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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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映画『源氏物語─千年の謎─』・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
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──映画鑑賞──

    映画『源氏物語─千年の謎─』・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
       ・・・・・・・・東宝映画─製作総指揮・角川歴彦、監督・鶴橋康夫・・・・・・・・・・・

       紫式部と藤原道長の愛憎物語

     思った以上の出来。キャスティングが役にぴったりハマっていることが大きい。
     話が進めば進むほど“光源氏の空想の世界”と“紫式部の現実の世界”の判別に惑わされてしまう構成もいい。
     豪華な十二単や宮殿の朱が鮮やかで、セットとCGの融合も綺麗だ。
     しかも邦画で、登場人物が多い古典を素材にした割には説明っぽさがない。
     いちいち人名などの字幕が入らないのもいい。
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     源氏を演じる生田斗真は見た目といい動きといい申し分ない。
     真木よう子や田中麗奈といった女優陣も適材適所の演技で文句なし。
     それでもこの映画、情熱を内に閉じ込めた中谷美紀と、冷ややかな策謀家と化す東山紀之によって、
     式部の情念が物語のなかに根を張っていく様がひしひしと語られ、このふたりが物語の芯を押さえて離さない。
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     つまり、この作品の真の主人公は中谷美紀・紫式部と東山紀之・菅原道長といえる。
     そして真のラストは、式部が道長邸を訪ね、旅立ちの別れをするシーンだ。
     現に、音楽もあの場面を高らかに飾っている。
     数多な制約の中で、式部と道長の別れのシーンに意地を見せたような気がするのである。
     とは言え、エンドクレジットの生田斗真は見栄えしている。
     窪塚洋介が演じた「陰陽師・安倍晴明」などによる呪術と解放なども迫真的である。

この映画の原作・脚本は高山由紀子の同名の小説(角川文庫)に基づいている。
「源氏物語」の作者である「紫式部」と、時の権力者たる「藤原道長」との愛憎をプロットとして、この映画は成り立っている。
これは高山由紀子のフィクションであるが、このプロットによるストーリーが、先ず素晴らしい。
源氏を演じる生田斗真の、今風の美男子ぶりも成功したと言える。
琵琶湖畔に総工費二億円をかけたという「土御門邸」のスケールも壮大で、この邸宅のために切り出した木材は総十トンに達し、
庭園には中国から輸入した総量百トンの白川砂など、CGによらない迫真の仕上がりになっている。

何故、紫式部は「源氏物語」を書かねばならなかったのか──
時の権力者・藤原道長は、娘・彰子に帝の心を向けさせるために、紫式部に物語を書くように命じる。
物語の主人公・光源氏は、宮中の女性たちの憧れの的。義理の母・藤壺への狂おしい想いを断ち切ることが出来ず、
その苦しさゆえに、正妻・葵の上、年上の愛人・六条御息所、癒しの愛人・夕顔と、奔放に愛を求めて彷徨う。
紫式部が綴る「源氏物語」はたちまち帝の心をつかみ、帝と彰子の間に男の子が生まれた。
これで道長の栄華は確固たるものになり、紫式部の役目は終るはずだった。
しかし何故か紫式部は「源氏物語」を書き続けるのだった。
そんな中、道長の友人・陰陽師の安倍晴明は、物語に没頭する紫式部に不穏な気配を感じ始める・・・・・・。
天才女流作家・紫式部の叶わぬ愛が、その物語を綴らせた。

これ以上、多くは書くまい。 余韻の残る、佳い映画だった。 シルバー割引で1000円である。

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