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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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三井葉子句集『栗』・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
栗

──三井葉子の詩・句──

     三井葉子句集『栗』・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
          ・・・・・・・・洛西書院2012/06/30刊・・・・・・・・・・

三井葉子さんはベテランの現代詩作家なのだが、平井照敏に勧められて「俳句」も作っておられる。
その師匠の、平井照敏は先年亡くなったが、ゆかりの句会が首都圏であれば、喜んで出かけられるという。
第一句集『桃』は、このプログでも採り上げたことがある。
<俳句は世界中で一番短い詩である>とは、平井照敏の言葉である。彼自身も、もともとは詩人だったが、感化されて俳人となった人である。
加藤楸邨の「寒雷」誌の編集長などを務めた。
私は彼の編集になる 平井照敏編『新歳時記』全5巻(河出書房新社)1989年初版 を愛用している。
私は以前入っていた同人誌の関係で、彼ゆかりの俳人・岡井省二(故人)などと知り合ったこともあって懐かしい。
以下、今の時期の句をいくつか引いておきたい。

     切れ切れのまにこそ蛍とびにけり

     氷菓子媼が掬ふ匙白し

     夏の浜行きちがふ波無量波

     ひとり寝は頼りなけれど半夏生

     帯の間にぶんぶんはつみ帰る朝

     石門に濡れ髪が待つ晩夏かな

     めんそーる くちびるに塗るむなしかり

     賤しきをあきらめてカニ横に這ふ

     雲湧きて鯨一族空を行く

     蜘蛛の子や破れ目を逃げるはじめかな

     菊喰らひ おや まあ肥えて子蛞蝓

     呼んだとて応ふるものか立葵

     止まらざる時止めむとか あぶら蝉

     落鮎や胎は子孕むあぶらにて

     夏草や長けし子眺め飽きずゐる

     それならば畦豆も播く夏の畔

     星は無機 なれど恋かな別れかな

     あら おぼろ 月に背中を見せて寝る

     蝶がとぶなぜ飛ぶのかを知りたさに

     こそばゆとのばした肢を摺るてふてふ

     人殺(あや)むちからのごとき花芯かな

     億年と言へばしづかな安堵かな

     ではまたね そろりと別れバスに乗る

     五十にもなる子と頒かつ青菜かな

     情動や どれみふあそらと柳絮とぶ

     良き子持ち栗の渋皮剥く夜かな

掲載順に選んだが、季節は春から秋へと亘っているし「無季句」もあるようだ。
「一字アキ」などの試みもあり、面白い。真っ当な俳人からは邪道と呼ばれることもやってみてもらいたい。
ただし、切れ字「かな」の安易な使用にはギモンが残る。


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