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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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山茶花は咲く花よりも散つてゐる・・・・・・・・・・・・・・・細見綾子
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  山茶花は咲く花よりも散つてゐる・・・・・・・・・・・・・・・・・細見綾子

私の家の前栽の生垣の一番西の端にあるサザンカが咲き始めた。4、5日前から咲きはじめたと思ったら、もう一斉に咲いて満開に近い。
サザンカにも遅速はあり、この木は例年一番早い。亡妻などは「あんまり早く咲きすぎる」と文句を言っていた。
というのは今なら菊などの花の彩りもあるからで、冬が深まって周りに花の色がない時に咲いてほしい、という願いである。
サザンカは「山茶花」と書くが字の通りに発音すれば「サンザカ」となるが発音し難いので、いつしかサザンカとなったという。
原産地は日本で、学名を Camellia sasanqua というが、ここでも日本の発音通りの命名になっている。
椿科というけれど椿との違いは、ツバキは花が落ちる時にはボテッと全部一緒に落ちてしまう(このことから斬首刑を連想するのか、武士は椿の花を嫌ったという)が、
サザンカは花びらが一枚一枚づつばらばらに落ちる。
サザンカは長崎の出島のオランダ商館に来ていた医師ツンベルクがヨーロッパに持ち帰り西欧で広まったという。
なお、学名の前半の Camellia は椿のことで17世紀にチェコスロバキアの宣教師 Kamell カメルさんの名に因むという。

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サザンカはさまざまに改良され、もともとは5弁の茶の花に似ている花だったが今では色も花弁の枚数も多様である。
写真には色々のものを載せてみた。

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『和漢三才図会』には「按ずるに、山茶花、その樹葉花実、海石榴(つばき)と同じくして小さし。その葉、茶の葉のごとく、その実円長、形、梨のごとくにして微毛あり。・・・・・およそ山茶花、冬を盛りとなし、海石榴の花は、春を盛りとなす」とある。的確な表現である。なおサザンカは正式には「茶梅」と書いて「さざんくわ」と読むのが正しいという。サザンカは茶に近いものであるから、この説は了解できる。
サザンカは古来よく詠まれて来た花で芭蕉一門の連句などにも、よく登場する。

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以下、サザンカを詠んだ句を引いておく。

 霜を掃き山茶花を掃く許りかな・・・・・・・・高浜虚子

 山茶花は白一色ぞ銀閣寺・・・・・・・・小沢碧童

 無始無終山茶花ただに開落す・・・・・・・・寒川鼠骨

 花まれに白山茶花の月夜かな・・・・・・・・原石鼎

 山茶花やいくさに敗れたる国の・・・・・・・・日野草城

 山茶花のこぼれつぐなり夜も見ゆ・・・・・・・・加藤楸邨

 山茶花の金の蘂病癒えしかな・・・・・・・・石田波郷

 山茶花の散るにまかせて晴れ渡り・・・・・・・・永井龍男

 山茶花のくれなゐひとに訪はれずに・・・・・・・・橋本多佳子

 山茶花の咲きためらへる朝かな・・・・・・・・渡辺桂子

 山茶花の咲く淋しさと気付きたる・・・・・・・・栗原米作

 白山茶花地獄絵のごと蜂群るる・・・・・・・・高木雨路
 
 さざんくわにあかつき闇のありにけり・・・・・・・・・久保田万太郎 

 山茶花の落花並べば 神遊び・・・・・・・・伊丹三樹彦

 さざん花の長き睫毛を蘂といふ・・・・・・・・野沢節子

 不忠不孝の人山茶花の真くれなゐ・・・・・・・・飯島晴子

 山茶花の咲きて病ひの淵に入る・・・・・・・・保坂敏子


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