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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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高山れおな句集『荒東雑詩』 『芸術新潮』 『大英博物館・春画』 『新撰21』 『富士山の文学』など・・・・・・・・・木村草弥
れおな
 ↑ 高山れおな第二句集 沖積舎2005/08/17刊
藝術新潮
↑ 芸術新潮2013/12月号
春画_0001
 ↑ 大英博物館所蔵「春画」平凡社2010/10/25刊
久保田
↑ 久保田淳「富士山の文学」角川ソフイア文庫2013/07/25刊
新撰
↑ 「新撰21」邑書林2009/12/23刊

──新・読書ノート──

     高山れおな句集『荒東雑詩』『芸術新潮』『大英博物館・春画』『新撰21』『富士山の文学』など・・・・・・・・・木村草弥

先に採り上げた俳句雑誌「クプラス」発行人・高山れおな関連としてアマゾンから買い求めた中古本である。
ただし、平凡社の本は高山れおな に直接関連はないが、大英博物館所蔵の「春画」にどんなものがあるのかと思い、引いてみた。
私の蔵版・浮世絵春画のレプリカのいくらかが存在するので、その参考にするためである。
私の蔵版は、当時は日本国内の取り締まりが厳しかったので、海外で印刷されて日本国内に持ち込まれて発刊されたものである。
大英博物館でも、これらの絵は大っぴらには公開されて来なかったもののようであり、隔世の観がするのである。
「芸術新潮」の雑誌にも、「編集者」として高山れおな の名前が明記されており、彼が編集者として現役の最前線で活躍していることが判る。
この雑誌にも、平凡社の本にも大「口絵」として出ている浮世絵は、とても美しい。まさに日本の宝である。
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さて、高山れおな第二句集のことだが、すべての句に「まえがき」などがつく、極めてブッキッシュな、ペダンティックな編集ぶりである。
彼は荒川のほとりに暮らしているらしく、だから永井荷風が書いた本などに因んで、「荒川」の東に住む者の謂いで「荒東」という造語に至ったらしい。
「西葛西地誌」という連作の形で、例えば

      西葛西地誌 その二十七 葛西橋
      文明・波郷の葛西橋からは三百メートル南、別の世界に架かる別の橋だ。

   ゆりかもめ日に日に百重仏塔へ

      西葛西地誌 その二十八 源心庵庭園

   寒鮒や阿の声みつる水かがみ

で終わりになっているが、「まえがき」「句」ともに、引用される地誌や原本に対する知識がないと、容易には判らないディレッタント的な本づくりになっている。

      いちどだけ鬼房の姿を見たことがある。
      <老妖精シーオーグその夜うたげにあらはれて俳諧を説けど風に紛れつ>

   詩学の兄火遁の姉と朧なり

      <これの世の五年目の朝に斃れしは電気炊飯器愛称ハンス>

   のり汁や西を眩しき雲の行き

      とめどなく遠ざかる大きな町。日没処。

   犀省二河馬稔典とわかくさ食ふ      

「まえがき」が短歌風になっていたり、する。
「犀」というのは犀が好きだった岡井省二のことであり、「河馬」とは河馬を好きだった坪内稔典を指すのだろう、と私にも知識があるところは判る。

      浄瑠璃果てて後、五島高資、岡田秀則、神野紗希と合流して句会。
      句座へ移る道々、猫じやらし繁く生ひ出でたるに、狗尾草と同体なるを
      知らざりければ如月真菜にこちたく嗤はれしに、席上に「百」の題を得て、

   百犬図ゑのころ草も添へてある      

一巻すべて、この調子である。
先に『クプラス』で見た「ロンドン秋天」の一連なども、この句集の編集ぶりを見ると、よく判る、というものである。
別のところで彼が書いているように、彼の句は、極めて「機会句」の句づくりになっていると言うべきだろう。
最近の岡井隆の詩歌の作り方なども多分に、そういう傾向にある。
岡井隆にしろ高山れおな にしろ、日常業務が、そのような形に終始すると、どうしても「散文的」「非韻律」的になってゆくのは自然な流れである。

極めて不十分ながら、彼の句集については、このくらいにする。後で加筆するかも知れない。

久保田淳『富士山の文学』は、富士山にまつわるエッセイで資料的にもまんべんなく採り上げてあるが、一般的なエッセイだから、まあ、こんなところだろうと思う。
富士山が世界遺産に指定されたので、その関連として再版されたものであろう。

アンソロジー『新撰21』は、U-40世代21人に百句づつ出させたもので、若手の才能のある俳人を集めた。
ここに載る作品については、歳時記のような形で、折に触れて、このブログでも採り上げて行きたい。



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