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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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春から初夏の蝶たち・・・木村草弥
110406kityou065吸水するキタキチョウ
 ↑ 吸水するキタキチョウ
kityou4黄蝶
 ↑ 羽を広げた黄蝶
2017_5_30kityouuootyouキチョウ幼虫
↑ キチョウ幼虫

──エッセイ──

      春から初夏の蝶たち・・・・・・・・・・・・木村草弥

田舎暮しの私の身近には、さまざまな「虫」たちが見られる。
冬を越えて春になると可憐な蝶たちが見られる季節になる。
先ず「黄蝶キチョウ」を挙げておこう。
林縁や草原で普通に見られる黄色いチョウ。翅の表面の縁には黒色帯がある。
モンシロチョウやモンキチョウよりはひとまわり小さい。
いつもせわしなく飛び、いろいろな花で吸蜜したり、地面で吸水する。
成虫のまま越冬し、早春から飛びはじめるので、3月頃に見かける黄色いチョウはこの種類であることが多い。
幼虫の食草は、ネムノキ、ハギ類など。
今までは大雑把にキチョウと呼ばれてきたが、最近では本州に居るものは「キタキチョウ」と呼ばれるようになった。
この蝶については

     春潮のあらぶるきけば丘こゆる蝶のつばさもまだつよからず ・・・・・・・・・・坪野哲久

の歌を挙げて記事を載せたことがある。

monsirotyo0805284133モンシロチョウ
↑ モンシロチョウ
11cccb9e9e4f0017607da3a011265778モンシロチョウ展翅
↑ モンシロチョウ展翅

モンシロチョウの前翅の長さは3cmほど。翅は白いが、前翅と後翅の前縁が灰黒色で、さらに前翅の中央には灰黒色の斑点が2つある。
和名はこの斑点を紋に見立てたもの。また、春に発生する成虫は夏に発生する成虫よりも白っぽい。
オスとメスを比較すると、オスは前翅の黒い部分が小さく、全体的に黄色っぽい。メスは前翅の黒い部分が多く、前翅のつけ根が灰色をしている。
なお、翅に紫外線を当てるとメスの翅が白く、オスの翅が黒く見えるため、オスメスの区別がよりはっきりする。
紫外線は人間には見えないが、モンシロチョウには見えると考えられていて、モンシロチョウはこの色の違いでオスメスの判別をしているとみられる。
全世界の温帯、亜寒帯に広く分布する。
広い分布域の中でいくつかの亜種に分かれており、そのうち日本に分布するのは亜種 P. r. crucivora とされている。
幼虫の食草はキャベツ、アブラナ、ブロッコリーなどのアブラナ科植物なので、害虫であるともされ、モンシロチョウはそれらの農作物の栽培に伴って分布を広げてきた。
日本のモンシロチョウは奈良時代に大根の栽培と共に移入されたと考えられている。
成虫は3月頃から10月頃まで長い期間にわたって見られ、年に4-5回ほど発生するが、発生する時期や回数は地域によって異なる。
北海道の一部のように寒冷な地域では年に2回ほどしか発生しないが、温暖な地域では年に7回発生することもある。蛹で越冬する。
ふ化した時は自分の卵の殻を、脱皮した時はその皮を食べる。

このように春早くに見られる蝶はキチョウとかモンシロチョウであるが、キチョウは成虫で越冬するのに対して、モンシロチョウは蛹で越冬して脱皮して蝶になるところが違う。

モンシロチョウは小さくて可愛いが、キャベツなどの野菜を食べる害虫として農民には嫌われているのである。

他にアゲハチョウ類の蝶が居るが、それらについては夏の頃に載せてみよう。





池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな・・・大伴家持
asebi3あせび

   池水に影さへ見えて咲きにほふ
    馬酔木の花を袖に扱(こき)入れな・・・・・・・・・・・・大伴家持


馬酔木の花は4月から5月にかけて咲きはじめる。山地に自生するツツジ科の常緑低木で、日本原産の木。
学名をPieris japonica という。私の推測だが、シーボルトが標本を持ち帰り命名したのではないか。
馬酔木は古典植物で、「万葉集」には10首見える。
掲出したのは、そのうちの一つで巻20の歌番号4512に見える大伴家持の歌。
もともと「巻20」は万葉集の一番終りで、大伴家持の歌が多い。
そこから万葉集は家持の編集になるのではないか、という説があるのである。

馬酔木(あしび)の木は有毒のもので、枝葉にアセボトキシンという有毒成分があるのである。
野生の鹿などは、よく知っているので食べないという。花は香りが強い。

asebi2あせび赤

色は白が普通だが、写真②のようなピンクのものがある。木の姿もよく、昔から好んで「庭木」として植えられたので、栽培による改良種だと言われる。
先に馬酔木は古典植物だと書いたが、歌に「馬酔木なす栄えし君」と詠まれるように、古代には「賀」の植物であり、栄えの枕詞であった。

俳句にも古来たくさん詠まれてきた。それを引いて終りたい。

 花馬酔木春日の巫女の袖ふれぬ・・・・・・・・高浜虚子

 春日野や夕づけるみな花馬酔木・・・・・・・・日野草城

 馬酔木より低き門なり浄瑠璃寺・・・・・・・・水原秋桜子

 月よりもくらきともしび花馬酔木・・・・・・・・山口青邨

 染めあげて紺うつくしや夕馬酔木・・・・・・・・原コウ子

 花あしび朝の薬に命継ぐ・・・・・・・・角川源義

 花あしびかづきて鹿の子くぐり出づ・・・・・・・・阿波野青畝

 指さぐる馬酔木の花の鈴の音・・・・・・・・沢木欣一

 馬酔木咲き金魚売り発つ風の村・・・・・・・・金子兜太

 こころみに足袋ぬぎし日や花あしび・・・・・・・・林翔

 宵長き馬酔木の花の月を得し・・・・・・・・野沢節子

 邪馬台の春とととのへり花あしび・・・・・・・・小原青々子

 囀に馬酔木は鈴をふりにけり・・・・・・・・下村梅子

 父母に便り怠り馬酔木咲く・・・・・・・・加倉井秋を

 時流れ風流れをり花馬酔木・・・・・・・・村沢夏風



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