K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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咳をしても一人・・・・・尾崎放哉
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       咳をしても一人・・・・・・・・・・・・・・・・・・尾崎放哉

ご存じの通り、尾崎放哉は「自由律」の俳人である。この句は「せきをしてもひとり」というかな書きばかりのテキストもあるが、今回は掲出のような表記にした。
放哉は東京大学法学部出のインテリで、生命保険会社や火災海上保険会社の支配人などを歴任したが、酒癖が悪くて退職に追い込まれたという。
須磨寺などの下働きのあと、小豆島西光寺南郷庵の堂守となる。
大正4年から荻原井泉水の「層雲」に句を発表し、その個性は自由律俳句によって存分に発揮された。

syuzouko尾崎放哉資料館収蔵庫

香川県の小豆島に尾崎放哉記念館がある。写真は資料館の収蔵庫である。
放哉については余り資料がないが、彼の句を少し引いておきたい。

Hosai2尾崎放哉

 夕日の中へ力いつぱい馬を追ひかける

 一日物云はず蝶の影さす 

 氷がとける音がして病人と居る

 仏にひまをもらつて洗濯してゐる

 こんなよい月を一人で見て寝る

 淋しいぞ一人五本のゆびを開いて見る

 つめたい風の耳二つかたくついてる

 糸瓜が笑つたやうな円右が死んだか

 大雪となる兎の赤い眼玉である

 底がぬけた柄杓で水ほ呑まうとした

 なんにもない机の抽斗(ひきだし)をあけて見る

 蛙たくさん鳴かせ灯を消して寝る

 淋しいからだから爪がのび出す

 昼寝の足のうらが見えてゐる訪ふ

 漬物石になりすまし墓のかけである

 すばらしい乳房だ蚊が居る

 足のうら洗へば白くなる

 畳を歩く雀の足音を知つて居る

 爪切つたゆびが十本ある

 入れものが無い両手で受ける

 月夜の葦が折れとる

 枯枝ほきほき折るによし

 渚白い足出し

 肉がやせて来る太い骨である

 春の山のうしろから煙が出だした




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