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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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草弥の詩作品「およつ可愛いや」・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
04_obj東福門院入内図屏風
 ↑ 東福門院入内図屏風(徳川美術館 17世紀)
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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
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──草弥の詩作品──(81)──<後水尾院シリーズ>──(7)
     
     およつ可愛いや・・・・・・・・・・・・木村草弥

     お上(かみ)のお筆下ろしがいつだったかは判らない
     お上は十六歳で即位された
     すでに れっきとした青年である
     三十七人もの子を産ませる後年の精力絶倫さをみると
     この頃 性欲にめざめても当然である

     下々であれば浮世絵春画の交合図などを見て覚えるのだが
     高貴な処にあっては
     男女の仲に手慣れた女官が手引きするなどがなされた

     典侍をつとめていた四辻与津子は
     公家の四辻公遠(きんとお)の娘で
     四辻の字を取って
     「およつ」と呼ばれていた
     お上のお手がつくように配置されたのだった

     お上──三宮政仁(ただひと)親王は
     慶長十六年(一六一一)四月十二日に即位された
     天皇は十六歳 父の後陽成上皇四十三歳である

     お上は「およつ」を可愛がられた
     やがて およつは第一皇子・賀茂宮を
     元和四年(一六一八)に出産する
     このとき お上は二十三歳である
     そして翌年に第一皇女・梅宮──のちの文智女王を産む

     元和六年(一六二〇)徳川和子入内
     元和九年(一六二三)十一月十九日
     和子が女一宮・興子内親王のちの明正天皇を産む

 この頃の主な事件を年表風に記すと こんな風である

 元和九年六月 将軍徳川秀忠上洛 一万石を禁裏に増献
 寛永元年四月 初代京都所司代・板倉勝重歿
 女御和子 中宮に冊立
 寛永三年 将軍・徳川家光上洛
 九月六日 二条城に行幸 幕府より銀三万両献上
 寛永六年七月二十五日 紫衣事件の結果 近習の公家ら配流
 十月十日 家光の乳母・春日局参内
 十一月八日 後水尾天皇にわかに譲位
 同九日 中宮は東福門院とあらためる
 この年 禁中で立花が流行
 寛永七年七月三日 後水尾院母・中和門院歿
 九月十二日 明正天皇即位

『後水尾院御集』には多くの「恋」の歌が載っている。
堂上和歌に於いては、ものに寄せて詠まれるもので、今の短歌のように即物的リアリズムではないが、
この頃の最愛の「およつ」御尞人であるから、まんざら違和感があるとは言い切れないので、こんな歌を引いておく。

            初恋
   末つひに淵とやならん涙川けふの袂を水上にして

   今日ぞ知るあやしき空のながめよりさは物思ふ我身なりとは

   萌え初むる今だにかかる思草葉末の露のいかに乱れん

            見恋
   我にかく人は心もとどめじを見し俤の身をもはなれぬ

   人にかく添ふ身ともがな見しままに夢も現もさらぬ面影

            且見恋
   忘られぬ思ひはさしも浅からで浅香の沼の草の名も憂し

   思ひのみしるべとならばたのめただ哀あやなき今日のながめを

            誓恋
   たのまじよ言の葉ごとの誓ひにて中々しるき人のいつはり

            契恋
   別れてはよもながらへじ憂き身をも思はぬ人や契る行末

   心ならぬさはりあらばと此の暮を思ひ入るるも思ふにはうき

   たのまじよ言よく契る言の葉ぞ終(つひ)になげなる物思ひせん

   此の暮をまづ契おけ命だに知らぬ行衛はあやな何せん

            不逢恋
   いかさまにいひもかへましつれなさのおなじ筋なる中の恨は

   つれなさの心見はてて今更に思へばおなじ身さへくやしき

   あればありし此の身よいつのならはしに夜を隔てむも今更に憂き

             惜別恋
   あくる夜の程なき袖の涙にや猶かきくらすきぬぎぬの空

   とどめては行かずやいかに我こそは人にのみ添ふ今朝の心も

   くり返しおなじ事のみ契る哉行きもやられぬ今朝の別れに

   誰がための命ならねど思ふにも見はてぬ夢の今朝の別路(わかれぢ)

             後朝恋
   身に添へて又こそは寝め移り香もまださながらの今朝の袂を



   
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