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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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渡部兼直詩集『かなカナ』・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
かなカナ

──新・読書ノート── 
    
    渡部兼直詩集『かなカナ』・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
              ・・・・・・・・・編集工房 遊 2011/05/10刊・・・・・・・・・・・・・

      冬のパロディ・・・・・・・・・・・渡部兼直

    すべてを失つた今宵こそ
    ささげたい *
    冬雷になげく女のため
    小春のいのちのため
    蜆川のため
    新内流のため
    はてしなくさまよふ
    なまめく女の幽霊のため
    明烏の
    あさぼらけのため
    とつくりの花瓶に
    風花のひとひらと涙を入れて

      * 西脇順三郎「近代の寓話」1953

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      かなカナ・・・・・・・・・・・渡部兼直

     かなカナの
     かなた
     ハワイアンダンスパアティ
     ものすごい夕焼あび
     なみだとともに
     ほつぺたあはせ
     近年は踊れるクラブすくない
     デスコテクもぴつたりなくなつた
     なぜか
     かなカナの
     かなた
     運河のほとり
     屋上の
     ハワイアンダンスパアティ

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この詩集は奥付を見ると昨年の夏に出ているのだが、私の手元には昨年末の十二月三十一日になって送られてきた。
渡部氏とは三井葉子さん主宰「楽市」の同人として二三度顔を合せたことがあるに過ぎないが、古くからの詩人として活躍して来られたようだ。
この詩集は奥付を含めても50ページという薄いものだが、全部で15篇の作品が、「歴史的かなづかい」で書かれている。
その中から二篇だけ抽出した。
はじめの「冬のパロディ」は、作者の意図とは外れるかも知れないが、東日本大地震・大津波の後の今になって読むと、或る一定の趣があるように見える。
二番目の「かなカナ」は、この詩集の題名として「漢字かな混じり文」としての「日本語」の特性に触れるものがあるかと思って引いた。

この本の巻末に載る著者の経歴を写しておく。

 渡部兼直 わたなべ かねなほ
1931 米子に生まる
`55 早稲田大学文学部国文科卒
`73 「たうろす」同人
`76 「松江詩篇」(紫陽社)
`81 「フェミーナあるいは女性都市」(南柯書局)
`82 「山陰詩人」同人
`94 「夜半翁へのオオド」(編集工房ノア)
`95 「プレヴェル詩集」(同)
`96 「ハワイに死す」(同) 
`03 「楽市」同人
`03 「失はれし女を求めて」(今井書店)
`05 「R.クノオ ひとつの詩法のために」(二言語版、編集工房 遊)
`08 「地球訪問」(編集工房 遊)
`09 「梨の体をしてゐるいくつかの詩」(編集工房 遊)

ここに、ささやかながら抽出して恵贈への返礼としたい。

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追加の修正
もうひとつ、修正です。
南柯書房は南柯書局の間違い。
南柯書局が正。

修正ばかりで、お恥ずかしい。

2012/10/09(火) 19:25:09 | URL | 小林尹夫 #- [ 編集 ]
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