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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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光本恵子歌集『蝶になった母』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
光本恵子

──新・読書ノート──

    光本恵子歌集『蝶になった母』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
                  ・・・・・・・・角川書店平成23年7月29日刊・・・・・・・・・

光本恵子さんとは、もう二十年の付き合いになるが、宮崎信義の「新短歌」誌以来のことになる。
光本さんは長野県諏訪湖畔の下諏訪町に住んでおられるが、出版記念会などで二度ほど、かの地にもお邪魔した。
私の第三歌集『樹々の記憶』(短歌新聞社)には「帯」文をお書きいただいた。
また、私の第四歌集『嬬恋』(角川書店)の合同出版記念会には出席して批評のお言葉を賜った。これについてはネット上でもご覧いただける。

この歌集は、光本さんの第六歌集にあたる。
この本までに出された歌集は『薄氷』 『素足』 『おんなを染めていく』 『朝の出発』 『自由の領域』である。
その他にエッセイ集として『夾竹桃』があり、評論集としては『宮崎信義のうた百首』 『金子きみ伝』 『わたしの骨にとまる蝶』などがある。
1945年、鳥取県生まれ。京都女子大学文学部国文学科卒業。学生時代に宮崎信義に出会い口語自由律「新短歌」に入会。
関西学生超結社「幻想派」「PHOENIXぽえにくす」に参加。昨年亡くなった河野裕子とは京都女子大で同学である。
また、短歌結社「短歌人」の編集者だった高瀬一誌との深い交友、短歌評論家としても色々の著作のある小笠原賢二との交友など歌壇の中での付き合いも深い人である。
現在、口語自由律誌「未来山脈」主宰。

この歌集は2002年から2007年までの歌を収録している。
歌の数が多いので、とても意を尽くした引用は出来ないが、私の目にとまった十数首の作品を引いておく。

 連想し想像し思いめぐらし 決断したら言葉に出してみる

 境遇をかなしまず命を走る 電車はライトを付けて闇をはしる

 フランクフルトから南下する超特急ICEに乗ってアルプスの麓まで

 アルプスの麓の小さな村に到着 迎えてくれるのは青年トーマス

 トーマスは二年前日本の我が家に数カ月暮らしたドイツの若者

 トーマス家は山麓のスポーツ店を営業 イタリア製のズボン購入

          2004年小笠原賢二逝く
 新宿歌舞伎町で一緒に唄った賢二「口語短歌ガンバレ」と言ったまま星に

 けんかはしないと決めて旅に出た ちょっと疲れたのか不機嫌なふたり

 ネーベルホーンここで死ねたら本望と君は五十分のパラグライダー飛行

 義母も実母も病のまんなかにいてわたしは右往左往

 長い指でしたね 白い骨はからからと空に飛び立つ

 「けえちゃんけぇちゃん」よろける足で赤碕駅まで送るという母

 ふるさとよ海や丸石や砂浜の意思で母を守れ 昔約束したように

 あなたの愛に育まれここまできました 母よ母よ力なくわらわないで

 好きだった「荒城の月」を唄うととよ子さんの右手もうたう

 点滴に託すいのちもあり今夜も語らず蝶になって野辺を翔いてる

 砂が跳ぶ水がとぶ蝶が飛ぶゆっくりゆっくり廻る白い風車

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2011/09/27(火) 14:58:38 | | # [ 編集 ]
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