためらひは何事ぞ貴きものを奪ふここちす

  冬薔薇を剪る妻の手に創(きず)ありぬ薔薇のいのちの棘の逆襲

  ほのぼのとくれなゐ淡き冬薔薇にそそのかさるる恋よあれかし

  薔薇図鑑見つつし思ふ園生には緋の花責めの少女ゐたりき

  たまさかに鋏を持てばことごとく刺す意あらはに薔薇は棘見す

  言へばわが心さびしもしろたへに薔薇咲き初めて冬に入りたり


以下、「冬薔薇」を詠んだ句を引いて終る。薔薇は「さうび」(そうび)とも発音する。
先日引用したものと一部重複するかも知れない。お許しを。

 尼僧は剪る冬のさうびをただ一輪・・・・・・・・・・・・山口青邨

 冬薔薇(さうび)石の天使に石の羽根・・・・・・・・・・・・中村草田男

 冬の薔薇すさまじきまで向うむき・・・・・・・・・・・・加藤楸邨

 冬ばら抱き男ざかりを棺に寝て・・・・・・・・・・・・中尾寿美子

 冬さうび咲くに力の限りあり・・・・・・・・・・・・上野章子

 冬薔薇や賞与劣りし一詩人・・・・・・・・・・・・草間時彦

 ぎりぎりの省略冬薔薇蕾残す・・・・・・・・・・・・津田清子

 夫とゐて冬薔薇に唇つけし罪・・・・・・・・・・・・鷹羽狩行

 孤高とはくれなゐ深き冬の薔薇・・・・・・・・・・・・金久美智子

 冬薔薇や聖書に多き科の文字・・・・・・・・・・・・原田青児

 リルケ死にし日なりき冬の薔薇の辺に・・・・・・・・・・・・脇村禎徳

 ふと笑ふ君の寝顔や冬の薔薇・・・・・・・・・・・・マブソン青眼


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