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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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稲刈つて飛鳥の道のさびしさよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・日野草城
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      稲刈つて飛鳥の道のさびしさよ・・・・・・・・・・・・・日野草城

この頃は米の栽培も超早場米、早場米などが出てきて8月になると、もう新米が市場に出回るようになってしまった。
九州に行くと、たとえば宮崎県などではコシヒカリの品種ものの稲刈りが8月下旬には、みな済んでしまって一面稲を刈り取った後の風景が見られる。
日本の風土には「米作り」が一番合っているようで、農家の年間の稲作従事日数は、あらゆる作物の中で最短だという。
だから出来れば、みな米を作りたいのだが、米の消費量の減退などで米余りの状態で国として「減反」政策が取られている。
おそらく、殆どの人が稲の花の咲くのは見たことがないだろうと思うので、写真②に掲出しておく。
この写真から更に完全開花の状態に進む。
sum2稲の花
「陸稲」(おかぼ)という畑で栽培する米もあるが、おいしくないので、米といえば「水稲」のことをいう。
名前の通り水管理の出来る水田で栽培する。写真にはないが水を張った田に稲の苗を「田植え」する。
今では「田植え機」でやるのが普通。
米作りには、田に水を張ったり、水を遮断して田を干上がらせたり、と水の管理が大切で、「穂水」と言って出穂期には水をたっぷり張ることが必要である。
水管理も今は地下水をポンプで汲み上げたりするので楽である。

photo-2コンバイン
地域によって農家の栽培面積に違いがあるので一概には言えないが中程度の規模になれば写真③のようなコンバインを使用する。

もちろん「手刈り」にこだわる小規模の人もあるだろう。棚田などでは手刈りしか出来ない場合もある。写真④に「棚田」の稲刈り風景を紹介しておく。
47棚田

ついでに言うと、この頃では「棚田」の「景観」としての保存を主義としてボランティアで推進してゆこうという運動があり、一定の成果を収めているようだが、
棚田は急斜面に石垣を積んで狭い田をいくつも作るという重労働であって、採算面では全く割りに合わない農法である。
そういうボランティアの人々の意思と情熱がいつまで保てるかが「棚田」の運命を決めてしまうであろう。
こういう棚田では、ボランティアも年間を通じて労働に従事できるわけではないから、田植えとか稲刈りのシーズンに顔を出すくらいで、
後の年間の管理は地元の農家にお願いし、その代りに年間なにがしかのお金を拠出して経費に当てるという方法が採られている。
写真④の棚田の場合も刈り取りには手押しの「バインダー」という刈り取り機が使われている。
写真では、まだ刈っていない稲がS状に残っているが、周囲から、ぐるぐる廻るように刈ってきて、真ん中の部分がS状に残ったもので、
人がこちら向きに立っているのが、バインダーという刈り取り機を押して、こちら向きに刈ってくるのである。
ひと束分になると、麻紐で自動的に結束して、脇にバサッと投げる。結束された束が田の全面に見えている。そういう風景である。
写真④は、畦に彼岸花が赤く咲いているのも見てとれる。

rice19稲
写真⑤には、田に生えている稲の株をご覧に入れる。
この株も田植えをしたときは1~2本に過ぎなかったのが「分蘗(ぶんけつ)」して20~30本になるのである。
この辺のところに「物つくり」の面白さがあるのだが、現代人には、言ってもムダか。

以下に俳句に詠まれたものを紹介するが大半は今では農作業として見られないものである。
腰まで浸かるような湿田での稲刈りも今では灌漑施設が整備されて水管理が自由に出来るようになり、風景としても見られない。
句を読まれる前に一言申し上げておく。

 待ちかねて雁の下りたる刈田かな・・・・・・・・小林一茶

 順礼や稲刈るわざを見て過る・・・・・・・・正岡子規

 婆ひとり稲穂に沈む鎌の音・・・・・・・・石川桂郎
 
 水浸く稲陰(ほと)まで浸し農婦刈る・・・・・・・・沢木欣一

 稲を刈る夜はしらたまの女体にて・・・・・・・・平畑静塔

 太陽に泥手あげ稲刈り進む・・・・・・・・落合水尾

 孕れば腰立て勝ちに稲を刈る・・・・・・・・福田紀伊

 田より夕日を引き剥すごと稲を刈る・・・・・・・・細谷源二

 稲刈の海に出るまで雄物川・・・・・・・・森澄雄

 疲れ来て田舟にすがる深田刈・・・・・・・・吉良蘇月

 稲架の上に乳房ならびに故郷の山・・・・・・・・富安風生

 稲架の間に灯台ともる能登の果・・・・・・・・水原秋桜子

 稲架が立つ因幡の赫き土にして・・・・・・・・辻岡紀川

 架稲も橘寺も暮れにけり・・・・・・・・日野草城
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掲出句と引用の最後の句は共に草城のもので、おそらく同じ吟行の時期の作品であろうと思われる。




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