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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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俵万智第五歌集『オレがマリオ』・・・・・・・・・・・木村草弥
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──新・読書ノート──

      俵万智第五歌集『オレがマリオ』・・・・・・・・・・・木村草弥
                   ・・・・・・文芸春秋社2013/11/29刊・・・・・・・・

この本は俵万智の久しぶりの新刊である。
ご存じのように数年前に彼女はシングルマザーとして息子を産んだ。
彼女の両親が仙台在住なので、息子を育てる手数の多くを両親に頼ってきた。
3:11の日、彼女は東京の新聞社の歌壇の歌の選者として東京に居た。 そこで東日本大震災に遭ったが四日間、息子とは連絡がとれなかった。
ようやく仙台に戻ったが友人たちから放射能の怖さなどの聞き、西へ西へと逃げ、友人の住む沖縄の石垣島に辿りつき、今はそこに定住している。
都会っ子だった息子が八重山の自然に触れて、のびのびと育つのを見て、来てよかったという心境らしい。
そんな彼女が今回の発刊にあたって話している動画などがあるので、先ず、それをご覧いただきたい。 ↓

本の話WEB自著を語る

後半では、収録された341首のなかから12首を選んで載せられている。
これらの歌は彼女自身の選になるものだから、この歌集を要約したものだと言えよう。
その12首を再録しておく。

  まだ恋も知らぬ我が子と思うとき「直ちには」とは意味なき言葉

  子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え

  「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ

  「ケンカしちゃダメ」と言いつつおさな子は蝶の交尾をほぐしておりぬ

  旅先の君を思えばケータイの画面に届くイルミネーション

  ストローがざくざく落ちてくるようだ島を濡らしてゆく通り雨

  抱っことは抱きあうことか子の肩に顔うずめ子の匂いかぐとき

  「おかあさんきょうはぼーるがつめたいね」小さいおまえの手が触る秋

  開花宣言聞いて桜が咲くものかシングルマザーらしくだなんて

  ゆで加減繊細すぎるパスタなり君の心の芯を残して

  愛よりもいくぶん確かなものとしてカモメに投げるかっぱえびせん

  エレベーター八階ぶんの口づけを監視カメラに残す新宿


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