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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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「未来山脈」掲載作品2020/02「都市の壁」・・・木村草弥    
未来_NEW

c56d12ba649e9ae26271be896a5915b7ケンブリッジ大学
 ↑ ケンブリッジ大学
IMG_2267-thumb-700xauto-27097ベルリンの壁
 ↑ ベルリンの壁

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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is the question. me free !
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──「未来山脈」掲載作品──(26)

     「都市の壁」・・・・・・・・・・・・・木村草弥
            ・・・・・・・2020/02掲載・・・・・・・・・

         都市の壁    木 村 草 弥

   ロンドンから北に電車で一時間。ケンブリッジに着く

   オックスフォードと並ぶ古くからの大学街である

   この川沿いをニュートンが歩いたのか。「イーグル亭」というパブで

   DNAの二重螺旋構造を解明したワトソンとクリックが議論したのか

   それぞれのカレッジはぐるりと壁で囲まれて「プライベート」と表示

   都市の喜びは自由にあちこち歩き廻れることにある

   しかし実際には、都市には至るところに「壁」がある

   入り口に「プライベート」と書かれてしまえばおしまいである

   都市は壁に囲まれたプライベートな見通しの悪い多細胞生命体

   ベルリンの壁の崩壊に人々はなぜあれほど熱狂したのだろう




(転載)節分に懸想文はいかが?・・・京都・須賀神社
kesoubumi03懸想文売り

──エッセイ──

以下の文章と写真は「ディープな京都と認知療法」の中のサイトから転載させてもらったものである。いつの年の記事かは不明。転載に深く感謝するものである。
記事末尾の俳句二つは、私が見つけて来て、載せたものである。(草弥記)

       節分に懸想文はいかが?・・・・・・・京都・須賀神社・・・・(転載)

 吉田神社をはじめ京都の神社やお寺では、節分に鬼が出るところが多いのですが、懸想文(けそうぶみ)売り が出るのは、ここ聖護院を東に入った所にある須賀神社をおいてはないでしょう。「懸想文」とは聞き馴れないものですが、これは直訳するとラブレターということになります。ラブレターを「売る」とは、またどういうことなのか?疑問が湧いてきます。好奇心の虫がうずうずしてきます。

kesoubumi01須賀神社

須賀神社は小さな神社で、普段は街のなかに埋もれてほとんど目立たない存在なんですが、節分の二月2・3日になると、お琴の音や、案内を語るおばさんの声がスピーカーから流れ、がぜん活気づいてきます。参拝客も大勢こられます。この境内に入るとすぐ目につくのが、写真①と③の怪しい二人組み。
手に持つのが「懸想文」です。これを売るのが「懸想文」売りで、怪しい二人組みこそ、その正体なのです。
写真①は、その「売り人」にカメラを向けて、ポーズを取ってもらったところなのです。

kesoubumi02懸想文売り

これがうわさの「懸想文売り」なのです。懸想文とは、説明によると「縁談や商売繁盛などの願を叶える符札で、鏡台や箪笥に入れておくと容姿が美しくなり、着物が増え、良縁にめぐまれるというので、古くより町々の娘や嫁にあらかたなものとして買い求められた。この風習は明治以降はなくなり、いまは須賀神社が二月三日の行事をしている」ということなのす。そこで私もぜひ一つ買ってみなくては。もっとも私は別の良縁を求めているわけではないのですが・・・。

この姿は、懸想文の外装にも描かれていて、忠実に再現しているようです。
 
 さっそく件の懸想文を開けてみることにしました。奉書紙に包まれていたのは、梅の枝に結ばれた風情の結び文。そこにはゆかしい和歌が変体がなで書かれています。
「むすほれし 霜はうちとけ 咲く梅の 花の香おくる 文召せやめせ 」と読めます。

kesoubumi05懸想文

kesoubumi06懸想文

 写真が④と⑤に分かれてしまいましたが、④が外装、⑤が中身ということです。
さらに、結び文を解いて読むことにします。こちらは普通のかな書きなので読むだけなら苦労はありません。
「行く水の 流れは 絶えずして・・・」と、なんとラブレターが諸行無常の「方丈記」の冒頭から始まります。艶っぽい内容を期待していたのは、あてがはずれました。

「 創造や漂ひ化せしてふ地(つち)の いにしへぶりの 大地を 」とか「活人剣の像成(かたち)し」とか、なかなか難しい漢語や縁語・懸詞がちりばめられて、ちょっとやそっとでは歯が立たない内容になっています。とても女の人が書いたものとはみえません。これはどこかの大学の国文学の先生が書いているのだと聞いたことがあります。
 最後には、
「壬午(みずのえうま)の春 巳遊喜より
 春駒さままいる」

とあり、この内容は毎年変わっていること、差出人と受取人の名前はそれぞれその年の干支にちなんだ名前になっているのが解ります。あとで調べてみると、最近では
緋兎美(ひとみ)->龍比古(たつひこ)->巳遊喜(みゆき)->春駒(はるこま)

と、女男女男(女性の名前が字は古風なのに、読みは今時風なのが面白いですね)と、毎年つながっているようです。ちょっと考えてみれば、12人のとんでもない片思いの数珠つなぎが、円環をなしているわけで、シェクスピアもびっくりものなんですねぇ。こんなにレアーで、奇想天外・霊験あらたかな懸想文を、皆さんもぜひゲットされるといいと思います。ただしお代は壱千円也で、売りだしは来年の二月2・3日までまたなければならないのですが・・・。

終わりに、俳句の大家の詠んだ句を引いて終わる。

 もとよりも恋は曲ものの懸想文・・・・・・・・高浜虚子

 淡雪を讃ふることも懸想文・・・・・・・・後藤比奈夫


はつとしてわれに返れば満目の冬草山をわが歩み居り・・・・若山牧水
1536012枯野

   はつとしてわれに返れば満目の
     冬草山をわが歩み居り・・・・・・・・・・・・・・・・・若山牧水


若山牧水は「酒」と「旅」の詩人だと、よく言われる。確かにそうだったが、彼は今日さかんな観光旅行の旅人ではなかった。
思いつめて旅に飛び出し、山間を歩み、水辺をさまよい、常に何ものかを追いつつ、結局は「放心」の旅であるような、そういう旅をしつづけたように思われる。
「酒」にしても、ただ酒好きというだけではなく、のめり込むように酒を飲んだ人のようである。
心に何かしら満たされぬものを抱きつづけて「生き急いだ」人だったようだ。
この歌にも、そういう牧水が居る。

photo01若山牧水

解題によると、この頃、牧水はまだ若かったが、苦しくてたまらない「恋」をしていたのだった。
この歌は明治44年刊の歌集『路上』に載るものである。
初句の「はつとして」という個所など、何か思いつめて考え事をして周りの景色も目に入らなかった様子が表現されている。

    幾山河越えさり行かば寂しさの終(は)てなむ国ぞ今日も旅ゆく

    けふもまたこころの鉦をうち鳴しうち鳴しつつあくがれて行く

この二つの歌は、掲出歌よりも3年前に出た処女歌集『海の声』に載るものだが、初期の歌集にも、すでに
「寂しさ」に満ちた歌の調子なのである。
牧水の代表作として、よく引用されるのは

    白鳥(しらとり)は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

    白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり

などである。
牧水は「花鳥諷詠」のような景色を詠むことはしなかった。自分の「心象」にひびくものだけを詠んだと言える。
そして、牧水についてはBLOGにも載せたが、圧倒的に多いのが「酒」にまつわる歌である。
彼は44歳で亡くなっているが、「酒」によって健康を害して医師からも酒を控えるように言われても、なお、意地汚く飲酒から足を洗えない様子が歌にも見てとれる。

     酒やめてかはりになにかたのしめといふ医者がつらに鼻あぐらかけり

というような歌がある。
彼の主宰した短歌結社「創作」は、孫か曾孫かの経営で、今もつづいている。
宮崎県の出身で、それを記念して「若山牧水文学賞」というものが先年創設された。

2010/09に角川書店新書で、俳優の堺雅人と歌人・伊藤一彦による『ぼく、牧水』という本が出た。
私はまだ読んでいないが、探してみてください。

コーラスのおさらひをする妻の声メゾ・ソプラノに冬の陽やさし・・・・木村草弥
im20060112AS3K1200D1201200613モーツァルト楽譜

       コーラスのおさらひをする妻の声
           メゾ・ソプラノに冬の陽やさし・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第二歌集『嘉木』(角川書店)に載るものである。
自選にも採っているのでWebのHPでも、ご覧いただける。
妻が元気だった頃、コーラスに入って楽しく歌っていた。もともとはソプラノだったが、齢を取って発声が無理なのでメゾ・ソプラノに代った。
大学に居る頃はチャペルの聖歌隊に入っていたので歌うことは好きだったのである。
病気が進行して療養に専念するためにコーラスも辞めた。
妻亡き今となっては、私にとっては、この歌は健やかな妻の思い出として貴重な、愛着のあるものである。
掲出の写真①は、2005年に大英博物館で見つかったモーツァルトの自筆楽譜──妻のコンスタンツがヒステリーを起こして二つに破り捨てたというイワクつきのもの。

c0064819_10375157モーツァルトの楽譜

写真②はオーストリアの首都ウイーンの街の楽譜屋の店頭に飾られているモーツァルトの楽譜である。

ウイーンには何度か行ったことがあるが、この街は大きくない街で、歩いても30分もあれば突き切ってしまえる程で街歩きをしていても楽しい。
リンクという環状道路を走るトラムに乗って一周しても30分もあれば十分であり、王宮や、その向かいの美術史博物館、自然史博物館を覗くのも楽しい。
この二つの博物館の間の庭園には女王マリア・テレジアの大きな銅像があり、王宮の方を向いて建っている。
美術史博物館は何日通っても見飽きるということはない。
少し郊外にはシェーンブルン宮殿もあり、この辺りには古いが趣のあるシェーンブルン宮殿の元ゲストハウスだったというホテル・シェーンブルンがある。
ここには私は二度泊まったことがある。

ウイーン一番の目抜きの通りケルントナー・シュトラーセの散歩も楽しい。
ウイーンは「ザッハトルテ」というチョコレートケーキで有名な店があり、いつも買い物客で立て込んでいる。
散歩に疲れたらカフェでコーヒーを飲むのも素敵である。
ウイーンナー・コーヒーというのは外国で言うのであって、地元では、そんなことは言わない。
私はいつもカプチーノを注文する。もっともカプチーノというのはイタリア風の飲み方だが、今ではドイツでもどこでも、これで通る。
ウイーンの地下鉄はシェーンブルン宮殿の近くでは地上を走っているが、街に近づくと半地下になり、あと本当の地下鉄になる。
2006年はモーツァルト生誕250年ということでモーツァルト・イヤーということで、モーツァルトの故郷であるザルツブルクをはじめ、世界中で行事が目白押しであった。
ウイーンのお土産には「モーツァルト・チョコレート」というのが何種類かあり、モーツァルトの絵が印刷してあって、手ごろなお土産になる。音楽好きな人や女の人には喜ばれる。
ここで「薀蓄うんちく」を披露しておくと、モーツァルトの故郷ザルツブルクsalzburgのことだが、「ザルツsalz」とは英語のsaltで「塩」のことである。
この辺りは岩塩の産地で大きな岩塩採掘跡の洞穴があり観光コースになっている。
「ブルクburg」とは「城」「城郭都市」の意味である。このブルクという名前のつくところは、一杯ある。
因みに、現地の人は「ザルツ」と濁っては発音せず「サルツ」と清音で呼ぶらしい。これは現地のガイドからの受け売り。

img43873b23b3a9f譜面マグ

写真③は、2005年に開かれた愛知万博のオーストリア館の売店で売られていたモーツァルトの楽譜を印刷したマグカップであり、行った人からのお土産である。
私は妻の体調のお付き合いで行かなかったが、万博というのは、いずこも同じく人気館は何時間待ちの状態で、碌に見られたものではない。
せめて、この土産にもらったマグカップでコーヒーでも飲むのが関の山である。
私自身は楽譜も読めないし、歌うのも得意ではないが、妻からの感化もあり音楽を聴くのは好きである。
私はアイルランドの歌姫エンヤが好きで、本を読んだり、パソコンを見たりするときにもBGMのようにエンヤのインストゥルメントなどをかけて聴くともなしにするのが多い。
エンヤの最新アルバムは、まだ買っていないが、この中ではエンヤの創造した「新」言語にお目にかかれるらしいので、楽しみだ。今までは作詞はローマ夫妻が担当していたのだが、今回はどうなっているのだろう。

先年、村島典子さんの歌集『タブラ・ラサ』を採り上げたが、その際、村島さんから、この曲の作者・アルヴォ・ペルトのことを聞き、「タブラ・ラサ」のCDを買って聴いてみた。
心に沁みるような曲だった。
この記事を書きながら、そんなことどもを思い出している。

掲出した歌の並びに

     つらら落つる朝の光のかがやきが横ざまに薙ぐ神経叢を・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

という歌が載っている。昂ぶった「神経叢」をモーツァルトの音楽でも聴いて「癒され」たいものである。

先に書いたモーツァルト・チョコレートのうちの一種の写真を④⑤に載せておく。

img_6257.jpg

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この他にも、ヴァイオリン型のパッケージに入ったもの、洋酒のリキュールの入ったチョコレートなど、さまざまある。
折しも、まもなくヴァレンタインデーであるから、百貨店などのチョコレート売場を覗いてみたら並んでいるかも知れない。


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