
──高階杞一の詩──(3)
高階杞一詩集『桃の花』から
戦争・・・・・・・・・高階杞一
黒板に
私は愛と書く
先生が教えてくださったとおりに
黒板に
私は夢と書く
先生が教えてくださったとおりに
黒板に
私は友達と書く
先生が教えてくださったとおりに
黒板消しはいらない
爆弾が落ちてきて
それらを一瞬のうちに
消す
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高階氏は、この詩を「反戦詩」だと仰言る。
それは、この詩が下記のような企画に乗って書かれたものだからである。
<Poets Against the War 2003.4.22
アメリカの雑誌編集者で詩人のサム・ハミル氏が、イラク戦争反対のため反戦詩のアンソロジーを企画し、世界中の詩人にその企画への参加を呼びかけたもの。集まった詩は各国政府に提出し、戦争反対の意志を訴える。日本では、石川逸子、木島始、甲田四郎、佐川亜紀の4氏がこの企画への呼びかけ人となって、4月15日、参加に応じて集まった287編の詩を政府に提出した。
僕もこの呼びかけに応じて下に記した詩を書きました(2003.4.10)。政府に提出したところで情況が変わるとはとうてい思えませんが、こうした詩の一部でも各国語に翻訳され、少しでも多くの人の目に触れることにより、次に起こるかもしれない無益な戦争を止める、わずかながらも力になりうるかもしれないと思ったからでした。何よりも アメリカの次の時代を担う子供たちに読んでもらいたいのですが、届くかどうか…。
この企画の詳細は佐川亜紀さんのホームページに載っていますので、関心のある方はこちらをご覧ください。>
この詩集の概要は以下の通りである。
発行日:2005年9月30日。 第10詩集。
発行所:砂子屋書房
収録編数:32編
作品制作年:2000年~2004年
表紙及び扉の装画:宇田川新聞
定価:2500円(税別)
「ただドンブラコ、ドンブラコ、と日々の川を流れつつ、その時々の思いを書きと
めてきた。川面には、この五年間の世相や私事のあれこれが少なからず反映
している。それがいい眺めかどうかは別にして」(あとがきより)
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