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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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そのかみの貴公子といふ未央柳黄なる雄蕊は梅雨を明るうす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
FI249257_2E未央柳

   そのかみの貴公子といふ未央柳(びようやなぎ)
     黄なる雄蕊は梅雨を明るうす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第四歌集『嬬恋』(角川書店刊)に載るもので、「未央柳」は昔は「貴公子」として珍重されたらしいが、その由来を私は知らない。
恐らくは、中国の古代の「唐」の玄宗皇帝と楊貴妃の物語に出典があるのではないか、と思われる。
Doblogに居た頃、たまたま、マグ氏が、この花をBLOGにお載せになったので、旧作を懐かしく思い出し、載せてみる気になったものである。

マグ氏の話によると、この花木は、とても強い木で、一度植えるとどんどん大きくなるらしい。私の歌には詠ったものの、私の方の庭には、この木はない。
雨模様の鬱陶しい梅雨の時期に黄色の花が咲く様は、まさに「梅雨を明るうす」るにふさわしい。
特に、写真のように「雄蕊」が黄色くて、長いのが印象的である。

この歌をはじめ、ここに引用した歌群は、残念ながら『嬬恋』自選60首には全部は収録していないので、Web上では、ご覧いただけない。
そこで、この歌を含む一連その他を下記してみたい。

          解語の花 ・・・・・・・・・・・・・木村草弥

   梅雨空にくれなゐ燃ゆる花ありて風が点せる石榴(ざくろ)と知りぬ

   そのかみの貴公子といふ未央柳(びやうやなぎ)黄なる雄蕊は梅雨を明るうす

   おんばこの穂を引抜きて草角力(すまふ)したるもむかし夕露しとど

   目つむれば菜の花の向うゆらゆらと揺れて母来るかぎろひの野を

   桧扇を活くる慣ひはいつよりか一期一会の祇園会となる

   玄宗が楊妃を愛でし言の葉に因める「解語の花写真家倶楽部」

   「解語の花写真家倶楽部会長」の秋山庄太郎きのふ逝きたり

4首目の歌は「自選」60首に収録してある。
この小項目の見出し「解語の花」というのは、唐の皇帝・玄宗が愛妾・楊貴妃のことを、「言葉を解する花」と言って愛玩したという故事に因む。
秋山庄太郎は「女性専科」の写真家と呼ばれた時期があり、女性を専門的に撮る「解語の花写真家倶楽部」というのが実在したのである。
私は写真は下手だが、写真集は好きで集めていたので、この歌になった。私にとっては一時期を思い出させる、懐かしい歌群である。

         ・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

   裸木の蕭条と立つ冬の木よわれは知るなり夏木の蒼を

   <老梅いつぽんあるゆゑ家を捨てられず>我には捨てし老梅がある

   うすべにのゆく手に咲ける夕ざくら父なる我の淡きものがたり

   石ひとつ投げし谺がかへりくる花の奈落の中に坐れば

   洗礼名マリアなる墓多ければ燭ともす聖母の花アマリリス

   月下美人たまゆらの香を漂はす明日ありや花 明日ありや花

   わが妻は函館育ち海峡を越えて蝦夷桜の初花待たむ

   父母ありし日々にからめる縷紅草(るこうさう)ひともと残る崩垣(くえがき)の辺に

   縷紅草みれば過ぎ来し半生にからむ情(こころ)の傷つきやすく

   雷鳴の一夜のあとの紅蜀葵(こうしょくき)まぬがれがたく病む人のあり

   このひとと逢瀬のごとき夜がありただにひそけき睡りを欲りす

上から3、4首目の歌は「自選」60首の中に収録してある。
終りから3、4首目の「ルコウソウ」の歌については、2003年秋の「出版記念会」で、光本恵子氏が、
この歌と私の生い立ちに触れて佳い批評をしていただいた。
この「批評」はWeb上の『嬬恋』のページの「出版記念会」のところで読むことが出来る。
これらの歌群も、私の中では愛着のあるものばかりである。
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掲出した写真は、文中でも触れたが、マグ氏のご好意で借用した。有難く御礼申し上げる。
そのマグ氏も亡くなられて、もう数年になる。ご冥福を祈りたい。 合掌。


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