K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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かたつむりの竹の一節越ゆるを見て人に会ふべき顔とりもどす・・・・木村草弥
sizen266カタツムリ

     かたつむりの竹の一節越ゆるを見て
        人に会ふべき顔とりもどす・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第一歌集『茶の四季』(角川書店)に載るもので、自選にも採っているのでWebのHPでもご覧いただける。

カタツムリはどこにでも居る陸の巻貝だが、農業を営む人たちや園芸家たちには新芽を舐めて害するので嫌われている。
私は昆虫少年でもなかったが、内向的な性格の子供だったので、虫や昆虫、カタツムリなどの生態を、じっと見つめているのが好きだった。
この作品は、もちろん後年のものだが、少年期の、そういう記憶が歌に結実したものと言えるだろう。
カタツムリの這う速度は、文字通り遅々としていて、この歌に詠んである通り、竹の一節を越えるのに大層な時間がかかる。
そんなカタツムリの歩みをじっと見つめていて、ようやく竹の一節を越えたなぁ、と思っているうちに、
「そうだ、誰それさんに会う約束があるのだった」と、ハタと気がつく、という歌である。
私自身は、この歌が結構気に入っているのである。

梅雨のシーズンになるとカタツムリの大好きなじめじめした天気になる。
カタツムリを詠んだ句を引いて終る。

 蝸牛(ででむし)の頭もたげしにも似たり・・・・・・・・正岡子規

 雨の森恐ろし蝸牛早く動く・・・・・・・・高浜虚子

 蝸牛や降りしらみては降り冥み・・・・・・・阿波野青畝

 やさしさは殻透くばかり蝸牛・・・・・・・・山口誓子

 あかるさや蝸牛かたくかたくねむる・・・・・・・中村草田男

 蝸牛喪の暦日は過ぎ易し・・・・・・・・安住敦

 蝸牛いつか哀歓を子はかくす・・・・・・・・加藤楸邨

 蝸牛遊ぶ背に殻負ひしまま・・・・・・・・山口波津女

 蝸牛や岐れ合ふ枝もわかわかし・・・・・・・石田波郷

 かたつむり日月遠くねむりたる・・・・・・・・木下夕爾

 悲しみがこもるよ空(から)の蝸牛・・・・・・・・鷹羽狩行

 かたつむりつるめば肉の食ひ入るや・・・・・・・・永田耕衣

 かたつむり甲斐も信濃も雨の中・・・・・・・・飯田龍太

 妻の疲れ蝸牛はみな葉の裏に・・・・・・・・沢木欣一


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