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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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ポーランドを守る「黒い聖母」──チェンストホーヴァのヤスナ・グラ修道院・・・・・・・・・・・木村草弥
800px-Kompleks_klasztorny_na_Jasnej_GC3B3rzeヤスナ・グラ僧院
410px-Czestochowskaヤスナ・グラ僧院の黒い聖母

  ──巡礼の旅──(4)

   ポーランドを守る「黒い聖母」──チェンストホーヴァのヤスナ・グラ修道院・・・・・・・・・・・木村草弥

国民の95%以上がカトリック信者であるポーランド。
前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の出身地でもあり、最大の聖地チェンストホーヴァには国内外から多くの信者が訪れる。
人々の向かう先は、ポーランド語で「光の丘」を意味するヤスナ・グラ修道院である。
800px-Jasna_GC3B3ra_260506_01ヤスナ・グラ僧院
ヤスナ・グラ修道院(Jasna Góra Monastery)は、ポーランドのチェンストホーヴァにあり、聖母マリアを祀った寺院として有名であり、ポーランド中から巡礼が訪れる。
ヤスナ・グラの聖母と呼ばれるイコンは奇跡的な力を持つとされており、ヤスナ・グラ修道院の最も貴重な宝とされている。
1382年、オポーレ公ヴワディスワフ・オポルチクに招かれてハンガリーからやってきたカトリックの司教団が建設した。
このあたりでは最も重要とされる聖母マリアのイコンがあるため、数百年にわたって巡礼地となっている。
ヤスナ・グラの聖母は数々の奇跡を起こしてきたとされ、あがめられている。
たとえば17世紀の大洪水時代にスウェーデンに侵略された際、この修道院が包囲された時にも奇跡的に残ったのは、このイコンが守ったからだとされている。
この一件は軍事的には重要ではなかったが、これによってポーランドの抵抗が盛り上がった。
ただしポーランド側は即座に戦局を盛り返したわけではなく、クリミア・ハン国との同盟後にスウェーデン側を撃退することができた。
その直後の1656年4月1日、ポーランド王ヤン2世はリヴィウの大聖堂で、神の母の庇護の下に国を捧げることを誓い、彼女を彼の王国の守護者にして女王とすることを宣言した。

イコン「黒い聖母」の名の通りの褐色の肌は、材質のためとも煤によるものだと言われる。
世界にはいくつかの黒い聖母像があるが、ここヤスナ・グラの聖母は、その中でも最も有名なものとされる。
伝説によれば、このイコンは聖ルカが糸杉の板に聖母マリアを描いたもの。
ある貴族が大金を払ってこのイコンを購入し、ヤスナ・グラに差し掛かった所で急に重くなり動けなくなったことから、聖母が望む地だとみなされ修道院に安置されたという。
また修道院に侵入したモンゴル軍が運びだそうとした際にも、鉄のように重くなったという。聖母の頬に残る傷は、怒ったモンゴル人が刀で切りつけた跡とも。
傷からは二筋の血が流れたとか。
しかし、幾つか奇跡の中でも最も有名なのが、先に書いた17世紀の大洪水時代にスウェーデンに侵略された際のエピソードと言われている。
それは、1655年11月から1666年1月まで、包囲・猛攻を受けながらも持ち堪え、今でも語り草となっている大修道院長の統率によるものだった。
以後、ポーランドは国土の分割の時代には祖国復活、統一の悲願のシンボルとされたのである。

800px-JasnaGC3B3ra_UroczystoC59BciWniebowziC499ciaMatkiBoskiej2005_2.jpg

現在、年間500万人の信者が訪れるが、中でも8月15日の「聖母被昇天祭」には、写真のように多くの信者が広場を埋める。
修道院への道は巡礼者で埋め尽くされ、自動車も飛行機も使わず、遠いところからは何と二ヶ月かけて歩いてくる信者も居るという。
敬虔な信仰心を目の当たりにすると、大国に翻弄されてきた歴史の中で、聖母という一つの希望を求めて絆を固く強めて、戦いつづけてきたポーランドの人々の、
強い心に触れる想いが、しみじみとするのである。

389px-Czestochowa-bazylikaヤスナ・グラ僧院内部

申し添えておくが、ポーランドだけではなく、「カトリック」圏では聖母マリア信仰が盛んなので、どこでも8月15日は「聖母マリアの日」の祭日で休日になるので、念のため。


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