K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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白子れい「無冠の馬」──私信と抽出歌 / 中島史子──私信「秋華賞の馬を美しさで審査する」
mukannouma (2)
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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
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       白子れい「無冠の馬」──私信と抽出歌

五月はじめと言うのに昨日は真夏日とか、今年ははやくから暑い日が続きます。 お変りございませんか。
此のたびは御歌集『無冠の馬』の御上梓おめでとうございます。
早速お送りいただきありがとうございました。
広い視野、広い行動範囲をもたれた、これらのお作品の数々さぞ御本にまとめられるには大変な御苦労がおありだったことでしょう。
外国にあまり行ったことのない私なんかにまで、よくわかるそれぞれの解説をつけて下さり、本当に読みやすい、そして奥のふかい御歌集との印象を受けながら拝見させていただきました。

  ・白鳥の帰る頃かもこぶし咲き白き刹那を野づらに咲(わら)ふ

  ・沈丁の香の強ければ雨ならむ過去は過去なり今を生きなむ

  ・海鳴りに椿の森の咲き満てり狂ひてみたき月夜なりける

  ・蛍火の消えしかなたに目をやりぬ無音の闇に耳が冴えつつ

  ・些細な嘘が限りなく増殖する午後ぶあつい湿気にどつぷり巻かれ

  ・ペンションの窓より見放くる湖を緋の矢はなちて朝日のぼれる

  ・枯芒刈り取ればかの日吹かれたる風に重さのありと気づきつ

  ・捨てるものまとめて背をまるめゐつ「寒いね」と交はす声が白いよ

  ・夢すべて池に沈めて蓮枯るる通天橋背に冬ざるるかな

  ・寒椿耐ゆる美徳を亡母訓ひぬ耀ふ花のはつか匂ひて

  ・亡き父の五十回忌に集ひたる族にただよふ金木犀の香

  ・和紙綴りの帳簿に見ゆる父の筆墨痕鮮やか達筆にして

  ・わたくしは朝型にんげん 早朝はすいすいすいと仕事が捗る

  ・謡曲の月宮殿に因みたる所望は鶴と亀とが踊る

  ・からくりの郭巨が持てる鍬の柄にはらりはらりと時雨さしぐむ

  ・生きたきは平均余命にて充分とうつしみを割く術は拒みつ

  ・妻に効く抗癌剤求め尋め来たる某ガンセンター丘の上にあり

  ・点滴も服用薬もなし自前なる免疫力で妻は生きる

  ・桜ちる頃に死にたる母と妻、お供にと母が連れたまひけむ

  ・とことはに幽明を分くる現し身と思へば悲し ま寂しく悲し

  ・けふ一と日誰とも言葉交はさざりき初夏のゆふべを小綬鶏の鳴く

  ・さまざまの過去を抱きて来し人ら菜の花の黄に鈴鳴らしゆく

  ・あららぎの丹の実光れる櫟坂は寧楽と山城へだつる境

  ・刻々と<刻>は進むがカレンダーはもう見ないでよ無明のうつつ

Ⅰ 無冠の馬、 Ⅲ 幽明 からとりあげさせてもらいました。
作者独得の眼で見、独得の捉え方をされ、独得の表現をされている、これらのお作品、くり返し拝読しても胸をうたれました。
Ⅱ テラ・インコグニタ の章からも引きたいと思ったのですが、紙面の都合もあり今回は省かせていただきました。
本当に私なんぞの及びもつかない広い世界、ふかい世界に生きておられるお姿が、まざまざと眼の前にうかぶ素晴らしい御歌集でした。
またグループの皆にも紹介して一緒に学ばせていただきたいと思って居ります。 (後略)
     五月三日                白子れい(「地中海」洛東グループ長)
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      中島史子・私信「秋華賞の馬を美しさで審査する」

うかうかと過ごしている間に葉桜。 牡丹も咲き急いでいるように思われます。
昨日、『無冠の馬』届きました。
セントサイモン、こんな馬がいたのですね。
実は、一昨年、昨年と京都競馬場へ参りました。
「秋華賞」に出走する馬を、美しさで審査する委員になったものですから、競馬場という場所に初めて足を踏み入れましたが、美しい馬の姿に圧倒された次第です。
少し馬に興味を持ったところに、この歌集。 早速拝読いたしました。

性は生、生きる力をしみじみ感じました。 エロをエロスで踏みとどまらせるのは、深い教養。 毎回ながら拍手です。
チューリップの花のひとひらがゴッホの耳に見えたり、女神像にマルローの影を思ったり、大変面白く興深く読みました。
奥方様の看取り、これはもう言葉にできません。  (後略)





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