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草弥の詩作品<草の領域>
poetic, or not poetic,
that is question. me free !
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『無冠の馬』私信と抽出歌・・・・・・・・・・・・・・小林サダ子(「からの」会員)
(前略)
・筆づかひの途切れにも似て一ところ火勢の強き火床が見ゆる
・大文字消えゆくときに背後にはくらぐらと比叡の山容ありぬ
・三香原布當の野辺をさを鹿は嬬呼び響む朝が来にけり
・山の端の羅(うすもの)引きて朝日いづ茶畑の丘の緋の朝ぼらけ
・あしひきの州見の山ゆ見かへれば朝霧のおぼに流るる泉川
・あららぎの丹の実光れる櫟坂(いちさか)は寧楽と山城へだつる境
何と美しい、思考の美しさが読む者のこころに言い難い味わいを残してくれる “州見山” 四首。
このような歌が私には、こよないものとして残りました。このよろこびをいただきましたこと、ありがたきことと存じます。
「大文字」の二首も、あの大景を写し取ることのむずかしさに思わず脱帽でした。
良い風景の中にゆたかにお暮しのお方ならではの作品と存じます。
私も奈良に心ひかれて何年もかけて、何十回も旅をしました。まことに国のまほろばですもの。
ありがとうございました。
これからも、どのような歌を作られますことか、楽しみに拝読させていただきます。 (後略)
六月十九日 小林サダ子
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