
↑ サン・レミ聖堂内部

↑ サン・レミ聖堂後陣

サン・レミ聖堂礼拝堂

↑ 右手前の彫像の並んでいる部分がサン・レミの墓

↑ サン・レミの墓
──巡礼の旅──(20)再掲載・初出2013/09/24
シャンパーニュ・ランス「サン・レミ聖堂」・・・・・・・・・・・木村草弥
聖レミとは、496年、ランス大聖堂でフランク王国の建国者クロヴィスに洗礼を授けたランス司教レミギウスのことである。
伝説では、このとき天から鳩が現れ、王の頭に注ぐ聖なる膏を入れた瓶をもたらした。
聖レミギウスの遺骨とともに、この瓶はサン・レミ聖堂に保管され、フランス歴代の王の戴冠式では修道士たちが、これを運んだという。
そんな歴史的にも有名な寺院なのだが、ランス大聖堂の蔭に隠れて、尋ねる観光客も少ない。
ここに入ると、一見して、いろいろな時代のスタイルが入り混じっていることに気づく。
これは中世では当たり前のことだが、長い年月をかけて少しづつ建築し、必要に応じて改築してきたのである。
この教会はランスの歴史においてとても重要なはずなのだが、やはりランス大聖堂の方が「微笑みの天使」と「シャガールのステンドグラス」で観光客の人気をひきつけていて、この教会を訪れる人は少ない。
場所としては、シャンパーニュ・カーブのポマリ、ヴァランケン、ヴーヴ・クリコと3つのカーブに囲まれるように広がる公園、Square Saint Nicaseのすぐ後ろにある。
ここは後ろなのか手前なのかはどこからそれを位置づけるかによるから、近くと言った方が良いかもしれないが、公園から見える。
ここはパイプオルガンが立派で目立つ。よくコンサートに使われるらしい。
フランスにはたくさんの教会があってツアーで来る観光客に言わせるとどれを見ても同じのようだが、ひとつひとつの教会が独自のスタイルと歴史を持っている。
私は教会が大好きで、それはもちろんステンドグラスを始めとする建築に興味がある、パイプオルガンの音色が好きというのはもちろんだが、旅行者のための格好の休憩所だからだ。
聖書の一句に「疲れている人は誰でも私のところに来て休みなさい」というものがある。
これは精神的に疲れている人を指しているのみでなく、身体的にもそうである人を対象にした癒しの言葉だと私は理解している。
旅行で歩きつかれた、日差しが強すぎて疲れた、雨に打たれて疲れた、外気が寒すぎて疲れた、何でも良いんだと思う。
教会は安息のための場所である。人種も宗教も問わない場所である。
私は静かに本を読みたいとき、ちょっとナポレオン式居眠りをしたい時、教会のお世話になる。
美しいステンドグラスと麗しいパイプオルガンの音色に癒されて、ロマネスクやゴシック建築に心を鷲づかみにされて感動することで自分が生きているんだ、何かを感じることが出来るんだ、健全であるんだと確認するのである。
この教会のステンドグラスは、いずれも美しい。 写真に出せないのが残念だが、ネット上にいくつも出ているので、ご覧ください。
ここランスには、先に2013/07/21付で載せた「フジタ礼拝堂」も存在する。
「シャンペン」生産の中心地なのである。
ここランスは、この礼拝堂の誕生によって、特に日本人観光客の足を延ばさせる土地となった。
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