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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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鈴木漠・編 詩と連句「おたくさ」 Ⅱ─17・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
おたくさ

──鈴木漠の詩──(9)

       鈴木漠・編 詩と連句「おたくさ」 Ⅱ─17・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

    非懐紙十八韻──尻取り押韻

      半仙戯     ─安丸てつじ追悼

  気も休まる鉄人が摇る半仙戯       鈴木 漠(春)
   詮議空しく陽炎の中           土井 幸夫(春)
  仲良しの約束のごと桃咲きて      在間 洋子(春)
   機転利かせる言葉優しき       三神あすか(雑)
  甃石に月光跳ねる雨上り         森本 多衣(月)
   ガリア戰記をひもとく爽涼          山名 才(秋)
  諒として菊の酒酌む恋支度       三木 英治(秋恋)
   謫所暮しも妻居らばこそ         梅村 光明(恋)
  こそばゆく甘ゆる子等の有難き      赤坂 恒子(雑)
   焚火囲んで校歌斉唱               洋子(冬)
  声明の木霊に堂宇冷え冷えと          幸夫(冬)
   エトランゼなり何時も何処でも          多衣(雑)
  デモクラシー説きつつ啜る心天         あすか(夏)    (注)心天─ところてん。
   紅娘は秀つ枝飛翔ち               英治(夏)     (注)紅娘─てんたうむし。秀─「ほ」と訓む。
  立稽古運筆作家の謝罪から            光明(雑)
   絡繰りのやうぎこちなき礼             恒子(雑)     (注)絡繰り─「からくり」と訓む。
  醴泉の花のみ寺の開帳を          永田 圭介(花)
   魚島あたりなびく 靡き藻             執筆 (春)

二〇一五年三月首尾 (ファクシミリ)おたくさの会 X 海市の会
* 安丸てつじ(1928~2015)おたくさの会同人。2015年2月28日歿。享年八十八歳。
* 半仙戯。ぶらんこの異称。
*尻取り押韻は挙句から発句へ循環回帰。


    蜻蛉

   冬のフルート

  風に聴く冬のフルート終夜灯       中野百合子(冬)
   寝つけぬままに褞袍ひき寄せ      山名 才 (冬)    (注)褞袍─「どてら」と訓む。
  壁も朽ち軋む柱の長屋にて        辻 久々 (雑)
   胡座もかけぬ伸び過ぎた脚      森本多衣 (雑)     (注)胡座─「あぐら」と訓む。
ウ  夕月に日曜大工なほ続く         鈴木 漠 (月)
   瓢箪とても個性とりどり         在間洋子 (秋)
  京の町露地を巡れば火が恋し     中林ちゑ子 (秋)
   手と手をとりて登る坂道         安田幸子 (恋)
ナカ 特許許可と杜鵑啼きくちづけ    三神あすか (夏恋)   自由律   (注)杜鵑─「ほととぎす」と訓む。
   滑舌訓練に汗しとど             土井幸夫 (夏)   〃
  謙るやう青空の熱気球           矢野千代子 (雑)   〃      (注)謙る─「へりくだる」と訓む。
   下界はるか血圧の上がる             久々 (雑)   〃
  囀りを浴び診療所開きます               才 (春)   〃
   ぜんまいの背比べののの•の          百合子(春)   〃
  半眼の石仏に舞ひ散る花              洋子(花)    〃
   きみと結ばれる未来であれ             漠 (恋)    〃
ナオ 霍乱を移しし人と差し向ひ          多衣 (夏恋)           (注)霍乱─「かくらん」暑気あたりの意味。
   同伴したきモリエール劇             あすか (恋)
  真ん丸の月見団子に笑まふ月           幸子 (月)
   壷いつぱいに穂薄を活け             ちゑ子(秋) 
ナウ 蟷螂の目と鉢合せ倒け転ぶ          久々 (秋)
   宝籤購ひ運を試さん                洋子 (雑)
  確率論得意の友と花の宴              幸夫 (花)
   畑打つ男女憩ふ遠景                執筆 (春)

二〇一五年一月満尾  兵庫県私学会館  おたくさ連句塾
*蜻蛉。 蜻蛉の四枚羽と胴を摸した新形式。林空花創案の胡蝶のヴァリエーション。ナカ8句は自由律。
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詩人の鈴木漠氏から「おたくさ」誌を賜った。
「オタクサ」とは、「紫陽花」の学名。幕末のシーボルトが愛した女性・楠本タキ─お滝さん、に由来する。
神戸市の市花になっている。
鈴木氏の主宰される「連句塾」の名前に採用されている。
鈴木漠氏のことは今までに何度か、このブログで紹介したが、今回は九回目になる。
連句形式として私には初見の「韻」の連句を出しておく。

はじめに出したのは「尻取り」押韻になっている。
第一句の末尾「せんぎ」が第二句のはじめに「尻取り」になって押韻している、ということで、後も同様の形を取る。
しかも、この連句は「非懐紙」となっており、これは通常の連句は「懐紙」のように「二つ折り」の形式になっているのだが、「非」懐紙の形式だということである。

二番目の連句は「蜻蛉」という形式で、これについては、本文末に解説されている通りである。
おまけに「ナカ」の八句は「自由律」になっているところがユニークであり、連句の堅苦しい形式から超越している。
私などは勝手な人間なので、こういうのは大歓迎である。

もっと引きたいが、こういう形式のあるものはスキャナが複雑で、手間がかかって仕方ないので、この二つを引用するにとどめる。 ご了承願いたい。

──鈴木漠の詩──としてブログに書いたものは、拙ブログ左端の「カテゴリ」に纏めて載っているので、参照されたい。





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