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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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刹那とは永遠に似て花吹雪/帆に光る風受けて解纜/初虹へ母の願ひは届くらん・・・・・・・・・・・・鈴木漠ほか
鈴木漠四

──鈴木漠の詩──(5)

        連句(ソネット)刹那と永遠・・・・・・・・・・・・・・・・・鈴木漠ほか

     刹那とは永遠に似て花吹雪         小林三千子(花)

      帆に光る風受けて解纜            鈴木  漠(春)
    
     初虹へ母の願ひは届くらん          在間 洋子(春)

      どうにかなるさそつと嘯(うそぶ)き     森本 多衣(雑)



     エアコンを止めて持ちだす渋団扇       香山 雅代(夏)

      カットグラスが棚を占めをり          山名  才(夏)

     たとふれば君の笑顔は樹の香り        宅見 まき(恋)

      忍ぶ恋にもさがない口端            松本 昌子(恋)



     月と来て愁はしげなる影法師              多衣(月)

      傘開ききる紅天狗茸                  洋子(秋)
     
     土瓶蒸し旬の野菜もありつたけ              才(秋)



      孫に絵手紙贈る折ふし                 雅代(雑)

     誰(た)が弾くや琴の音色は浜千鳥           昌子(冬)

      寒九の雨にぬれ船宿り*                 まき(冬)


2004年四月首尾 NHK神戸文化センター おたくさの会
   *寒九の雨。寒の入り九日目に降る雨。豊年の吉兆。
        ソネット抱擁韻=abba/cddc/eff/egg

鈴木漠・編 連句集『ぜぴゅろす抄』2004年・編集工房ノア刊より

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鈴木漠は最近は「連句」に注力している。
彼の編になる連句集も十以上にものぼるようだ。
この『ぜぴゅろす抄』は10集目にあたる。
これには46篇の連句作品が収録されている。連衆は46人にものぼる。
簡単に説明するのは難しいが、連句にはさまざまな制約、約束事があるが、
ここに採り上げた「座」は西欧詩の十四行詩(ソネット)の形式を取ったものである。
ソネットとは四行、四行、三行、三行に分けた計十四行からなる詩の形式である。
古来の連句には、こういう形はなかったが、西欧詩に慣れた文化人によって取り入れられた。
また、この座では「ソネット抱擁韻=abba/cddc/eff/egg」という韻の踏み方も採用されている。
「脚韻」であるから、↑ の説明を参照して、読み解いてもらうと興味も増すというものである。
これも明治以後に西欧詩に倣って取り入れられたものである。
(注)「ソネット」とは中世イタリアに起源をもつ「脚韻定型詩」。ヨーロッパ中に広まり、17世紀初頭のイギリスではシェイクスピアが多作。
19世紀フランスでも、ボードレール、ランボー、ヴァレリーなどが秀作を残した。わが国では立原道造、中原中也などの無押韻ソネットが知られている。
平坦韻、交差韻、抱擁韻など三種の修辞法がある。
詳しい説明はWikipediaで。
フランスのソネット形式については ← の記事を参照されよ。

「連句」には色々な形式がある。「歌仙」「半歌仙」が主なものだが「二十韻」「百韻」「二十八宿」「短歌行」などがある。
ここでは、以下に「短歌行」という一連を引いておく。
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          寒 駅(短歌行)・・・・・・・・・・宮崎修二朗・鈴木漠・松本昌子


     寒駅の玻璃戸うすづく夕陽かな                 宮崎修二朗(冬)
      越年蝶は羽たたむのみ                     鈴木  漠(冬)
     小豆粥幸ほどほどに侘び住んで                松本 昌子(新年)
      昼食(ひる)はタンポポサラダなど如何(どう)?         修二朗(春)
  ウ 東風(こち)吹いて月を笑はせゐたりけり                 漠(春月)
      真珠色せる石鹸玉消ゆ                         昌子(春)
     mer mere頬触れし児の母となる                    修二朗(恋)
      草矢投げては癒す失恋                           漠(夏恋)
     遠花火音なくひらき崩れゆき                        昌子(夏)
      積木のぬしも三代目なる                        修二朗(雑)
     黄菊白菊さらには青き菊もがな                        漠(秋)
      鶸(ひわ)の群れ来る屋上庭園(ルーフガーデン)           昌子(秋)
 ナオ 有明にまぼろしのファド舟も宿も                     修二朗(月)
      今は昔の銅鑼よ汽笛よ                            昌子(雑)
     地球儀をまはす端居の語らひに                         漠(夏)
      ぬつと現(あ)れたる隣家の蝦蟆(がま)                 修二朗(夏)
     文のせて紙飛行機が垣根越え                         昌子(恋)
      幼馴染みのままの夫婦(めをと)で                       漠(恋)
     パソコンに蜜月(ハネムーン)写真取り込まん               修二朗(恋)
      喜怒哀楽の古日記読む                          昌子(冬)
 ナウ 更くる夜の情念さらと細雪                           漠(冬)
      固茹(かたゆで)たまご若者は欲(ほ)り                 昌子(雑)
     花筵軍歌労働歌より知らず                        修二朗(花)
      大漁旗揚げめざせ魚島                            漠(春)

   2003年一月首尾(ファクシミリ) ひょんの会
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(お断り)
7句目の 「mere」の前の「e」の上には、フランス語なので「アクサングラーヴ」という記号が付くのだが、
表示できないので、ご了承いただきたい。
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ここに作品を収録するのに手間が掛かるし、余り多くても退屈だと思うので、今回は、この辺で。


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