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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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詩誌「芸術と自由」No.288より藤原光顕、梓志乃の歌・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
芸自

──藤原光顕の歌ほか──(10)

   詩誌「芸術と自由」No.288より藤原光顕、梓志乃の歌・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
              ・・・・・・・2013/05/01刊・・・・・・・・

敬愛する梓志乃さんの主宰する標題の雑誌が届いた。 その中から二つを引いておく。

   風に紛れて      藤原光顕
奥海印寺太鼓山とは丘の上 一日はまず下りる方へ始まる
いつまでもこんなかたちで生きているような気がしてストーブの前
二月は壁のあんなところに陽がさして埃があんなに光ったりする
風に紛れて葉書一枚ポストへ落とす この冬の悔いとなるのか
棒読みのように神の恵みを説き統ける女 こんなにきれいなのに
逆に曲がった筈のおばさんが前を行くそんなの有りか 気分はありだ
ひとすじの風がいっしゅん春のようでうっかり角を曲がってしまう
とりたてて旨いものではないけれど庭の蕗の薹の味噌和えである
急力—ブで長岡天神駅に入る電車 ブレ—キの匂いが春になった
次は春の河原町終点 いま覚めたおじさんもいる阪急電車


   懐かしい風景は    梓志乃
夢二・華宵・虹児 昭和モダン忘れられて久しい
懐かしい時代よ 少女の夢のロマンあふれて挿絵展は
大正ロマン•昭和モダン展 夢美術館に華が匂いたつ
挿絵の少女の瞳が蒼い シャイな男の心を捕らえ続けて
「生きていたなら」と昭和男のシャイな眼 風の便りさえ無い
ロマン夢見た少女時代 懐かしむほどに老いてゆく
ファシズムの重い闇を背に挿絵の少女の大きな瞳は何を見た
心ばかりが夢を見る 激動の昭和物語を語る人老いて
昭和の時代を駆けて逝ってしまった 淡い思慕よりあわい想い残して
一つの時代が逝くとき人は何を思うのだろう激動の歴史の果て
戦争の語り部たちが逝き物語は美化されてゆくのか
新しい世紀も四世紀すぎた 今再びの時代の動きの危うさ
戦争を知らぬ世代が国を操る ひそかに改憲のテープが切られる
文明の限りない奢りを吿発せよ ボタン一つの戦争 歴史の闍
冬が終りを告げない 風は語らない 時代は波にのまれ北は厳寒

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おなじみの光顕節と、梓志乃さんの時局を鋭くトリミングした歌群である。
いくらかは類型化したきらいが無いでもないが、佳い歌なので、鑑賞されたい。 益々のご健筆を。

歌はスキャナで取り込んだので、どうしても「文字化け」が生じる。子細に修正したが、まだあれば指摘してください。すぐに直します。 よろしく。

「あとがき」によれば、芸術と自由誌の全国大会が今年は8/24~25に奈良で開催されるらしい。
一度覗いてみたいという気がするのだが、果たして、どうなりますか。


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