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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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POSTE aux MEMORANDUM(1月)月次掲示板
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東日本大震災から七年。 被災された方々に
心よりお見舞い申上げ、死者に哀悼の意を表します。
一日も早い復興をお祈りいたします。 原発の放射能には怒りを。
                                 木村草弥
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このトップページは「月次掲示板」です。最新記事は、この次から始まります。 ↓
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     謹 賀 新 年・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

2019年となりました。
昨年は日本では自然災害、世界的にはテロなどありました。政治の動きのことはともかく、健康には留意したいものです。 
老来、冬の寒さが身にこたえるようになってきて、すっかり意気地なしになってしまった。
拙ブログは十年一日のような記事ですが、よろしくお付き合いください。

 新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大伴家持
 春にあふと思ふ心はうれしくて今一年の老ぞそひける・・・・・・・・・・・・・・・・・・凡河内躬恒
 ファシズムの影濃くなりてすでにわが帰る国にはあらず日本は・・・・・・・・・・・・・渡辺幸一
 海域と言うときいっそう広域の海に浮かんだ列島は冬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 花山周子
 ゆふぞらを無人機が飛び無人機を撃つ無人機が来る 夕明かり・・・・・・・・・・・ 高野公彦
 後につづく者はなかれ と言ひおきて 発ちゆきにけり。征きて還らず・・・・・・・ 岡野弘彦
 くすり服むたびにおもへり一兵の柊二が師より賜びし「薬」を・・・・・・・・・・・・・・・ 武田弘之
 部屋ぬちにゐて木枯しの音を聞く少しづつ壊れ始める身体よ・・・・・・・・・・・・・・ 新井瑠美
 塩焼きの海老に酢橘を絞りたり海老の怒りが深いほど旨し・・・・・・・・・・・・・・・・・小島なお
 で、鍋はひとつの戦場鍋奉行裃をつけた詩語は控えよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・柳沢美晴
 竹馬にのるおもしろさ楽しさに雪降る路を遠く行きたり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・市村八洲彦
 あたたかき体温持てる人間のペン握る手と銃握る手と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・香川ヒサ
 銃より本を──マララさん受賞のことば平和憲法ゆらぐ地に聞く・・・・・・・・・・・・・ 高尾文子
 雪の上にけもののあしあとてんてんとつづきてをりぬ母のなづきへ・・・・・・・・・・ 萩岡良博
 内戦で壊滅したるアレッポの石鹸日本にまだまだ売らる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前田康子
 あけぼのの光おごそかに世を開き凍ったまなこ射し貫けり・・・・・・・・・・・・・・・・ 武藤ゆかり
 自転車のサドル三角先回りしたくて四角四面の街へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・阪森郁代
 蝶型の足跡なれば栗鼠と知る胡桃の木から森へと向かふ・・・・・・・・・・・・・・・・・久我田鶴子
 初富士の朱の頂熔けんとす・・・・・・・・・・・・・山口青邨
 恵方へとひかりを帯びて鳥礫・・・・・・・・・・・・佐藤鬼房
 えんぶりの笛恍惚と農夫が吹く・・・・・・・・・・・草間時彦
 白粥に七草浮かべ春の膳・・・・・・・・・・・・・・・梅木望輔
 クラウディア・モニカ人の名冬の園・・・・・・・・・・・・ 媚庵
 境内に入る一礼や初鴉・・・・・・・・・・・・・・・・利普苑るな
 アイスホッケー構へて眉を鉤形に・・・・・・・・・・・岬光世
 書初や真白な子をあづかりぬ・・・・・・・・・・・・岡田幸彦
 冬帝に体毛といふ体毛を・・・・・・・・・・・・・・・・青島玄武
 太陽はもはや熟れごろ初詣・・・・・・・・・・・・・・・・大塚凱
 人日やただまつすぐにバス通り・・・・・・・・・・・青木ともじ
 冬蜂の死よ天井の高くあり・・・・・・・・・・・・・・・青本瑞季
 冬さうび抱かれて白き息となる・・・・・・・・・・・・大中博篤
 凍鶴のわりにぐらぐら動きよる・・・・・・・・・・・・・西村
麒麟
 寒林に向かふを知られてはならず・・・・・・・・・青本柚紀
 塞ぎたる北窓と仮面の指紋・・・・・・・・・・・・・・ 青山青史
 男湯と女湯代はる去年今年・・・・・・・・・・・・・・ 小池康生
 洞窟の画は初夢に狩りしもの・・・・・・・・・・・・・中村清潔
 マフラーに大き黒子の隠さるる・・・・・・・・・・・山下つばさ
 冬麗や平らな靴に足ほてる・・・・・・・・・・・・・・・・堀下翔
 スケートや渦抜けたくて抜けられず・・・・・・・・・杉原祐之
 霜柱係累にまた一祠づつ・・・・・・・・・・・・・・・前北かおる
 大さむ小さむ音なく数行削除・・・・・・・・・・・・・・・ 高梨章
 お団子は串に粘つて道に雪・・・・・・・・・・・・・・上田信治
 初日の出中継エデンの東より・・・・・・・・・・・ハードエッジ
 裏面に粉雪溶けてゐる割符・・・・・・・・・・・・・三島ちとせ
 冬銀河縄文土器と京友禅・・・・・・・・・・・・・・・・片岡義順
 一年が眠り歌留多に金ひとすじ・・・・・・・・・・・・宮崎玲奈
 空きビルの落書き消えず越年す・・・・・・・・・・・ 工藤定治
 麻雀のルールを賀詞に続けをり・・・・・・・・・・・ 津野利行
 借景の冬のポプラはなほ高く・・・・・・・・・・ ・・ きしゆみこ
 初扇静かに閉ぢて仕舞とす・・・・・・・・・・・・すずきみのる
 二両車の初日はさみて曲りをり・・・・・・・・・・・ 薮内小鈴
 冬銀河子が減り子守唄が減り・・・・・・・・・・・・ 折勝家鴨
 寒苺累々と乳を垂れあへり・・・・・・・・・・・・・・・・加藤御影
 ホと息が前へ連なる寒の内・・・・・・・・・・・・・・・ 北川美美
 杖買うて使はずかへる初弘法・・・・・・・・・・・・・・仮屋賢一
 雪折の雪に溺れてゆくごとし・・・・・・・・・・・・・・・葛城蓮士
 膝を抱く胸のふくらみ寒牡丹・・・・・・・・・・・・・・・下楠絵里
 大寒にサムといふ名を付けにけり・・・・・・・・・・・吉川わる
 さよならはLEDの青に降る雪・・・・・・・・・・・・・・・・奥村明
 関節に冬日をこぼしカルテット・・・・・・・・・・・・加藤絵里子
 冬紅葉山径染めて人染めて・・・・・・・・・・・・・・・・・盛蓉子
 とある日の心の揺れや虎落笛・・・・・・・・・・・・・ 桑田佳穂
 群鶏の背を光らせよ初日の出・・・・・・・・・・・・・ 岩根彰子
 トマト缶トマトまみれの日々を経て・・・・・・・・・・ 芳賀博子
 諏訪湖とは昨日の夕御飯である・・・・・・・・・・・・・ 石部明
 モーリタニア産のタコと今から出奔す・・・・・・・・・・ 榊陽子
 海亀のような声です 孤独です・・・・・・・・・・・・・月波与生
 おしやべりの呼吸毛糸を編む呼吸・・・・・・・・・・・・大西遼
 着膨れて墓の心地がしてならぬ・・・・・・・・・・・・市堀玉宗
 結界の電線哭くや枯野道・・・・・・・・・・・・・・・・しのぶ日月
 ちやりぢやりとタイヤチェーンの鳴る初荷・・・・・鈴木牛後
 鶴に化りたい化りたいこのしらしら暁の・・・・・・金原まさ子
 凍蝶の記憶遺品の眼鏡とぶ・・・・・・・・・・・・・・・・豊里友行


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★─My Works─★
著書──
 歌集 『茶の四季』(角川書店刊)
 歌集 『嘉木』 (角川書店刊)
 歌集 『樹々の記憶』(短歌新聞社刊)
 歌集 『嬬恋』(角川書店刊)
 歌集 『昭和』(角川書店刊) 
 歌集 『無冠の馬』(KADOKAWA刊)
 詩集 『免疫系』(角川書店刊)
 詩集 『愛の寓意』(角川書店刊)
 詩集 『修学院幻視』(澪標刊)
 紀行歌文集 『青衣のアフェア』 『シュベイクの奇行』 『南船北馬』(私家版)

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◆第六歌集『無冠の馬』、第三詩集『修学院幻視』は、下記のところで買えます。   
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永久にこれを放棄する。
2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

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岩井久美子歌集『峠のうた』・・・木村草弥
岩井_NEW

──新・読書ノート──

     岩井久美子歌集『峠のうた』・・・・・・・・・・・・・木村草弥
             ・・・・・ながらみ書房2019/01/29刊・・・・・・・

標記の本が贈呈されてきた。私には未知の人である。
短歌結社「地中海」昴グループ所属で、巻末の「あとがき 1」に松永智子さんが書いているので、松永さんが指示されて届いたものだろう。
松永さんには以前に親しくお世話になったことがあるからである。
この岩井さんのことは巻末に載る住所以外は何も判らない。
最近は、どの結社の人でも、生年月日も年齢も勤め先も、何も書いてないことがある。女の人に多い。
こうして歌集を出すということは、半ば「カミングアウト」することであるから、そういう風潮には、私は疑問を呈しておく。
「あとがき 1」の冒頭で、松永さんは、こう書く。

<日常的に己を語ろうとしない岩井久美子。>

まさに松永さんは、作者の本質を捉えている、と言えるだろう。
しかし、「短歌を作る」という営為は、すでに自分を曝すということであるから、変な「秘匿」は、歌を作る上からもプラスにはならない、と私は思う。
岩井さんの特徴は「口語うた」だということである
今では「口語うた」は珍しくないし、「口語うた」は歌壇の中に定着したと言えるが、口語、文語混じりの歌、というのが大半である。
だが、岩井さんは、徹底して「口語」である。
文脈こそ57577の「定型」にほぼ沿った歌作りになっているが、「口語うた」に徹底している。
それは「口語自由律」の運動とも違っている。
私は、岩井さんの歌で、「口語うた」の新しい展開を見た、と実感するのである。

この本の鑑賞に入って行こう。
掲出した図版から読み取れると思うが、この本の「帯」の文章は、この歌集の本質を的確に捉えていると言える。
作者は山陰地方の海沿いで生まれ、今は地中海に面した海沿いに住まいする。
その中国山地の「峠」というものが作者の心の中に存在する。 「峠のうた」と題された所以である。

*桜咲く城跡にたつ学舎 たしかにわたしは青春を生きた
*くにざかい峠をこえればふるさと 満開の桜ことしふたたび
*ふるさとは山のむこう吹きわたる風が冷たいこのくにざかい

「峠」の歌はいくつもあるが、その中から、この一連を引いておく。
作者が学んだ学舎のこと、作者の青春などが、浮かび上がってくる。

巻頭の歌は「夏の焚き火」と題される。
*「お手伝い」祖父母に並び田の中に立ってわが子の挙げる泥の手
*六時間峠越えれば田の中に母が草とるわたしのふるさと
*日のなかの太い揚羽の幼虫莢だけ残し胡麻の葉を食う
*ふり向いてみる人のない夏の焚き火高高と天に燃えあがってゆく

こうして故郷の景色を巻頭に置いたというところに、作者の故郷への執着を読み取ることができるだろう。

作者には二人の子があり、男の子、女の子らしい。
*おおかたの予想の外れ女児を産み誰にともなくするVサイン

恐らく作者は女の子が欲しかったのだろう。だから「Vサイン」というのが微笑ましい。

*はいはいで部屋を出てゆくみどりご 必ず一度止まりふりむく
*手袋とバッグをかごに積み込み小さな自転車が待機している
*幼子が寄せてくる頬の柔らかさ噛んで確かめるわたしは母親
*「事故るなよ」毎朝同じ夫の声腹も立たず飽きもせず聞く
*玄関に子ら争ってわたくしを迎える足音しあわせの音
*じゃれあって帰る子ふたり赤と黄の小さな傘が離れては寄り

子供たちと夫との愛に満ちた歌を引いてみた。
職場を詠った歌は無いが、作者は教員であるらしいが、詳しくは詠われない。

*アパートに帰り着いたとメールあり息子を見送り二時間の後
*夕ぐれの空に大きい白い月 息子はひとり異郷に暮らす
*軒下に残したままのオートバイに年あらたまる主なきまま
*ひとつ家に暮らしてはや十九年「ふうん」と夫は新聞を読む
*朝からの雨ふりつづく秋の夜夫も娘もまだ帰らない

幼子たちを詠んだ日々が経過して、こんな日々が今となった。それらの日々が哀歓ふかく歌にされていて秀逸である。

*抱きとれば赤子の体やわらかく日暮れの空は濃い茜色
*下の児を抱きとるあいだ上の児は園庭に待つ小さなその傘
*夏の日のビルの谷間をとおりすぎ浜離宮に聞くこの蝉の声
*「ちょっと待て」幼子二人に声をかけ中腰になり写真撮る夫
*子や孫を見送りその後ひとり飲むテイクアウトのコーヒーの味
*めずらしく夫の呼ぶ声指をさす東の空に消えかけの虹

このようにして、子供たちも成人して旅立って行った。この本の中に歳月の経過が、鮮やかに顕ち上がるのである。
そして、巻末の歌は

*雨あがり雨戸開ければ靴脱ぎにインパチェンスの赤い花びら

大した波乱万丈もないまま、一巻は終わりを迎える。
平穏な日々を描いた歌集であった。 拙い鑑賞を終わる。 ご恵贈有難うございました。   (完)



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