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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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村島典子の歌「花の楽土」30首・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
村島

──村島典子の歌──(20)

      村島典子の歌「花の楽土」30首・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
              ・・・・・・・・・「晶」86号2014/06所載・・・・・・・・・・

          花の楽土     村島典子

     星つつむやはらかき雲ゆめに見しきのふの祖(おや)の夢にかあらむ

     あふちの樹切り倒されぬ犬つれて遊びし小さきお山もさびし

     栴檀の樹はつつましく立ちゐたりあはあはと甘き香を漂はせ

     あしひきの憶良・旅人のなげきさへ時間のそとぞと春の雨ふる

     あふぐたび旅人の妻を思ひけりあふちの花は今年は咲かぬ

     寒の戻りし日暮ま直ぐな百合の樹はうすくれなゐの芽をやしなへり

     鴨の糞そこここに残りし沼の辺にもう鴨はゐず早春の風

     寒の戻りの夕空に浮く雲ふたつ眺めてあれば逆立つごとし

     沖縄へ発つと勇みし夫の背はをさなごほどの喜びあふる

     夫ゆきて残りし犬とわたくしとさて留守事になにをせむとや

     いそいそと出かけし一人うきうきと自由を満喫せし一人

     かたくなに抗ふ犬を促してポストまで来つ左様なら手紙

     「老いた親の捨て方」とふ見出しの載りし週刊誌広告欄なれど読み捨てがたし

     「親を捨てよ」はかく明解なことばゆゑアナタマカセの子らよ目覚めよ

     信頼のきはみならむか今昔の姥捨てといふかなしき掟

     老耄のわたしの犬はもう行かぬ春待つ山も鳥鳴く森も

     犬の行かぬ早春の山明るかり犬よ若き日はたちまち過ぎぬ

     二歳なりし犬とはぐれし谷間なりそのま清水に手を浸したり

     早春の山へりんごの荷をひきてから信濃から来しとふりんご売り人

     りんご木箱おまけに貰ふ木の箱は昭和の匂ひ時間のにほひ

     人の名を呼びつつあるく人の名を二度呼びたれば花ふりかへる

     らんまんの春にひきたるこの風邪はインフルエンザB型なりぬ

     頭四肢胸腰なベて痛みたり百叩きとふ刑にやあらむ

     はるあふみお山も里も野も川も花の楽土とひと言ふなれど

     インフルエンザに罹ればこんなに苦しいぞ天道虫にも告げずにをれず

     さくら通り連れ立つひとや犬つれてすずろ歩きをするひとの見ゆ

     五日目に禁忌をやぶり蒼天にほれぼれとさくらさくらを愛づる

     れうらんの花の四月の川筋を風邪(ふうじや)のわれは咳きこみて過ぐ

     いくひらの花びら鳥のまなこもて遊ぶこの世の春の近江に

     喑緑の川さかのぼりらんらんと眼のひかる祖に会ひにゆく
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恵贈されてきた村島典子さんの新作である。
インフルエンザに罹られたようだ。 私が腎臓結石が動いて苦しんでいた頃のことである。
私の持病は、いまも動いて悪さをしている。
村島さんは先日歌集『地上には春の雨ふる』を上梓されたのは、→   ここで紹介した

有難うございました。




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