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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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足もとに降り積む雪を見てをれどさびしくてわれは木などになれず・・・・・・・・・・・・・大西民子
4219-36-w520雪景色③

   足もとに降り積む雪を見てをれど
     さびしくてわれは木などになれず・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大西民子


大西民子は奈良女高師在学中に前川佐美雄に歌を学ぶ。のち木俣修に師事し「形成」創刊に参加。二十数年前に死去。
生別したというより、彼女を捨てて他の女に走った前夫との間の心の揺れなどを心象ふかく詠んだ人である。
ネット上では「埼玉の文学・現代篇」に彼女に触れたエッセイがあるので読んでみられるとよい。
以下、歌を挙げておきたい。

   かたはらにおく幻の椅子一つあくがれて待つ夜もなし今は

   帰らざる幾月ドアの合鍵の一つを今も君は持ちゐるらむか

   完(まつた)きは一つとてなき阿羅漢のわらわらと起ちあがる夜無きや

   夢のなかといへども髪をふりみだし人を追ひゐきながく忘れず

   手に重き埴輪の馬の耳ひとつ片耳の馬はいづくにをらむ

   前髪に雪のしづくを光らせて訪(おとな)はむ未知の女のごとく

   切り株につまづきたればくらがりに無数の耳のごとき木の葉ら

   煽られし楽譜を拾ふ時の間にドビュッシイもわれは逃がしてしまふ

   てのひらをくぼめて待てば青空の見えぬ傷より花こぼれ来る

   伝言板のわが名すばやく拭き消して駅を出づれば木枯しの町

   青みさす雪のあけぼのきぬぎぬのあはれといふも知らで終らむ

   妻を得てユトレヒトに今は住むといふユトレヒトにも雨降るらむか
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今日二月二十六日は昔、昭和11年に陸軍の青年将校が叛乱を起こした「二・二六事件」があった日である。
この頃には太平洋岸に低気圧がもたらす「ドカ雪」が降ることが多く、この事件については何度も記事にしてきたので、
それは遠慮して、大西民子の掲出の歌に因んで書いてみた。

三月中旬になって突然、石川朗という人からコメントが来て、「大西民子の西欧絵画に因む歌」などをお知らせいただいた。アクセスされたい。
この人は大西民子についてWikipedia に作品研究などの記事を執筆しているらしい。 これもご覧になるとよい。

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大西民子の絵画のうた
歌壇、そしてネット上では大西民子の主要なうたは西洋絵画がモチーフだという噂が専らですよ。それを知らずには大西民子は語れない。例えば「かたはらにおく幻の椅子一つあくがれて待つ夜もなし今は」ゴッホ「ゴーギャンの椅子」という具合です。上記URLと更には
http://isikawatamu.typepad.jp/blog/を批判的に読むこと。新しい大西民子論はこれです。
2011/03/16(水) 19:34:05 | URL | 石川 朗 #/2xhchfw [ 編集 ]
ご訪問有難うございます
■石川さま。
ご訪問ならびにコメント有難うございます。
貴HPに私の返信を置いておきましたので、
よろしく。
拙短歌についてもお書きくださいましたが、
ここにコメント二回分まとめて返信とさせて
いただきました。ご了承を。
ご熱心な研究に敬意を表します。
では、また。
2011/03/17(木) 07:48:49 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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