
言葉には重さはないけれど
愛には「肉体」という重さが必要です・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
この詩は私の第三歌集『樹々の記憶』(短歌新聞社)に載せた「愛」という一連のうちの一行である。
これはWeb上でもご覧いただける。
この一連を引いてみる。
愛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
自分たちにしか通じない言葉を持つのが恋人同士というものです
相合傘は世界で一番小さな、二人のための屋根であります
ビバ!恋のアンブレラ!この傘の下にいると二人は「はだかの王様」です
言葉には重さはないけれど 愛には「肉体」という重さが必要です
愛は虚構です それはつかまえどころのないものだからです
愛は数えることも測ることも出来ません愛のお相手はみな様々です
「愛」を多く持つことの出来る人は心の財産目録の豊かな人です
今しみじみと不足するのは 愛ではなく愛にかかわる思想です
貞淑を失った関係はわびしいが貞淑をいつも必要とする関係はもっとわびしい
不条理とは人と神との葛藤 愛怨とは等身大の人間同士の葛藤です
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この一連も見方によっては「アフォリズム」と受け取られるかも知れない。
これを書いた頃、私の関心が、アフォリズム的な方向に傾いていたのかも知れない。
ここに掲出した写真は、いろいろ探した末に「間接表現」ながら、このキスの写真に落ち着いた。少しインパクトには欠けるが。
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