
享けつぎて濃く蘇るモンゴル系
ゐさらひの辺に青くとどめて・・・・・・・・・・・・・木村草弥
この歌は私の第四歌集『嬬恋』(角川書店)に載るものである。
よく知られていることだが、いわゆる「モンゴリアン」という人種のお尻には尾骶骨の上の方に、特有の「蒙古斑」という青い「あざ」の模様が幼少期には見られる。
大きくなると、それは薄れて見えなくなる。
ハンガリー人なども源流はモンゴリアンと言われているが、その後白人との混血も進んでいるのだが、今でも「蒙古斑」は見られるのだろうか。
掲出した写真はネット上から拝借したもので「白人」のお尻であり、「蒙古斑」とは関係がない。
このように見事にくびれたプロポーションは黄色人種には、ない。
現在の南北アメリカ大陸に渡ったネイティヴ・アメリカンは、ずっと昔にベーリング海峡を渡って辿り着いたモンゴリアンだと言われているが、そう言われているからには、この「蒙古斑」が彼らにも認められるということなのだろうか。
念のために申し添えると「ゐさらひ」というのは「尻」のことを指す「やまとことば」古語である。
お尻というところを「いさらい」と言えば、何となく非日常化して来るではないか。
これは「おむつ」というところを「むつき」と言い換えるのと同様のことである。いわば「雅語」化するのである。
これらは詩歌の世界においては常套的な手段である。
ずっと昔に、うちの事務所にいた子育て中の事務員さんと雑談していて、話がたまたま「蒙古斑」のことになったところ、その人は真顔になって「うちの子には、そんなアザはない」と反論して来たことがある。われわれ日本人はモンゴリアンといって必ず「蒙古斑」があるのだと説明したことである。もちろん人によってアザの濃淡はあるから気づかなくても不思議ではない。
それにしても、掲出の写真の人のお尻あるいはプロポーションのすばらしさは、どうだろう。
この辺で、終わりにする。
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