FC2ブログ
K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
202007<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>202009
母の魂梅に遊んで夜は還る・・・・・・・・・・・・・・・・・・桂信子
hana267_1_ume紅梅②

母の魂(たま)梅に遊んで夜(よ)は還る・・・・・・・・・桂信子

肉体を抜け出た魂が昼のうちは梅の花と戯れているが、夜が来れば、また元の肉体に戻るのだ。
ふしぎな幻想性を持った句である。
この句は、年老いた母を喪った折の「母容態悪化」一連の句だから、作者にとっては現実から得た題材だが、句には現実と<非>現実が、ないまぜになった感銘ふかいものである。
彼女については別ブログでも何回も採り上げたが、大正三年大阪生まれの作者は、結婚生活二年で夫と死別するという不幸に遭った。当時の作には哀切な句が多い。
この句は句集『新緑』昭和49年刊所載。
本名・丹羽信子。昭和13年日野草城門に入る。昭和45年「草苑」創刊・主宰。52年、第一回現代俳句女流賞、平成4年、第26回蛇笏賞受賞。 2004年12月歿。
以下、彼女の自選による句をいくつか引いておく。

 ひとづまにゑんどうやはらかく煮えぬ

 クリスマス妻のかなしみいつしか持ち

 ゆるやかに着てひとと逢ふ蛍の夜

 やはらかき身を月光のなかに容れ

 ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき

 窓の雪女体にて湯をあふれしむ

 ゑんどうむき人妻の悲喜いまはなし

 ひとり臥てちちろと闇をおなじうす

 さくら散り水に遊べる指五本

 山越える山のかたちの夏帽子

 きさらぎをぬけて弥生へものの影

 野の果をずいと見渡す更衣(ころもがえ)

 土瓶より濃き茶出でくる夏の果て

 水すまし水の四隅にゆかず昏る

 忘年や身ほとりのものすべて塵


コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2020 Powered By FC2ブログ allrights reserved.