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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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ひと知りて四十年経ぬ萌え立てる君は野の花ムラサキハナナ・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
murasakihanana0111ムラサキハナナ

     ひと知りて四十年経ぬ萌え立てる
        君は野の花ムラサキハナナ・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


例年、四月に入ったら咲きはじめる「ムラサキハナナ」である。
この歌は私の第二歌集『嘉木』(角川書店)に載るもので、自選にも採っているのでWebのHPでも、ご覧いただける。
この歌は、ある短歌結社の全国大会が九州であったときの応募歌である。
ムラサキハナナは、アブラナ科で学名は orychophragmus violaceus というが、別名をショカツサイ(諸葛采)、オオアラセイトウ、花大根などという。
諸葛采は中国での名前で、諸葛孔明に因む命名である。
花大根という名がついているが、大根とは無関係である。
写真②のように、今ではあちこちに群がって咲いている。

gardenムラサキハナナ

種が落ちると、とても強い草で、どこから来たのか、私の方の菜園にも周辺部にわんさと咲いている。
種が落ちる前にこまめに除草をすると群落は減ってくる。
私の歌の「ひと」とは、もちろん亡妻のことである。
紫色の4枚の花弁が「十字架植物」であることを示してはいるが、今では雑草扱いされている野の花であって、私は妻を、その野の花になぞらえたのである。
西洋人ならば、こういう、へりくだった表現はしないが、日本では謙遜が尊ばれる。

hanadaikonムラサキハナナ

この歌を作ったときは、もう十数年以上も前のことになってしまったが、「四十年経ぬ」と詠ってあるように知り合ってから、その頃で四十年も経ってしまったのか、という感慨である。
この頃まだ妻は健康であったし、それから十年以上の歳月が経ってしまった。
やはり文芸作品というのは、思いついたら、すぐに、このように作品化しておくべきものだ。
妻が亡くなった今では、いい思い出の歌になった。

以下、この草を詠んだ句を引いて終る。「諸葛菜」である。

 諸葛菜咲き伏したるに又風雨・・・・・・・・水原秋桜子

 諸葛菜晩年の文字美しや・・・・・・・・角川源義

 諸葛菜死者が生者を走らせる・・・・・・・・和田悟朗

 目つむれば眠つてしまふ諸葛菜・・・・・・・・茂恵一郎

 諸葛菜人に委ねし死後のこと・・・・・・・・福田葉子

 新聞のたまるはやさよ諸葛菜・・・・・・・・片山由美子

 言海のとぢ糸滅び諸葛菜・・・・・・・・南雲愁子

 電柱に夜の雨走る諸葛菜・・・・・・・・西谷剛周

 廃れをる牛舎の中も諸葛菜・・・・・・・・小野塚登子

 鎌倉は木暗し崖(はけ)の諸葛菜・・・・・・・・久保美智子

 諸葛菜われらひもじき日々ありき・・・・・・・・大黒華心

 裾ふれて散り際早き諸葛菜・・・・・・・・中川禎子 


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