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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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藤田紘一郎『こころの免疫学』・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
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──新・読書ノート──

     藤田紘一郎『こころの免疫学』・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
                 ・・・・・・・・新潮選書 発売日:2011/08/25・・・・・・・・・・

     うつ病も、アレルギー性疾患も――すべてのカギは腸内細菌が握っていた!

     「こころの病」は、脳だけでなく、食べ物や腸内細菌までも含めた、からだ全体の問題だった――。
     この十年で、精神疾患とアレルギー性疾患が二倍以上も増えた理由、脳と免疫系が密接に影響しあうメカニズム、
     セロトニンなど神経伝達物質生成における腸内細菌の重要な役割……
     「こころの免疫力」をつけるための革命的パラダイム。

新潮社の読書誌「波」2011年9月号より 書評を引いておく。
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     脳と腸、どっちがエライか・・・・・・・・・・・・・椎名 誠

 平成一〇年から一三年連続で年間三万人の自殺者をだしている日本は、先進国のなかでもっとも自殺者の多い国、という非常に重苦しい問題を抱えている。自殺の原因はいろいろあるが「うつ」によるものが多いという。国の調査では自殺者の半数近くが自殺する一年以内に精神科を訪れていた。
 これにからんでもうひとつショッキングなデータが提示されている。OECDのデータによると日本以外の先進国の精神病院のベッド数が劇的に減少している。少ない順からいくとオーストラリア、イタリア、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスで、これらの国は全部右下がりに減少の一途をたどっているが、唯一日本だけがほぼ横ばいである。これは日本が「世界一自殺者が多く、精神病患者が増え続けている国」という救いのない現実を示している。
 この本は、このようなデータを駆使し、日本の精神病治療に対する基本的な疑問からわかりやすい解説がなされていく。人間の「からだ」全体の様子を考えずに、一定箇所の治療にむけた投薬偏重におちいりやすい日本の西洋医学を主流にしたやりかたに、かねてからぼくも大きな疑問を抱いていたが、この本は、そのことの危険性を思いがけない視点から分析していき、いたるところで大きくうなずくことになる示唆と刺激に満ちている。
 スペースがあまりないので、そういう事項の一部を紹介すると、たとえば「脳と腸はどちらが偉いか」ということについて深く考えさせられる章がある。「どちらが偉いか」というのはぼくの勝手な解釈だが、ざっとこういうことである。
 わたしたちは飽食の時代に生きているから、おいしい、と思うものをいっぱい食べている。「あれ食べろ、これ食べろ」と脳が命じているからである。けれど脳はその食べ物が安全かどうか常に注意するということはしない。困るのはそれを消化吸収する腸である。腸にとっては苦手な保存料などのいっぱい入った食品添加物などよりもっと腸の健康のためにバランスのいい食物がほしい。しかし栄養価の偏った食べ物ばかりがやってくると腸内細菌のバランスが保てなくなり、人間の体で一番大切な(クスリより重要な)免疫力が落ちて病気になりやすくなる。
 腸にとってありがたい(腸内細菌の増える)食物繊維の摂取量は、日本は世界のなかでもかなり下位にある。ガンやアトピーなどのアレルギー疾患やうつなどの「こころの病」が増えてきたのは、日本人のこの腸内細菌の減少傾向が大きく関係しているのではないか、と、著者はいくつものデータ、事例をもとに説いていく。  (しいな・まこと 作家)

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著者略歴
藤田紘一郎/フジタ・コウイチロウ

1939年、中国・旧満州生まれ。東京医科歯科大学医学部卒、東京大学医学系大学院修了。医学博士。東京医科歯科大学名誉教授。人間総合科学大学人間科学部教授。NPO自然免疫健康研究会理事長。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。『原始人健康学』『水の健康学』『パラサイト式血液型診断』(新潮社)、『笑うカイチュウ』(講談社文庫)、『免疫力を高める快腸生活』(中経の文庫)、『アレルギーの9割は腸で治る!』(だいわ文庫)など著書多数。

「立ち読み」もできる。お試しあれ。

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