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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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言語とふ異形の遺伝子持ちしよりひとの生くるは複雑微妙・・・・・・・・・・・・沢田英史
ひも

    ■言語とふ異形の遺伝子持ちしより
        ひとの生くるは複雑微妙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・沢田英史


聖書に「はじめに言葉ありき」という教えがある。
これはイエス・キリストの言葉を信じよ、ということであろうが、「はじめに言葉ありき」という言葉は、さまざまにバリエーションをつけて語られてきた。
人間が他の生物と異なるのは「言語」を持っているからだと言われる。
それは正しいだろう。
だが、掲出した沢田英史の歌のように、この「言葉」というものを持っているが故に、人間は言語に縛られ、動きがとれなくなった、とも言える。
私にも、こんな旧作がある。

   ■「はじめに言葉ありき」てふ以後われら混迷ふかく地に統(す)べられつ・・・・・・・木村草弥

この歌は私の第四歌集『嬬恋』(角川書店)の「エッサイの樹」という連作に載る11首の中のものである。
この項目名からも分かるようにキリスト教──旧約聖書、新約聖書に因むものであるが、西欧世界に遊ぶと、キリスト教が、かの地に深く深く根を張り、
がんじがらめに支配していることを知らされる。
私の歌は、そんなヨーロッパの地を覆う、いわゆる「言葉」なるものの存在を意識したものである。

沢田英史の歌は、「異形(いぎょう)の遺伝子」という側面から「言語」「言葉」というものを捉えた秀歌である。

この歌の前に、「対」になるように、こんな歌がある。

   ■遺伝子を残さむがため生くるなり
        生物のいのちは単純明快・・・・・・・・・・沢田英史


この二つの「対」になった歌で、ひとつの主張がなされていると言うべきだろう。
秀歌という所以である。

ヨーロッパの「精神史」に触れると、この「大枠」の中で、中世以後、デカルトをはじめとして多くの知識人が苦悩してきた事実が判って来る。
そして多くの人がカトリックに回帰してゆく。唯一、回帰しなかったのはサルトルとボーボワールの夫婦だけだったのでないか、という気がする。
「中世」が今に生きている、と言えば、そんな大げさな、と言われるかも知れないが、アメリカのブッシュ大統領が、現代の「十字軍」を標榜していた事実を見られるが、よい。
そして、結果として、イスラームを敵に廻してしまい、にっちもさっちも行かなくなった、というのがイラク戦争の報いであろう。
ひと頃、前ローマ法王が、中世の十字軍は間違いだった、とイスラームに謝った、というのに、ブッシュは時計のネジを逆に廻してしまったのだった。

こんな歌がある。

   ■「アメリカが悪い!」と言へば大抵のことが収まる二○○六年・・・・・・・・・・・・武下奈々子

事実は、それほど簡単ではないことは判っているが、大きな側面を指摘していることは本当だろう。
同じ作者の歌に

   ■軍隊の民営化てふ発想の線を辿れば戦争の外注・・・・・・・・・・・武下奈々子

という空恐ろしいのがあるが、これは事実、アメリカがイラクでやったことなのである。
文学者も、たまには、言うことは言うのである。

これらの歌は角川書店「平成19年版・短歌年鑑」自選歌から引いた。



コメント
コメント
企業の世界では外注が当たり前に(-。-;)
産めよ増やせよという旧約、新約の考えがこれからも通用するのか疑問を感じておりますv-362
民主主義、資本主義に代わる政治、経済システムが有るのかと問われれば返答に詰まる現代ですが、“アメリカが悪い”と言えば収まる時代では無くなったように思います。
2010/12/14(火) 00:34:58 | URL | nmzk #Wh5SkbOM [ 編集 ]
日本も世界も混迷を深めていますね
■nmzkさま。
お早うございます。
世界は「半年」「一年」で劇的に変化します。
東西とも指導者も大変です。
これらの歌が作られた年以後に激動が襲ったということです。
では、また。
2010/12/14(火) 07:30:18 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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