FC2ブログ
K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
202007<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>202009
書評・木村草弥『無冠の馬』・・・・・・・・・・・・・星乃真呂夢
詩し思想_NEW
mukannouma (2)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


      書評・木村草弥『無冠の馬』・・・・・・・・・・・・・星乃真呂夢
                  「詩と思想」2015/10月号所載・・・・・・・・・


    星乃真呂夢   歌集『無冠の馬』木村草弥(角川学芸出版)

   題材の豊潤さ、縦横無尽さに驚く第六歌集。
   三部構成で、Ⅰ部は「無冠の馬」
   「茶の花の散るを寂しと思ひゐる父の蔵書に古き書き込み」
   「十戦十勝かつ英国首位種牡馬─セントサイモンは <無冠馬>だつた」
   「午年生まれ ましてや無冠のわれながら馬齢を重ね八十五となる」
   老いと向かい合う作者の「無冠」という響きに重層的な深みが広がり、
   あるがまま、独りも良しとする恬淡さが響く。
   Ⅱ部は「テラ・インコグニタ」─未知なる土地の意。
   華麗なる外国詠。自由律で太古の時間まで編み込む壮大交響詩のよう。
   古い魂と響き合おうとする強い意志を感じ、木村氏にとって訪れた地は全て、
   地球という「傘状の大樹」に実る豊かな果実ではないか。
   「亜大陸インドの南ひとつぶの涙を零ししやうなり、スリランカ」
   「乳ふさも露はに見せて地母神は聖なる蛇を双手に握る」
   豊穣な大地とエロス、母のイメージはⅢ部の<幽明>というテーマへ、
   母や妻の死もやがて永遠へと昇華されていく。
   「『夫婦して癌と共生、なんちやつて笑はせるわね』妻がつぶやく」
   「蜜壺にあふるるものに口つけて陶然とすれば菊慈童めき」
   菊慈童は仙境に住む不老の少年。
   「歌よ永遠にわか (和歌) くあれ」と、祈りにも読め、永劫回帰や生への
   意志を感じる最終章に感銘。
   日常を瞬時に切り取る自在さと俊敏さ、題材を問わず己の視点を
   保つ強靭な精神、その軸足の強さは、まさに無冠の名馬に匹敵
   するたぐいまれな歌集である。

--------------------------------------------------------------------------------
極めて的確な批評を賜って、心から厚く御礼申し上げ、ここに紹介する次第である。
有難うございました。 作者冥利に尽きるというものである。 今後とも、よろしくお見知りおき願います。


コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2020 Powered By FC2ブログ allrights reserved.