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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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『高階杞一詩集』・・・・・・・・・・・・木村草弥
高階①

──高階杞一の詩──(8)
      
        『高階杞一詩集』・・・・・・・・・・・・木村草弥
              ・・・・・・・・ハルキ文庫2015/08/18刊・・・・・・・・・・

この詩集が著者から恵贈されてきた。 既刊の詩集のアンソロジーである。
一冊の詩集から四、五篇くらいの作品が抄出されている。
高階杞一の詩については ← に書いたので参照されたい。

まず、はじめに巻末に載る谷川俊太郎の「エッセイ」という解説を引く予定だったが、高階さんから著作権の問題もあるから縮めよ、との指摘があり、削ると意味不明になるので、
全文を別の場所に置き、ここには「リンク」として読めるようにした。 → 『高階杞一詩集』付属「谷川俊太郎・エッセイ」
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 ↑ 第五詩集『早く家へ帰りたい』

私がブログに書いた文章の中にも、この第五詩集『早く家へ帰りたい』(偕成社)に触れたものはない。
谷川俊太郎が「エッセイ」の中でも触れているが、この本は他の詩集と違って「リアリズム」風の作品になっている。
おそらく、それだけ死の衝撃が強かったせいかと思われる。
谷川の文章で、ほぼ尽きているいるかと思うが、詩を引いてみる。

    催促
      雄介九ケ月、四度目の手術の前に

  春の土から
  草が萌え出すように
  小さな歯茎から
  小さな歯が二本
  生えてきた

  何か
  噛むものをちょうだい
  まるで催促でもするように

  それにまだ
  応えられないのが
  つらい

   
     

  こどもがはじめて笑った日
  ぼくの暗がりに
  ひとすじの強いひかりがさしこんだ
  生まれてはじめて見るような
  澄んだあかるいひかり
  その時
  ぼくの手の中で
  愛
  という形のないものが
  はじめて〈愛〉という形になった

  そして
  ぼくの〈愛〉はまだ病んでいる
  病院の小さなベッドで
  「苦しい」とか「痛い」とか
  そんな簡単な言葉さえ
  いまだ知らずに


    早く家へ帰りたい (部分)

  旅から帰ってきたら
  こどもが死んでいた
  パパー と迎えてくれるはずのこどもに代わって
  たくさんの知った顔や知らない顔が
  ぼくを
  迎えてくれた
  ゆうちゃんが死んだ
  妻が言う
  ぼくは靴をぬぎ
  荷物を置いて   (後略)
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高階氏については → Wikipedia─高階杞一 を見られたい。
残余の詩集については、先にあげた私のブログの「カテゴリ」を見てもらいたい。
この詩集には自筆による詳しい「年譜」が載っており、私生活にも及ぶ高階さんの半生が読み取れる。
高階さんは酒が大好きであられるようで、食道ガンなどの手術を再三なさっている。
これからも頑張っていただかないといけない人だから、節制に努められるようお願いして拙文を終わりたい。
有難うございました。


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