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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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藤原光顕の歌「背伸びして」 「その辺で」計25首・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
藤原①
 ↑ 「たかまる通信」No.93 2014/01/01刊

──藤原光顕の歌──(14)

     藤原光顕の歌「背伸びして」 「その辺で」計25首・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

           「背伸びして」15首・・・・・・・・・・・・藤原光顕

   お世辞も言うし憎まれ口もたたくへんなじいさんまであと一息だ
   花を買った啄木など思い 隣席の素早い指の動き見ている
   おどろかないで私ですよ そんな出会いがありそうな秋風である
   ふりむけば昭和の街で 神戸の秋をスカートで来る妻がいる
   もう秋やね トイレットペーパーの芯持って機嫌よく朝へ出てくる
   黙って雲を見ている横顔 淋しければ淋しいと言っていいんだ
   背伸びして背伸びして生きているのにまた身長が4ミリ縮んだ
   やさしい顔に誑かされていたのかも 紅葉の裏が寒い日の暮れ
   あれから何年になるか 見せびらかすように杖をついた秋があった
   あの人は自転車を押して歩いている ひと月ほども経って気がつく
   飛行機雲うすれるほどの刻過ぎてまだ坐っていた公園のベンチ
   都心が好き雑踏が好き人工庭園の風のコスモス八歩で終わる
   捨てる何か 拾う何か 乗換の須磨駅でしばらく海を見ている
   数本の木立が「阿弥陀堂前」でまもなくニュータウン終点です
   山裾のあの陽だまりから六十年 故里のなつかしさで初冬が来る


藤原②
↑ 「芸術と自由」No.292 2014/01/01刊

        「その辺で」10首・・・・・・・・・・藤原光顕

   秋はこんな狭い町にも知らない道があってまた行き止まる
   秋雨の一日かけたジグソーパズル ささやかな花舗開店させる
   マラソンの横浜は晴れ あの街のどこかに山口利春 老いる
   人生に i f はないという わかっているさと時雨へ出ていく
   秋刀魚一尾たいらげて買い忘れた大根のことなど何をいまさら
   金木犀の角を曲がればゆるい坂 古い時間へ踏み入るほどの
   凩一番が吹きすぎた停留所 まだ乗ったことのないバスが出ていく
   カレンダーを掛けた画鋲がまた落ちる重たい月日みたいではないか
   秋雨は三日続く 雨の向こうはたぶん雨よりうっとうしい
   電脳の中<アラエイ>もちゃんといて その辺で秋の一日暮れる
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同時に、昨年の大晦日に到着した二冊である。
いつもながらの「光顕」ぶし、である。
藤原さんには、長年住んだ神戸の土地が懐かしいらしく、時々は電車で行って、訪れているらしい。
今号の表紙を飾っている梅木望輔との思い出がこもる土地でもある。
そんな感慨が、前者の連作の中に、ある。
ご恵贈に感謝して、ここに採録しておく次第である。 向寒の折から、ご自愛を。




  
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