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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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阿部豊『生命の星の条件を探る』・・・・・・・・・・・木村草弥
阿部①_NEW

──新・読書ノート──

       阿部豊『生命の星の条件を探る』・・・・・・・・・・・木村草弥
               ・・・・・・・文芸春秋社2015/08/30刊・・・・・・・・

この本はテレビで放映されたのを見て、買ってみる気になった。
著者のことはまだ Wikipedia には載っていないので少し調べてみた。

阿部豊(あべゆたか)
生年月日:???
出身:東京都
職業:東京大学大学院理学系研究科の地球惑星科学専攻・准教授(理学博士)

経歴
1982年 東京大学理学部地球物理学科卒業
1987年 東京大学大学院博士課程修了
1987年 カリフォルニア工科大学研究員
1989年 名古屋大学水圏科学研究所助手
1992年 東京大学理学部助教授
2007年〜 現職

1982年に大学を卒業してるので、もし現役で東大に入学したのであれば、55歳くらいになる。

専門は惑星の形成プロセスを研究することだそうで、今回NHKで取り上げられた『生命の星の条件を探る』という本も、
「もし地球にある水の量を10分の1に減らしたら何が起こるだろうか?」を研究テーマにしてわかりやすく論じている。
2011年に、コンピュータによる気候変動の予測モデルを用いて、地球上の水の量を極端に減らすとどうなるかなどの条件を数値実験。
妻で気候研究者の阿部彩子との共著論文「陸惑星の生存限界」として『アストロバイオロジー』誌に発表し、世界的な話題となった。
地球以外で生命を宿す星があるならばどのような姿だろうか、という少年時代から抱いていた普遍的な疑問が次第に大きな研究テーマとなり、本書の執筆につながった。
2003年にALS(筋萎縮性側索硬化症)を発病していて、妻・彩子さんの介護と共同執筆によって三年かかって書きあげられた。

妻・阿部彩子
1987年、東京大学理学部卒業。1993年、スイス連邦工科大学で博士号取得。現職は東京大学大気海洋研究所・准教授。
気候システム学、古気候モデリングを専門とする。2012年、自然科学分野の女性科学者に贈られる「猿橋賞」を受賞。

「地球以外に生命の星はあるのか」誰もが幼い頃から抱くであろう壮大な疑問だが、これについて仮説を交えて書いている。

この本のカバー見返しに載る文章を引いておく。   ↓

東大の地球惑星科学の最先端の研究を初めて一般向けに書き下ろす!
・太陽系でブレー卜が動くのは地球だけで、それが生命にとって不可欠だった
・地球はあと10億年たつと、気湿が1000。Cを超え生命は住めなくなる
・しかし海水の量が今の10分の1であれば、さらに30億年寿命は伸びる
・太陽系外の知的生命体のいる惑星はいくつあるかを計算するドレイクの方程式
・水は惑星の誕生のその瞬間に、すでに獲得されていた
・海は地球の内部のマントルの水からできたと考えられる
・地球の大きさの10倍の「スーパーアース」型惑星は陸地のない水浸しの惑星になる

門外漢の私には本書を要約する力がないので「目次」を掲げることでお許しいただきたい。  ↓
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生命の星の条件を探る    目次

序章  地球以外のどこかに
   私たち以外にもこうして星空を見上げている存在はあるのか、満天
   の星空の下で、そう考えるところからこの本は始まる。そのことを
   解明するために、橡々な分野を椟断した研究が始まつている

第1章   水
   なぜ、生命には水が必要だと言えるのだろうか? 土星の衛星タイタン
   の湖のようにメタンでは駄目なのだろうか?その秘密のひとつには、
   水は宇宙のなかで、あまリにあリふれたものということがある

第2章   地面が動くこと
   我々の足元では、大陸を乗せた巨大な石の板「プレ—卜」が動いている。
   こうしたプレ—卜が動く惑星は太陽系では地球だけだ。  なぜ、このこと
   が生命にとって重要なのだろうか?鍵は二酸化炭素にある

第3章   大陸
   陸地がない海だけの惑星を考えてみよう。そこで生命は繁栄する力。
   陸地には生命にとって重要ないくつかの働きがある。それは二酸化
   炭素を貯えること、リンを供給することだ。そのメカニズムとは?

第4章   酸素
   酸素がないままでも微生物は存在できる。しかし現在のような複雑な
   進化をとげた生物、知的生命は存在できないだろう。エネルギーを効
   率よく生み出す酸素の機能とは?生物の大型化と酸素の関係とは?

第5章   海惑星と陸惑星
   地球の海の水の量を10分の1にしたら生命は存在できるだろうか。
   直感に反して、そうした「陸惑星」の方が生命が存在する期間は長い。
   「海惑星」の地球はあと10億年で生命の住めない環境になる

第6章   惑星の巨大衝突
   太陽系の惑星は形成の最終段階に、惑星同士の巨大衝突「ジャイア
   ントインパクト」を繰り返していた。  衝突の衝擊で地表はすべて荒
   れ狂うマグマの海と化す。惑星の形成過程を探ってみよう

第7章   大気と水の保持
   水は宇宙空間であリふれている物質であるために、惑星は形成期に
   水を含んで誕生する。 では、火星と金星に水がなく、地球にある理
   由は何か?太陽からの距離と惑星の大きさが大きく関わっている

第8章   大きさ
   太陽系外に巨大な地球型惑星「スーパーアース」の発見が相次いで
   いる。生命の条件に惑星の大きさは関係するのだろうか。計算すると
   「ミニ地球」にも「巨大地球」にも思わぬ難点が生じるとわかった

第9章   軌道と自転と他惑星
   もしも、太陽系に木星がなかったら、地球はどうなるだろう。地球の
   300倍の質量を持つ木星はその重力で、太陽系外からの彗星から
   地球を守る働きをしている。変化する軌道と自転軸の働きとは?

第10章   恒星
   太陽の寿命はおよそ100億年。しかし恒星のなかには、わずか
   1000万年程度の寿命しかないものもある。  恒星の大きさは
   恒星の明るさと寿命を決め、惑星の環境を大きく左右する


結び   「ドレイクの方程式」を超えて
   1961年、地球外の生命体の存在について、確率論から迫った科
   学者がいた。ドレイクの方程式と呼ばれるその考察は、その後の観
   測技術の発達の中で、どう評価されるべきなのか。そして将来は?

補遺    磁場は生命に必要なのか

解説    「信念」を「科学」に変える     阿部彩子

「東洋経済ON LINE」に、この本の紹介と著者と夫人の写真が見られる。 アクセスされたい。


諍ひて朝から妻にもの言はぬ暑い日なりき、月が赤いな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
0405_p1_1赤い月

     諍(いさか)ひて朝から妻にもの言はぬ
        暑い日なりき、月が赤いな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第一歌集『茶の四季』(角川書店)に載せた歌である。
「諍い」とは「口げんか」のことを言う。
この歌は上4句までは、すらすらと出来たが、結句の7音がなかなか出来なかったので、半年ばかり放置してあったが、何かの拍子に、
この言葉が見つかり、くっつけた。私自身でも気に入っている歌である。
この歌は『茶の四季』の「族の歌」でWeb上でもご覧いただける。

「赤い月」というのは、月が出始めの低い位置にあるとき、または月の入りで西の空低くにあるときに、地球の表層の汚れた空気層を通過するときに、
空気に含まれる塵の作用で、赤く見えることがある。
月が中空にあるときには、めったに赤い月にはならない。

この歌は、妻と口げんかして、お前なんかに口もきくものか、とカッカしている気分のときには頭に血がのぼっているから、
赤い月が見えたというのは、絶好の舞台設定で、ぴったりだった。
歌作りにおいては、こういう、時間を置くことも必要なことである。
一旦、作った歌でも、後になって推敲して作り直すということも、よくある。
妻亡き今となっては、懐かしい作品になった。 ここで、この歌を含む一連を引いておく。

     月が赤いな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

  路地裏の畳屋にほふ鉾町へしとどに濡れて鉾もどりけり

  ガラスを透く守宮(やもり)の腹を見てをれば言ひたきことも言へず 雷鳴

  諍ひて朝から妻にもの言はぬ暑い日なりき、月が赤いな

  手花火が少し怖くて持ちたくて花の浴衣(ゆかた)の幼女寄り来る

  手花火の匂ひ残れる狭庭には風鈴の鳴るほど風は通らず

  機械音ふつと止みたる工場に赫、赫、赫と大西日照る

  季節の菓子ならべる京の老舗には紺ののれんに大西日照る

  秋季リーグ始まりにつつ球(たま)ひろふ明日の大器に大西日照る

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掲出の「赤い月」の写真はWeb上で拝借したものだが、撮影者の名前(市川雄一)や撮影日時が明記されており、著作権は撮影者にあることを言っておきたい。
この写真の場合の「赤い月」は皆既月蝕という特殊な環境下での赤い月である。





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