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草弥の詩作品<草の領域>
poetic, or not poetic,
that is question. me free !
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『無冠』の馬評・私信と抽出歌・・・・・・・・・恒成美代子(「未来」会員)
(前略)・・・・・博識家の木村さんの歌の数々、最後の方の「菊慈童めき」のエロスにはお歳を感じさせない迫力がありました。
海外詠が多いのも特色ですが、私にはふだんの木村さん自身を詠んだものに惹かれました。
七十まで現役たりし我のことご苦労様と誰も言ひくれず
午年生まれ ましてや無冠のわれながら馬齢を重ね八十五となる
一日は全ての人に二十四時間 老いはじめるとこれが短い
赤まんま路傍にひそと咲きながら「あなたの役にたちたい」といふ
四首目のような歌があることは幸せです。 ご健詠なさいますように。 かしこ。
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私信と抽出歌・・・・・・・・・・・神谷佳子(「好日」会員・読売新聞京都版歌壇選者)
(前略)・・・・・いつも立派なご本で、十全に表現の技法をたのしまれ、常人にはできないことです。
さっと一読というわけにもまいりませず、先ずは御礼のみ申し上げます。
帯文の文章も大した文章ですね。
*午年生まれ ましてや無冠のわれながら馬齢を重ね八十五となる
文字通り私は無冠のまま八十五(九月にて)を迎えますので、共感いたします。
今、とてもたのしいのです。
仲々読みこなせませんが、つつしんで拝読させて頂きます。
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私信と抽出歌・・・・・・・・・・佐々木則子(「水甕」会員)
新緑のまぶしい五月とにりました。
この度は「無冠の馬」のご上梓おめでとうございました。 (中略)
Ⅰ.の「無冠の馬」より特に心に響いた歌を挙げさせていただきました。
「今を生きて」おられる木村様の力強い生きざまに感銘を覚えております。
どうぞ、いつまでも御元気でご健詠をお祈り申し上げます。
沈丁の香の強ければ雨ならむ過去は過去なり今を生きなむ
チューリップはらりと散りし一片にゴッホの削ぎし耳を想ひつ
午年生まれ ましてや無冠のわれながら馬齢を重ね八十五となる
菜の花が黄に濃きゆふべたはやすく人死につづきせつなくなりぬ
いくばくの蕾を残し山茶花散る置いてけぼりの三輪車ひとつ
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抽出歌・・・・・・・・・・中埜由季子(「歩道」、「賀茂」主宰)
母逝きて巡る忌日に思ひ出づ俯きて咲く片栗の花
長寿が延びますやうにの意なるとガイド氏言へり、合掌して言ふ
聞こゆるは風の音のみ この山に潰えしカーシャパ王の野望は
いとしきは吾妻なれば病める身を看取りてやらな、それが気がかり
点滴も服用薬もなし自前なる免疫力で妻は生きる
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