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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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藤原光顕の歌「世界の秘密」15首・・・・・・・・・・・木村草弥
たかまる

──藤原光顕の歌──(11)

    藤原光顕の歌「世界の秘密」15首・・・・・・・・・・・木村草弥
                 ・・・・・「たかまる通信」No.91/2013.07/01所載・・・・・・・

  この通り抜ければ海が広がっているような白い日傘が五月である

  足が痛い腰が痛い声にするのが効くようでしばらく静かになる

  剥きにくいゆで卵の殻剥いてゆく 午後から何もすることがない

  英語の辞書にでっかいルーペ乗せたまま何を調べていたのだったか

  ふるさとの峠の中ほど購ったまま放ったらかしの墓地があるはず

  ドイツ観念主義の象徴と言ったのは誰 ドーナツは穴も一緒に食う

  図書館は読みたい本がないところ わかっているが確かめに行く

  犯人はこいつと決めてテレビを消す 不運な一人登場してきた

  ベレーの時代。「朝ジャ」の時代。なんとかただのじいさんになって

  捨てた記憶ないまま五十年前の黒いベレーはどこへいったか

  開通した高架バイパス盛況のようでベランダの視野が夏になる

  夕ごとに閉ざす雨戸は億劫だ 雨戸もそうか軋みはじめた

  矢印を辿ってきたのに地下街の尽きるあたりで消える矢印

  政治家という種族一掃した世界夢想するほどの猛暑日である

  夕闇の薔薇 私だけが知らない世界の秘密って何なのだろう

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おなじみの光顕ぶし、であるが、今度の一連はアイロニーが効果的で秀逸である。
それにしても表紙の梅木望輔さんのイラストは何とも言えず、ほのぼのとする佳いタッチ。

ご恵贈に感謝して、ご披露申し上げる。


 
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