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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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地球儀を廻せば果てなし世界地図母国がいつも中心にあり・・・愛知県 浅井のりこ
rinomainimg地球儀

      地球儀を廻せば果てなし世界地図
               母国がいつも中心にあり・・・・・・・・・愛知県 浅井のりこ


この歌は角川書店「短歌」誌の2013年1月号の題詠「球」の応募作として入選したものである。 選者は楠田立身氏である。
この歌は「地球儀」を詠ったものとしては、正確ではない。
「平面地図」であれば、ここに詠われるように、どこの国の地図も、いつも「自国」を真ん中に描いているだろう。
しかし「地球儀」は丸い地球を模ったものであり、ほぼ地球の現実の配置図になっているもので、例えば、日本は必ずしも地球儀の真ん中にはないからである。
地球儀というのは、「地軸」の傾きに沿って軸が貫いており、それをくるくる廻して各国を見るようになっている。
作者は、平面地図と地球儀とを「錯覚」して、歌に作られたようである。 歌の意味として違和感がある。


この記事を読まれた読者から「地球儀を回しても私の中ではいつも日本を中心にしてしまう、みたいな意味かな」というコメントがありました。
そういう捉え方をすると、私の解釈は正しくないことになる。解釈は難しい。ここに追記しておきます。


今しも、韓国が「日本海」を「東海」と呼称するよう求める動きが、アメリカ在住の韓国系住民から出てきたりしている。
これなども地図の「平面図」的な発想に発している。韓半島から見れば、確かに「東の海」であるからだ。
他方、日本なども「日本海」の表記にこだわる必要もないのである。
とにかく日本の苛酷な植民地支配に対する反感、反動が、いま民族感情のうねりとして噴き出ているのだ。
ついでに書いておくと、韓国に行ってみると判ることだが、「朝鮮」という言葉を使うことにも反発があり、「朝鮮半島」ではなく「韓半島」と呼ぶ、などである。

私宅にも子供たちの学習用に買ったものだろうか、いまも地球儀が一個ある。
この「題詠」の欄には全部で50余りの入選歌が載っているが、

   角のある小家具ばかりのわが部屋にけふは学習用地球儀を置く・・・・・・岩手県 加藤英治

という歌が選ばれている。
詠み方は違うが、この歌には何ら違和感はない。
こんな歌も採用されている。

   婆生まれし台湾さがすおさならは芋型よねと地球儀を見る・・・・・・兵庫県 清水勝子

この歌も面白い。台湾=フォルモサの形を「芋型」とは子供らしい表現である。
「球」という題詠の課題に対して地球儀を詠ったのは、この三つだけである。
他は野球の球やサッカーボールを詠ったものなどが多い。 では、他の歌を引いておく。

   卓球野球蹴球排球籠球と漢字は固くよく動けない・・・・・・神奈川県 越田勇俊

   青年の指黙黙と球根を育てるために花を摘みおり・・・・・・茨城県 杉山由枝

   天災に目覚めし国の団結の「絆」の文字が球に書かるる・・・・・・三重県 福沢義男

   溶ける球ぐるり回して吹きやれば丸き形の風鈴が出づ・・・・・・東京都 松永弘之

   隠し球持たぬ手の内吾が持つは少しの希望と多くの祈り・・・・・・東京都 芹沢弘子

   吹きつのる春の疾風にタンポポの綿毛は球のスクラム解かず・・・・・・和歌山県 久保みどり

   「別に」とか返す日続く反抗期言葉のボール帰らぬ九月・・・・・・神奈川県 高司陽子

   明日逝く夫の命を知らずして孫と遊びし球磨川下り・・・・・・千葉県 田中房枝

   夕暮れにボール片手に帰りゆく子等と蜻蛉に開かれしドア・・・・・・青森県 桜庭喜久枝

   何となく覚えづらくて苦手なりし球の体積・表面積を・・・・・・大阪府 遠藤八重子

   たつぷりともろてに抱き描きたるまるみなるべし球子の富士は・・・・・・千葉県 渡辺真佐子

   見逃せばホームランとなるフェンスぎは超美技となる刹那のジャンプ……静岡県 鈴木昭紀

   変化球少しは混ぜてみようかと職退きし後の生活プラン・・・・・・愛知県 藤田浩之

   石や川花に蝶々犬や猫そして私も地球のかけら・・・・・・神奈川県 ひかり

   



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