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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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待てどくらせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬさうな  ・・・・・・・・・・・竹久夢二
matsuyoigusaaオオマツヨイグサ

    待てどくらせど来ぬ人を

     宵待草のやるせなさ

     今宵は月も出ぬさうな・・・・・・・・・・・・竹久夢二


竹久夢二の作詞による「宵待草」の、この一節を、千葉県銚子の海鹿島海岸近くに、房総夢二会によって建てられた竹久夢二の碑文がある。

夢二は明治43年、27歳の夏に海鹿島に滞在し、この「宵待草」のモデルとなる女性、長谷川カタに出会った。
宵待草とは、銚子の海岸に群生して夕方になると黄色い花を咲かせるマツヨイグサのことである。

ここに引いた夢二の作品には、以下のような「後日譚」がある。

レコード会社に頼まれた西条八十が二番を付けたという。

◆暮れて河原に星ひとつ 宵待草の花が散る 更けては風も泣くさうな

しかし、宵待草は萎れる花で、散る、ということは無い。
西条八十は晩年の自叙伝で「花が散る」を「花の露」に改めているそうである。
これは、「また聞き」であり、確認した訳ではないので、念のため。

ここで♪YouTube「竹久夢二 宵待草 川井郁子」♪の動画をお届けする。
川井郁子の演奏と共に、夢二のメルヘンチックな絵が次々と出てくる佳いものである。

月見草ほのかなる黄に揺れをればけふの情(こころ)のよすがとやせむ・・・・・・木村草弥

この歌は私の第一歌集『茶の四季』 (角川書店)に載せたものだが、「月見草」というのは俗称で、月見草というのは別の花である。正しくは「待宵草」という。南米チリの原産で、わが国には1851年に渡来したという。
繁殖力旺盛で、今では海辺や河原、鉄道沿線、河川の堤防などに広く分布する。
正式には「オオマツヨイグサ」というらしい。

太宰治が

<富士には月見草が、よく似合ふ>

と言ったのも、この待宵草のことである。

いずれにしても、黄色の、よく目立つ花で、私がいつも散歩する木津川の堤防にもたくさん咲いている。
6月半ばから一斉に咲き始めた。
何となく女の人と待ち合わせるような雰囲気を持つ花で、ロマンチックな感じがするのである。
花言葉も「ほのかな恋」という。

以下に歳時記から句を引くが、みな「待宵草」を詠んだものだという。

 乳色の空気の中の月見草・・・・・・・・高浜虚子

 月あらぬ空の澄みやう月見草・・・・・・・・臼田亞浪

 月見草蛾の口づけて開くなり・・・・・・・・松本たかし

 項(うなじ)一つ目よりもかなし月見草・・・・・・・・中村草田男

 月見草ランプのごとし夜明け前・・・・・・・・川端茅舎

 月見草夕月より濃くひらく・・・・・・・・安住敦

 開くより大蛾の来たる月見草・・・・・・・・高橋淡路女

 月見草はらりと地球うらがへる・・・・・・・・三橋鷹女

 月見草咲き満ち潮騒高くなりぬ・・・・・・・・道部臥牛

 月見草河童のにほひして咲けり・・・・・・・・湯浅乙瓶

 月見草夜気ともなひて少女佇つ・・・・・・・・松本青石

 月見草歩み入るべく波やさし・・・・・・・・渡辺千枝子

 月見草怒涛憂しとも親しとも・・・・・・・・広崎喜子

 月見草ぽあんと開き何か失す・・・・・・・・文挟夫佐恵

 月見草馬も沖見ておとなしく・・・・・・・・橋本風車

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