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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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成毛眞『就活に「日経」はいらない』・・・・・・・・・・・・・木村草弥
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──新・読書ノート──      

成毛眞『就活に「日経」はいらない』・・・・・・・・・・・・・木村草弥
                ・・・・・・・・新潮社2011/12/16刊・・・・・・・・・・・・

       就活に出遅れたわが子に、企業人として父として授けた型破りな戦略とは?

       日経新聞は読むな、企業説明会には行くな、OB訪問はするな、大人になるな……。
       親子で編み出した「就活八か条」から、業界や企業の見極め方、面接で窮地を脱する対処法まで、
       見事、内定奪取を果たした体験的実践講座。
       日本マイクロソフト元社長、起業家、書評サイト代表と多才な著者が「企業が欲しがる人になる法」を開陳!

新潮社の読書誌「波」2012/01号に載る書評を引いておく。
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       才能ある親バカが若者に贈る就活戦略        東えりか

 二〇一一年一二月一日、例年より二ヶ月遅れて、二〇一三年春大学卒業予定者の就職活動が解禁となった。ニュースにはダークスーツの学生たちが映し出される。来年卒業予定者の就職率が低いと叫ばれているからだろうか、表情が硬い。
 就職難と言われて久しい。バブルが完全に崩壊したのは一九九五年ごろのことだ。九〇年あたりでピークを迎えた日本経済が、雪崩のように崩れていく様を私は目の当たりに見ていた。その頃生まれた子供がちょうど新卒となる。彼らは「明日はきっと今日より良くなる」と信じたことがないのだろう。ちょっと前ならアルバイトや臨時雇いの派遣職で凌ぐ人も珍しくなかったが、二〇〇八年のリーマンショックで行われた派遣切りを見て、「きちんと正社員として就職しなければ」という強い意識が芽生えたのも無理はない。
 本書は元マイクロソフト社長の成毛眞が、自身の娘が就職するに当たり彼女に授けた虎の巻ともいうべき就活本である。二〇〇〇年に同社退社後、投資コンサルティング会社を設立し、経済の動きを観察してきた「大人」として、である。
 冒頭に書かれた「明日ではなく明後日を見よ」という言葉は、これから就活する若者たちに肝に銘じて欲しいと思う。企業に就職するとはどういうことなのか、本書はまずそこから書き起こしている。「どこでもいいから内定が欲しい」とエントリーシートを出しまくり、企業説明会を巡りめぐる前に読むと、多分気持ちが落ち着くだろう。
 しかし本書は、ノウハウだけを詰め込んだマニュアルとは程遠い。この二〇年、経済のトップを走ってきた人間だけがわかる日本も含めた世界状況の推移から、これからはどういう企業の見通しが明るいか、成毛眞なりの分析がされている。のほほんと生きてきた凡百の大人とは一味もふた味も違っている。娘へのアドバイスとして書かれているとはいえ、それは若い世代へのエールでもある。
 他の就活本と決定的に違うのは、家族で対策を練ろう、というところだ。中学、高校、大学の受験で親が必死になるよりは、子供を社会に旅立たせる最後の親の仕事として就職のための努力が必要なのだと成毛は説く。たかだか二〇年ぐらいしか生きていない人間に、「自分に何が向いているか」などがわかるはずもないではないか。だったら周りの大人を頼るべきである。親を含めた身近な大人たちは味方に付いてあげなくてはならない。
 そのためには大人も学ぶ必要がある。自分たちが辿ってきた高度成長期やバブル崩壊に対して真摯に説明ができなくてはならない。少なくとも、日本が今の状態になった理由ぐらいは解説できるようになりたいではないか。
 過激とも言えるタイトル『就活に「日経」はいらない』は、就職試験マニュアルに必ず載っている「新聞を読みなさい」ということがいかに無駄かを説明する。新聞を読めば世の中の動きがわかるというのは旧人類が唱えるお題目、たわごとであると喝破する。3・11の大震災やその後に起こった福島原発の事故に際して、日本の新聞がどれほどひどいかみんな見ていた。独自で取材したものなどなく、政府や行政が発表した情報をそのまま記事にしているに過ぎない。あのとき、ツイッターやフェイスブックを見ている人と、いわゆるマスコミ発表だけしか知らないのでは、大きな情報格差があった。今流れている情報をどれだけ掴むか、それが問われているのだ。
 もし今、成毛眞が就活生ならどこを選ぶか。これまでの経験を生かして、経済状況や今後の展望を見越して選ぶとすると意外にも保守的な企業にするという。ベンチャー企業を立ち上げ成功させた本人がいうのである。これは聞くべき意見だろう。今を生き抜かなければ未来はない。
 父と娘が練り上げた「就活八か条」は即、役に立つ。短期決戦である就活だからこそ、無駄なことは出来るだけしないに限る。コンパクトにまとめられたこの「八か条」、学生なら失敗しそうなことばかりだ。これを知っておくだけでずいぶんと楽になる。
 こんな父親を持った娘をうらやましいとみんな思うだろう。良い親バカには才能が必要だ。娘に対して精一杯行った成毛眞の親バカを就活生みんなで甘受しようじゃないか。特に読書家で知られる著者が巻末にまとめた「就活に役立つ本」は読んでおいて損はない。面接に役立つだけでなく、社会人になるための手引書でもあるのだから。
(あづま・えりか 書評家)
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成毛眞/ナルケ・マコト

1955年北海道生まれ。中央大学卒業後、自動車部品メーカーなどを経てマイクロソフトに入社、1991年より代表取締役社長を務めて2000年退社。その後、インスパイアを設立。現在は複数企業の社外取締役、顧問などを務める。早稲田大学客員教授。書評サイト「HONZ」(honz.jp)代表。著書に『本は10冊同時に読め!』(三笠書房)、『成毛式実践マーケティング塾』(日本経済新聞社)、『大人げない大人になれ!』(ダイヤモンド社)、『日本人の9割に英語はいらない』(祥伝社)など多数。

「立ち読み」も出来る。お試しあれ。

コメント
コメント
マスターの勤務先は老舗の地味な会社です。
就職時は赤字で、大学の就職課は「そんなところに行くな。」と言って不動産や当時出始めたITベンチャーを勧めました。
それらの「おすすめ会社」は、今は雲散霧消しています。
マスターのような不器用な人間が、移り変わりの激しい会社・業界に勤めていたらどうなってしまったかと今でも思います。
2012/01/22(日) 11:06:36 | URL | 2000円マスター #- [ 編集 ]
私の「読書」は「ゆきあたり、ばったり」です。「人生」も、また。
■マスターさま。
コメント有難うございます。
「就職」にも流行があると思います。
私は他社に勤めたことがなく、自分の家の「生業」である会社を継ぎましたので、
他人に雇われたことがありません。
従って、一般人とは異なった、むしろ異常な人生かも知れません。
人の運命なんて、とても判らないものでしょうね。
では、また。
2012/01/23(月) 06:09:42 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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