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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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「未来山脈」掲載作品「三月十日」・・・木村草弥    
未来_NEW

db21a112cc944aff6e3b61e7c5540d90敗戦日
 ↑ 敗戦後の「焼け跡」

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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is the question. me free !
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──「未来山脈」掲載作品──(39)

     「三月十日」・・・・・・・・・・・木 村 草 弥
              ・・・・・・・2021/03月号掲載・・・・・・・

        三月十日       木 村 草 弥

   房総沖で日本軍レーダーを撹乱するため大量の銀箔を撒いた米軍機は

   東京湾上を滑空して高度を下げ一気に東京南東部に侵入した

   超低空からの奇襲攻撃で三三四機が高性能焼夷弾二千トン、

   十九万発を東京下町の人家の密集地帯に投下したのだ

   アメリカ側の資料によるとドイツ都市への絨毯爆撃で名を上げた

   三八歳のカーチス・ルメイ少将が火攻め空襲の指令を受けて着任した

   この若い鬼将軍の冷徹な初仕事が昭和二十年三月十日の空襲だった

   二時間半の深夜の攻撃で八万余の東京市民を焼き殺した

   ルメイは広島・長崎への原爆投下の現地指揮官でもある

   その功績により大将に昇進し空軍参謀総長に抜擢された
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当時の国際法では、戦争に於ては「非戦闘員」を殺傷してはならないことになっていた。今の国際法がどうなっているのか私は知らない。
ドイツの都市に対する「無差別爆撃」などは明らかな法的逸脱であったが、ナチスの残虐極まる不法行為を見過ごすことは出来ないという論理だったらしい。
東ドイツの領域だったドレスデンなんかは徹底的に破壊し尽くされた。
私はドレスデンには二度行ったが、かの地は「石」の文化だから煉瓦の一片も捨てずに再使用して教会なども見事に復元されている。その執念は凄い。
日本への無差別の爆撃も同様の理由によるものだろう。日本人は黙って黙認した。
だがドイツ人は偉かった。戦勝国にも物申したのである。結果的に戦勝国の論理には勝てなかったが、言うだけのことは言った。
歌作品には書かなかったが、このルメイに対して後に日本政府は最高の勲章である勲一等旭日大綬章を贈っている。念のために書いておく。
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私は戦中派だが、何故この高性能「焼夷弾」による一連の大空襲のことを知っているのか、書いておきたい。
この東京の空襲の三日後が名古屋の大空襲で、次兄・重信が学徒動員で徴兵され、豊橋陸軍予備士官学校に居たので、父と面会に行き、机の下で食べ物を食べさせ、その帰りに名古屋で、叔母の家に泊まっていて、この空襲に遭った。
すぐ近くに名古屋城があり、その広場に逃げて助かった。
その三日後が大阪の大空襲で西の空が真っ赤だった。いずれも「焼夷弾」による「焼き射ち」である。





お前にあげたいものは/ かちとるにむづかしく/はぐくむにむづかしい/自分を愛する心だ・・・吉野弘
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 ↑  岩崎書店  2009/12/19刊

──吉野弘の詩──(5)

      奈々子に・・・・・・・・・・・吉野弘

    赤い林檎の頬をして
   眠っている 奈々子

   お前のお母さんの頬の赤さは
   そっくり
   奈々子の頬にいってしまって
    ひところのお母さんの
   つややかな頬は少し青ざめた
    お父さんにもちょっと
   酸っぱい思いがふえた

   唐突だが
   奈々子
   お父さんは お前に
   多くを期待しないだろう
    ひとが
    ほかからの期待に応えようとして
   どんなに
   自分を駄目にしてしまうか
   お父さんは
    はっきり
   知ってしまったから

   お父さんが
   お前にあげたいものは
   健康と
   自分を愛する心だ

    ひとが
    ひとでなくなるのは
   自分を愛することをやめるときだ

   自分を愛することをやめるとき
   ひとは
   他人を愛することをやめ
   世界を見失ってしまう

   自分があるとき
   他人があり
   世界がある

    お父さんにも
    お母さんにも
   酸っぱい苦労が増えた
   苦労は
   今は
    お前にあげられない

    お前にあげたいものは
   香りのよい健康と
    かちとるにむづかしく
    はぐくむにむづかしい
   自分を愛する心だ
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この詩は、国語の教科書にも採り上げられて、娘の奈々子は、自分の学校の教科書には載らないのを希望したという。
幸い、違う教科書が採用されて安心したというエピソードがあるらしい。
これも有名な、よく知られた作品である。



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