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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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草弥の詩作品「ひよどり越え──お春の巻」・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
Griechen31.png
↑ 古代ギリシアの壺の絵つけ

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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
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──<後水尾院>シリーズ──(27)

      ひよどり越え──お春の巻・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

     あたたかくなってきた
     お春は その名の通り 春が好きだった
     まして お上に呼ばれて いそいそとやってきた
     
     <ぬくうなってきたからナ
      お春の お得意の
      ひよどり越え を所望してみよう>

     と お上が呼ばれたのである

     ひよどり越え とは
     今どきの言葉で言えば 後背位である
     これは『平家物語』の一ノ谷の戦いで
     背後の山越しに後方から攻撃をかけたのに見立てたのだ
     因みに
     古代ギリシャの喜劇『女の平和』には
     「チーズ削りの上の雌ライオン式に立ち」というせりふがあり
     この体位だと 言われている

     もっとも お上は 繋がるまでに
     口吸い に始まり 
     豆なめ と続き
     お上の一物への 尺八などを
     お求めになって 徐々に
     ご気分を高めてゆかれた

     <貴(あて)も もう齢じゃからのう>
     と仰言(おうせ)られたが
     秘め事では お元気そのものであった
     ただ いろいろと趣向が多いのである

     この体位では 
     乳房や乳首 尻なども 空いている手で
     思い通り 愛撫することも出来る

     お上は 知識旺盛であられたから
     お春を相手にしても
     寝物語りに こんな話をなさった

     <『日本書紀』という本にはのう
      イザナギとイザナミの神さんが
      鶺鴒(ニハクナブリ)が交尾する様をみて
      子を成す方法を知ったとあるのじゃ>
     と 薀蓄を披露されたりした

     こんな伝説のため 古来日本では
     結婚と鶺鴒の縁は深く
     セキレイは結婚と交接を象徴する鳥となっている

     人間の場合 生物学的に様々な性交体位を取ることができる
     男性が女性の上から被さる形の正常位が一般的と考えられるが
     哺乳類のほとんどは雌の後ろから雄が覆い被さる後背位である
     人間以外では ピグミーチンパンジー(ボノボ)や
     オランウータンが正常位による交尾を行うことが知られている
     コンドームメーカーのDurex社の調査によれば
     世界で最もよく行われる体位は騎乗位で全体の29%
     続いて後背位が28% 正常位(正しくは対面男性上位)が20%となっている
     現代日本では 正常位が一般的と考えられているかも知れないが   
     実は 後背位が日本古来の姿だったと考えられている

     男性が女性との結合部や肛門を眺めながら深い挿入を行える体位でもあり
     腕が自由になるので女性の身体を摑みながら腰を使いやすい
     いわば 挿入のためだけの体位 と言う面もあろう
     膣口が背中側に近い下付き女性にとっては楽な姿勢だ

     古くは「枕を交わす」「情を交わす」といった奥ゆかしい言葉を使った
     「肌を合わせる」「体を重ねる」なども そうである

     お春のような 床上手な遊女は 
     お上にとっては 師匠のようなもので
     技(わざ)には疎い禁中の女たちを相手にしておられる お上には
     目からウロコのような 秘戯を たくさん覚えられた

     薀蓄ついでに 世界での言い方を 披露しておこう
     ラテン語 - coitus more ferarum(「動物のやり方」)
     英語 - doggy style(「犬のやり方」)on all four(「四つ足で」)from behind(「背後から」)
     フランス語 - levrette(「グレートハウンドの雌犬」)
     イタリア語 - pecorina(「小さい羊」)
     オランダ語 - hondjeshouding
     インド 『カーマ・スートラ』 - 「牛の結合」   などと言う

     お上は あらためて 挿入され
     お春の きんちゃくの締めも
     ますます 具合が良くなり
     お春の腰を抱いて 
     獅子のように 咆哮して 精を放って
     果てられた

のちに後水尾院は詠まれた

   <花よいかに身をまかすらんあひ思ふ中とも見えぬ風の心に>





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